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歴史・文化

門松としめ飾りの飾り方|飾る日と松の内、地域で違う形、外したあとの納め方

門松としめ飾りの意味と成り立ち、竹の切り口や松の左右、玉飾りやごぼう締めなど地域で違う形、12月28日に飾る理由、松の内の地域差、マンションでの飾り方、どんど焼きや自宅での納め方までを順にまとめました。

玄関の両脇に置いた一対の門松

年末が近づくと、スーパーや花屋の店先に、しめ飾りが並び始めます。門松も、会社の入り口や商店の前で見かける機会が増えます。ところが、毎年の習慣になっているのに、「どちらが何のための飾りなのか」「買うならどれか」「いつ外して、どう処分すればよいのか」と聞かれると、はっきり答えられない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、門松としめ飾りに絞って、意味と成り立ち、地域で違う形、飾る日と外す日、集合住宅での工夫、外したあとの納め方を順に見ていきます。鏡餅については鏡餅の飾り方と鏡開きで、お正月全体の流れについてはお正月の行事と意味で扱っているので、あわせて読むと全体像がつかめます。

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門松としめ飾りは、何のための飾りか

年神様を迎える準備

お正月は、もともと新しい年の実りと家族の無事をもたらす年神様を、家に迎える行事です。門松としめ飾りは、どちらもこの来訪に関わっています。

  • 門松: 年神様が迷わず家に来るための目印であり、降りてくるときの依り代(神が宿るもの)とされます。
  • しめ飾り: その家が年神様を迎える清らかな場所であることを示し、不浄なものが入らないようにする結界の役割があります。
  • 鏡餅: 家に入った年神様が滞在する場所であり、そのあと分けていただくものです。

つまり、外から順に「目印」「入り口の清め」「滞在の場所」と役割が分かれています。三つそろえなければならないわけではありませんが、この順番を知っていると、飾る場所を迷いにくくなります。

年神様を迎える飾りの順番(1. 門松、2. しめ飾り、3. 鏡餅)
家の外から内へ、役割が分かれている。

なぜ松なのか

松は冬でも葉が緑のままで、枯れない木の代表です。一年中青い常緑樹には神の力が宿ると考えられ、樹木に神が降りてくるという古い信仰と結びつきました。「松」が「待つ」に通じるので、神を待つ木だとする解釈もよく紹介されます。

門松の語は、平安時代の終わりごろの和歌に現れるとされます。中国の風習が伝わったとする説もありますが、日本にもともとあった、木に神を迎える考え方と重なって定着したと見るのが自然でしょう。当時の門松は現在の形とは違い、小さな松の枝を立てる程度のものだったと考えられています。

竹が加わった理由

現在の門松は、中央に太い竹が目立ちますが、主役はもともと松です。竹は、まっすぐ伸びて成長が早く、節を重ねて強く育つことから、長寿や繁栄の象徴として添えられるようになりました。竹が大きく目立つ形は、江戸時代以降に広まったものとされます。

「松竹梅」は門松から始まったわけではない

松竹梅は、中国で「歳寒三友」と呼ばれ、寒い時期にも姿を保つ三つの植物を尊ぶ考え方がもとになっています。日本では縁起物として好まれ、門松にも梅の枝や、葉牡丹、南天、稲穂などが添えられるようになりました。添える物は土地や作り手によって違うので、「この組み合わせでなければならない」という決まりはありません。

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門松としめ飾りの違い

二つの違いを整理すると、次のようになります。

項目 門松 しめ飾り
役割 年神様の目印、依り代 清らかな場所の印、魔除け
材料 松、竹、梅、わらなど わら、紙垂、裏白、橙など
置く場所 門や玄関の外の両脇 玄関の正面、神棚、水回り
大きさ 大型から卓上用まで 手のひら大から大型まで
地域差 形や松の種類に差がある 形の種類が多く、差が大きい

門松の形を見分ける

竹の切り口「そぎ」と「寸胴」

門松の竹の先には、大きく二つの形があります。斜めに切った「そぎ」と、水平に切った「寸胴(ずんどう)」です。

そぎの形については、徳川家康が三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れたあと、次は倒すという思いを込めて竹を斜めに切った、という話がよく語られます。ただ、これは言い伝えの域を出ず、確かな根拠があるわけではありません。実際には、土地の習わしや作り手の好みで選ばれていると考えるほうが自然です。

節の近くで斜めに切ると、切り口の下に節が見えて、人が笑った口のように見えると言われます。「笑う門には福来る」にかけた縁起担ぎです。店先の門松を見たら、切り口と節の位置を比べてみると面白いでしょう。

松の種類と左右

本格的な門松では、玄関に向かって左に幹の太い黒松(雄松)、右に赤松(雌松)を置くとされます。松と竹の並び方は左右対称にして、一対で飾るのが基本です。とはいえ、現在は既製品で、どちらも同じ松の場合がほとんどです。そのときは、左右の向きをそろえて、対称に見えるように置けば十分です。

門松のここを見ると面白い(竹の切り口、節の位置、松の種類、添え物)
作り手や土地の違いが、四つの部分に表れる。

関西に見られる根引き松

関西、とくに京都の周辺では、竹を組んだ門松ではなく、根がついたままの若松に白い和紙を巻いて金銀の水引を掛けた「根引き松」を、門の両脇に飾る家が見られます。「根付く」「成長する」という願いが込められていると言われます。年末になると花屋に並ぶので、関西の町を歩くと、関東の門松とは違う、すっきりした景色に気づくはずです。

松を飾らない土地や家

地域や家によっては、門松を立てないところもあります。松の代わりに榊や楢などの別の木を立てる土地もあれば、家の言い伝えで松を避ける例もあります。これは「間違い」ではなく、土地の歴史や信仰に根ざした習わしです。引っ越し先の町で門松を見かけないときは、地域の習慣として受け止め、近所の人に尋ねてみるのがよいでしょう。

次のページへしめ飾りのもとになったしめ縄
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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙