図書館を調べものに使いこなす|日本十進分類法の棚の歩き方、蔵書検索とレファレンスの頼み方
レファレンスサービスの頼み方
図書館の調べものでいちばん頼りになるのが、レファレンスサービスです。調べたいことを司書に相談すると、手がかりになる資料や調べ方を一緒に探してもらえます。「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うようなことでも、遠慮はいりません。

相談のしかたにはいくつか種類があります。カウンターで直接聞くほか、電話やメール、ウェブのフォームで受け付けている図書館もあります。レファレンスカウンターや相談窓口という名前で、専用の窓口を設けている館もあります。
伝えるとよいこと
レファレンスを上手に頼むコツは、知りたいことを具体的に伝えることです。

たとえば「江戸時代のことを知りたい」よりも、「江戸時代の庶民がどんなものを食べていたか、子どもの自由研究のために、写真や絵が多い本を知りたい」と伝えた方が、ずっと的確な資料を紹介してもらえます。すでに調べた本やサイトを伝えておくと、同じものを紹介される手間も省けます。
レファレンスで頼めないこと
レファレンスは、調べるための資料や方法を案内するサービスです。そのため、医療や法律の具体的な判断、ものの値段の鑑定、学校の宿題の答えそのものなど、司書が判断を下すことはできない相談もあります。こうした場合も、判断の手がかりになる資料は紹介してもらえるので、資料探しの相談として持ちかけるとよいでしょう。
ほかの人の調べものを参考にする
国立国会図書館が全国の図書館と協力して運営している「レファレンス協同データベース」では、各地の図書館に寄せられた質問と、その調べ方の記録をインターネットで見ることができます。自分と似た質問がないかを探すと、どんな資料から調べればよいかの見当がつきます。調べ方そのものを学ぶ教材としても役立ちます。
資料の種類ごとの使い分け
図書館には、ふつうの本のほかにもさまざまな資料があります。知りたいことに合った種類の資料を選ぶと、調べものがずっと早く進みます。
辞典や事典、年鑑、統計書、地図帳、白書などは、参考図書(レファレンスブック)と呼ばれます。必要なところだけを引いて使う本なので、多くは貸出せず館内で使う決まりになっています。調べものの最初に百科事典で全体像をつかみ、そこに挙げられた参考文献をたどるのは、昔から使われてきた確かな方法です。

新聞や雑誌のバックナンバーも、図書館の大切な資料です。何年も前の出来事が当時どう報じられていたかは、ネットでは見つからないことが少なくありません。図書館によっては、館内で新聞記事のデータベースを使えるところもあり、キーワードで過去の記事を探せます。
地域の歴史や地名、祭り、昔の地図などを調べるなら、郷土資料のコーナーが頼りになります。地元の図書館は、その地域の資料をもっとも熱心に集めている場所です。市町村史や地域の会報など、ほかでは手に入らない資料が見つかることもあります。
複写と記録
調べものの途中で資料を手元に残したいときは、図書館の複写サービスを使います。著作権法の範囲内で、調査研究のために資料の一部分を複写できるのが一般的です。複写できる範囲は資料の種類によって決まりがあるので、申込書の説明をよく読みます。
読んだ資料は、書名、著者、出版社、出版年、ページを必ず控えておきます。後から同じ資料にたどり着けるようにするためです。読みながら考えたことを残す方法は、読書ノートの書き方も参考になります。
図書館での調べものを続けるコツ
図書館の調べものは、一度で答えにたどり着くとは限りません。何度か通い、資料をたどっていくうちに、少しずつ全体像が見えてきます。続けやすくするための工夫をいくつか紹介します。
まず、調べる前に「何が分かれば終わりか」を一文で書いておきます。調べているうちに興味が広がって、元の目的を見失うのはよくあることです。ゴールがはっきりしていれば、脇道に入っても戻ってこられます。
次に、資料から資料へたどる習慣をつけます。一冊の本の参考文献や巻末の案内は、次に読むべき資料のリストです。気になった資料に印をつけ、次に図書館へ行ったときに探します。

行き詰まったら、早めに司書に相談するのも大切なコツです。一人で何時間も探して見つからなかった資料が、相談したら数分で見つかることもあります。調べものの手順そのものを教わる気持ちで頼ると、次の調べものにも生かせます。
大人になってから学び直したい人には、図書館は費用をかけずに使える心強い場所です。学び直しの進め方については、大人の学び直しのコツもあわせて読んでみてください。
まとめ
図書館は、本を借りるだけでなく、調べものの拠点として使える場所です。日本十進分類法の最初の一桁を知っておくと棚の歩き方が変わり、請求記号を読めば目的の本にまっすぐたどり着けます。蔵書検索で見つからないときは、言い換えや件名、分類番号を使って探し直し、それでも見つからなければ予約や取り寄せ、相互貸借の仕組みを使います。
調べものに行き詰まったら、レファレンスサービスで司書に相談しましょう。知りたいこと、目的、すでに調べたこと、期限を伝えると、的確な資料を案内してもらえます。
最初の一歩として、いま気になっているテーマを一つ決め、近くの図書館でその分野の分類番号の棚を探してみてください。目当ての本の両隣に並ぶ本を数冊手に取り、目次を眺めるだけでも、ネット検索とは違う広がりがきっと見つかります。
よくある質問
レファレンスサービスは誰でも使えますか?
多くの公共図書館では、利用者なら誰でも無料で相談できます。カウンターで直接聞くほか、電話やメール、ウェブのフォームで受け付けている図書館もあります。受け付け方法は図書館ごとに違うので、館のサイトで確かめてください。
住んでいる市の図書館にない本は読めませんか?
予約やリクエストの制度を使えば、同じ自治体の別の館や、ほかの図書館から取り寄せてもらえることがあります。取り寄せた資料は、館内での閲覧に限られる場合もあります。対象や条件は図書館によって異なります。
日本十進分類法は全部覚えないといけませんか?
覚える必要はありません。最初の一桁の0から9が何の分野かを知っておくだけで、棚の歩き方がずいぶん変わります。よく調べる分野の三桁の番号を一つ二つ覚えておくと、さらに便利です。
図書館で本をコピーしてもよいですか?
図書館の複写サービスでは、著作権法の範囲内で、調査研究のために資料の一部分を複写できるのが一般的です。どこまで複写できるかは資料の種類によって決まりがあるので、申込書の説明やカウンターで確かめてください。
インターネットで調べれば図書館は要らないのでは?
ネットで見つかる情報は、出典がはっきりしないものや、古い資料が含まれていないものも多くあります。図書館の辞典や年鑑、新聞や雑誌のバックナンバー、地域の資料は、出典をたどれる確かな情報源です。ネットで手がかりをつかみ、図書館で裏付けをとる、という組み合わせが役に立ちます。










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