ユニバーサル基板への組み替え|ブレッドボードの回路を基板にはんだ付けする手順と配線のコツ
動かないときの探し方と、よくある失敗
基板に組んだ回路が動かないとき、やみくもにはんだを付け直すと、かえって状態が分からなくなります。順番に原因を絞り込んでいきましょう。
原因を絞る手順
- 電源が来ているかを確かめる。テスターでICの電源ピンとGNDのあいだの電圧を測る。
- 電圧がない場合は、電池からICまでの経路を、導通確認で端から追う。
- 電圧がある場合は、配置図と実物を見比べ、部品の向きと値を確かめる。
- それでも分からないときは、配線を一本ずつ、両端で導通を確かめる。
- 最後に、ブレッドボードの回路と、つながりの一覧を突き合わせる。
よくある失敗と避け方
もっとも多いのは、裏返したときの左右の取り違えです。配置図を表から描いた場合、裏面では左右が逆になることを忘れて配線すると、ICの足の番号がずれてしまいます。ICの1番ピンの位置に、裏面から油性ペンで小さな印を付けておくと、取り違えに気づきやすくなります。
次に多いのが、隣のランドへのはんだブリッジです。はんだを盛りすぎたときや、こて先にはんだが多く残っているときに起こりやすくなります。こて先はこまめにクリーナーでふき、はんだは「ランドが隠れる程度」を目安に控えめにします。
ランドがはがれてしまう失敗もあります。同じ場所に長くこてを当てたり、何度もやり直したりすると、ランドの接着が弱まってはがれます。はがれてしまった場合は、そのランドは使わず、部品の足を隣のランドまで伸ばすか、線を直接足に付けてつなぎます。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| まったく動かない | 電源の配線漏れ、電池の向き | 電源ピンの電圧を測る |
| 一部だけ動かない | 配線漏れ、はんだ不足 | その部分の導通を確かめる |
| 電池がすぐ熱くなる | 電源とGNDの短絡 | すぐに外し、ブリッジを探す |
| ときどき止まる | はんだのなじみ不足 | 怪しい箇所にこてを当て直す |
はんだを外して直すとき
部品を付け間違えたときや、はんだブリッジを直すときは、はんだ吸い取り線やはんだ吸い取り器を使います。吸い取り線をランドに当て、上からこてを押し当てると、溶けたはんだが線に吸い込まれます。外し方のくわしい手順は、はんだ付けの失敗の直し方にまとめています。
直すときは、同じ場所に何度もこてを当てないよう、一度で外せる準備をしてから作業します。熱で傷みやすい部品は、少し冷ましながら進めます。
一歩進んだ工夫:見やすく、直しやすい基板にする
基本の組み方に慣れたら、後から見返したときに分かりやすく、直しやすい基板にする工夫を取り入れてみましょう。
線の色を決める
ジャンパー線を使うときは、電源のプラスは赤、GNDは黒、信号線はそれ以外の色、と決めておくと、ひと目で役割が分かります。何か月か後に基板を見返したときにも、回路を思い出しやすくなります。
電源の取り口をまとめる
電池をつなぐ端子や、USBからの給電口は、基板の一か所にまとめます。ピンヘッダーやコネクタを使っておくと、電池ボックスを交換したり、別の電源を試したりするのが簡単です。電源ラインの近くに小さなコンデンサを置くと、電圧の揺れをやわらげられることが多く、回路の動作が安定しやすくなります。
記録を残す
完成した基板の表と裏を写真に撮り、配置図と一緒に保管しておきます。基板の空いている場所に、油性ペンで作った日付や回路の名前を書いておくのもよい方法です。同じ回路をもう一つ作りたくなったときや、壊れて直すときに、記録があると作業がはるかに速くなります。
ケースに入れることを考える
完成した基板をケースに入れるなら、配置図を描く段階で、基板の四隅にねじ穴の位置を確保しておきます。スイッチや端子をケースの外から触れるようにしたい場合も、基板の端に寄せて配置しておくと、ケースの加工が少なくて済みます。
マイコンを使った回路を基板にする場合は、Arduinoのはじめの一歩のように、まずブレッドボードとマイコンボードで動作を確かめてから、必要な部品だけを基板に移すと失敗が少なくなります。
まとめ
ユニバーサル基板への組み替えは、はんだ付けの腕よりも、事前の計画が仕上がりを左右します。ブレッドボードで動作を確かめ、つながりの一覧と配置図を作り、背の低い部品から順に付け、配線をなぞりながら確かめる。この流れを守れば、初めてでも動く基板を作ることができます。
最初の一歩としては、LEDと抵抗、電池ボックスとスイッチだけの小さな回路を、5×7穴ほどの小さな基板に組んでみるのがおすすめです。部品が少なければ配置図もすぐ描けて、裏返したときの左右の反転や、すずめっき線の這わせ方を一通り体験できます。小さな基板で一度成功すると、次の回路を形にするのがぐっと楽しくなります。
よくある質問
ユニバーサル基板はどの種類から始めればよいですか?
最初は、穴ごとに銅のランドが独立している片面の紙フェノールかガラスエポキシの基板が扱いやすいです。ランドが独立していれば、配線をすべて自分で決められるので、回路図と基板の対応を理解しやすくなります。ブレッドボードと同じ並びでつながった基板も、移植を手早く済ませたいときには便利です。
配置図は必ず描かないといけませんか?
部品が数個の回路なら、頭の中で考えながらでも組めます。ただ、部品が増えると裏返したときに左右が逆になることもあって迷いやすいため、方眼紙に表から見た図を描いておくと失敗が大きく減ります。描いた図は、後で直すときの記録にもなります。
配線にはどんな線を使えばよいですか?
裏面で近い穴どうしをつなぐなら、すずめっき線(裸の単線)が手軽です。離れた場所どうしや、ほかの配線をまたぐところは、被覆のついた単線(ジャンパー線)を表側に通すと短絡を防げます。部品の足の切れ端を配線に使う方法もあります。
はんだがとなりのランドにつながってしまいました。どうすればよいですか?
はんだ吸い取り線を当てて余分なはんだを吸い取り、ランドのあいだにすき間を作ります。少量なら、こて先をきれいにしてランドのあいだをなぞるだけで分かれることもあります。直したあとは、テスターの導通確認でつながっていないことを確かめます。
家庭用のコンセントにつなぐ回路をユニバーサル基板で作ってもよいですか?
家庭用コンセントの電圧を直接扱う回路は、感電や発火の危険が大きく、この記事の範囲外です。乾電池やUSBなどの低電圧で動く回路にとどめ、商用電源が関わるものは市販の完成品や専門の知識を持つ人に任せてください。











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