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歴史・文化

二十四節気と七十二候の読み方|太陽で決まる季節の区切りと、暦の言葉の楽しみ方

立春や霜降などの二十四節気が太陽の位置で決まるしくみ、暦の上の季節と実際の気温がずれる理由、約5日ごとの七十二候の読み方と代表的な候の意味、節分・八十八夜・土用などの雑節との関係、旧暦との違い、手帳や暮らしに取り入れる方法までをまとめました。

白紙の手帳を囲む春の花、新緑、紅葉、雪の枝

カレンダーの日付の下に、小さく「霜降」や「立冬」と書かれているのを見たことがある人は多いと思います。ニュースでも「暦の上では今日から秋です」という言い方をよく耳にします。けれども、8月の初めに「立秋」と言われても、外はまだ真夏の暑さです。暦の言葉と自分の感じる季節が、どうしてこんなにずれるのか、不思議に思ったことはないでしょうか。

この記事では、二十四節気がどのように決まっているのかというしくみから、暦の季節と実際の気温がずれる理由、約5日ごとに季節を細かく言い表す七十二候の読み方、節分や土用といった雑節との関係、旧暦との違いまでを順に見ていきます。最後に、手帳や日々の暮らしに季節の言葉を取り入れる方法も紹介します。読み終えたころには、カレンダーの小さな文字が少し違って見えるはずです。

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二十四節気とは:1年を24に分けた季節の目印

**二十四節気(にじゅうしせっき)**は、1年をおよそ15日ずつ、24の期間に分けて、それぞれに季節を表す名前を付けたものです。立春・春分・夏至・秋分・冬至など、よく知られた言葉も、すべてこの二十四節気の一部です。

もともとは古代の中国で、農作業の時期を知るために生まれたと考えられています。月の満ち欠けで日付を数える暦(太陰暦)では、同じ「3月1日」でも年によって季節が大きくずれてしまいます。そこで、太陽の動きをもとにした季節の目印を別に用意し、種まきや収穫の時期を判断できるようにしました。日本にも暦とともに伝わり、長く暮らしの中で使われてきました。

「節気」という言葉の意味

二十四節気の一つひとつの名前は、ある期間の始まりの日を指す場合と、その日から次の節気の前日までの期間全体を指す場合があります。たとえば「今日は霜降です」というときは始まりの日を、「霜降の頃」というときは、およそ15日間の期間を指しています。

二十四節気は、さらに大きく四つの季節に6つずつ分かれます。春は立春から、夏は立夏から、秋は立秋から、冬は立冬から始まり、それぞれ「立」の字が付く節気が季節の入り口になっています。

季節 節気(日付は目安)
春 立春(2月4日頃)・雨水(2月19日頃)・啓蟄(3月5日頃)・春分(3月20日頃)・清明(4月5日頃)・穀雨(4月20日頃)
夏 立夏(5月5日頃)・小満(5月21日頃)・芒種(6月6日頃)・夏至(6月21日頃)・小暑(7月7日頃)・大暑(7月23日頃)
秋 立秋(8月7日頃)・処暑(8月23日頃)・白露(9月8日頃)・秋分(9月23日頃)・寒露(10月8日頃)・霜降(10月23日頃)
冬 立冬(11月7日頃)・小雪(11月22日頃)・大雪(12月7日頃)・冬至(12月22日頃)・小寒(1月5日頃)・大寒(1月20日頃)

日付は年によって1日ほど前後します。その年の正確な日付は、国立天文台が公表している暦の情報で確認できます。

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名前に込められた意味

節気の名前には、その時期の自然や暮らしの様子が短い言葉で表されています。いくつか例を挙げると、次のような意味があります。

  • 雨水(うすい): 雪が雨に変わり、積もった雪や氷が解け始める頃。
  • 啓蟄(けいちつ): 土の中で冬ごもりしていた虫が、穴を開いて出てくる頃。「蟄」は冬ごもりのことです。
  • 清明(せいめい): 万物が清らかで生き生きとして見える頃。
  • 穀雨(こくう): 穀物を育てる春の雨が降る頃。
  • 小満(しょうまん): 草木が育ち、天地に生気が満ち始める頃。
  • 芒種(ぼうしゅ): 稲や麦など、穂先に「芒(のぎ)」のある穀物の種をまく頃。
  • 処暑(しょしょ): 暑さがおさまり始める頃。「処」には落ち着くという意味があります。
  • 白露(はくろ): 草の葉に白く光る露が付き始める頃。
  • 霜降(そうこう): 朝晩の冷え込みで、霜が降り始める頃。

名前を知っているだけで、カレンダーを見たときに「いまはこういう季節とされているのか」と想像しやすくなります。

二十四節気はどう決まる?太陽の通り道を24等分する

二十四節気の日付は、人が話し合って決めているわけではなく、天文学的な計算で決まります。手がかりになるのは、地球から見た太陽の位置です。

地球は1年かけて太陽のまわりを回っていますが、地球から見ると、太陽が星空の中を1年かけて一周しているように見えます。この見かけの太陽の通り道を**黄道(こうどう)と呼びます。黄道上の位置は、春分のときの太陽の位置を0度として、ぐるりと360度で表します。これを太陽黄経(たいようこうけい)**といいます。

二十四節気が決まる流れ(1. 太陽の通り道を考える、2. 春分を0度にする、3. 15度ずつ区切る、4. 到達した日が節気)
太陽の位置が15度進むごとに、次の節気になります。

360度を15度ずつに分けると、ちょうど24の区切りができます。太陽黄経が0度になる瞬間が春分、90度が夏至、180度が秋分、270度が冬至です。立春は315度、立夏は45度、立秋は135度、立冬は225度にあたります。太陽がその角度に達した瞬間を含む日が、その節気の日になります。

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「平気法」と「定気法」

昔の暦では、冬至から次の冬至までの日数を単純に24等分して節気を決めていた時期がありました。これを**平気法(へいきほう)**といいます。分かりやすい方法ですが、実際の太陽の動きとは少しずれが出ます。

地球の公転の軌道は完全な円ではなく、わずかに楕円になっています。そのため、太陽が黄道を進む速さは季節によって少し違い、北半球の冬にあたる時期はやや速く、夏にあたる時期はやや遅く進みます。そこで、日数ではなく太陽の位置で15度ずつ区切る**定気法(ていきほう)**が考えられました。日本では江戸時代の終わりごろの暦から定気法が使われ、現在の二十四節気もこの考え方で決められています。

定気法では、太陽の進みが速い冬の時期は節気の間隔がやや短く、進みが遅い夏の時期はやや長くなります。どの節気の間もきっちり15日というわけではなく、14日から16日ほどの幅があるのはこのためです。

「節」と「中」の二つのグループ

二十四節気は、交互に**節(せつ)と中(ちゅう、中気)**の二つのグループに分かれています。立春・啓蟄・清明のように、季節の入り口や月の始まりにあたるものが節、雨水・春分・穀雨のように、その間にあるものが中です。12の節と12の中が交互に並んでいます。

この区別は、旧暦の月の決め方と深く関わっています。旧暦では、中気を含む月によってその月が何月かを決め、中気を一つも含まない月が出たときには、その月を**閏月(うるうづき)**にするという決まりがありました。太陽の動きと月の満ち欠けのずれを、二十四節気を使って調整していたわけです。

暦の季節と体感がずれる理由

二十四節気に親しむうえで、多くの人が最初につまずくのが「暦の季節が早すぎる」という感覚です。立春の2月初めはまだ寒さの盛りで、立秋の8月初めは一年でいちばん暑い頃です。これにはいくつかの理由があります。

太陽の高さと気温の山はずれている

二十四節気は太陽の位置で決まるので、夏至は太陽がいちばん高く、昼がいちばん長い日です。冬至はその反対です。立春・立夏・立秋・立冬は、それぞれ冬至・春分・夏至・秋分のちょうど中間にあたります。つまり、二十四節気の「夏」は、太陽の光がいちばん強い夏至を真ん中にした期間として作られています。

ところが、気温がいちばん高くなるのは夏至ではなく、それより1か月以上あとです。地面や海は温まりにくく冷めにくいので、太陽から受け取る熱が多い時期が過ぎても、しばらくは蓄えた熱で気温が上がり続けます。冬も同じで、冬至を過ぎてもしばらくは冷え込みが強まっていきます。この「気温の遅れ」があるため、太陽を基準にした暦の季節は、体で感じる季節より早く進んで見えるのです。

二つの「季節」の基準(二十四節気の季節と体で感じる季節の比較)
どちらが正しいというより、物差しが違います。
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生まれた土地の気候が違う

もう一つの理由は、二十四節気が古代中国の、主に黄河の流域の気候をもとに作られたことです。大陸の内陸に近い地域と、海に囲まれた日本とでは、季節の進み方が同じではありません。日本の中でも、北海道と九州、沖縄では季節の巡り方がかなり違います。

そのため、節気の名前と目の前の景色が合わないのは、ある意味で当然のことです。「暦では霜が降りる頃とされているが、うちのあたりではまだ霜は見ない」というように、ずれそのものを観察するのも、季節の言葉の楽しみ方の一つです。

「暦の上では」は便利な言い方

ニュースなどで使われる「暦の上では秋」という言い方は、体感とは違うけれども、太陽の巡りとしては季節が切り替わった、という意味で使われています。暑さの中にも、朝夕の風や日の短さに少しずつ秋の気配を探す、という昔からの季節の受け止め方とも重なっています。言葉と体感の差を「間違い」と見るより、季節の変わり目を早めに知らせる合図として受け取ると、付き合いやすくなります。

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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙