節分の由来と過ごし方|豆まきの手順、恵方の決まり方、恵方巻と柊鰯の意味
家でする豆まきの手順
豆まきに決まった作法があるわけではありませんが、広く行われている形はあります。夜に行うのは、鬼が夜にやって来ると考えられていたためです。
用意するもの
豆は、節分の時期にスーパーで売られる福豆をそのまま使えば十分です。自分で炒る場合は、大豆を弱火でゆっくり炒り、皮にひびが入って香ばしいにおいがするまで火を通します。
入れ物は、升が正式とされます。量を測る升は「増す」に通じ、神事にも使われるためです。なければ小さな箱や器でもかまいません。
本来は、豆を前の日までに神棚に供えておき、その豆をまきます。神棚がない家では、部屋の高い場所に白い紙を敷いて置く方法があります。ただ、ここは気持ちの問題と考えて、できる範囲で行えば十分です。
まく順番

まく人は、もともとは一家の主人や、その年の干支に生まれた年男・年女の役目でした。今は家族全員で行う家が多く、だれがまいてもかまいません。
鬼の面をつけた人に豆をぶつける形は、家庭で楽しまれている遊びの部分です。行事としての中心は「鬼は外」「福は内」と声に出し、家の悪いものを追い出して、よいものを呼び込むことにあります。
終わったあと
豆をまいたら、すぐに片付けます。残したままにすると、踏んで割れたり、次に述べるように小さな子や動物が口に入れたりします。拾った豆を食べるかどうかは、床の状態を見て家ごとに判断します。食べるための豆は、まかずに別に取っておくのが衛生的です。
余った福豆の使い方
福豆は、袋の数が多くて余りがちです。炒った豆は水分が少なく日持ちしますが、一度開けた袋は湿気を吸って香りが落ちるので、早めに使い切ります。
- 米といっしょに炊く:いつもの水加減で、炒り豆を加えて炊くと、香ばしい豆ご飯になります。
- 煮物に入れる:昆布やにんじんと煮ると、豆がふっくらと戻ります。
- 砕いて使う:すり鉢で粗く砕き、サラダや和え物に振りかけます。
どの方法でも、噛む力が心配な人には豆を十分やわらかくしてから出します。
年男と年女の役目
その年の干支に生まれた男性を年男、女性を年女と呼びます。もともと年男は、正月の準備や若水くみなど、新年の行事を取り仕切る家の男性を指す言葉でした。節分が年越しの行事だったことから、豆をまく役も年男が担うようになったと考えられています。今は年齢にかかわらず、家族の中で一番声の大きな人が鬼を追う役になっている家もあるでしょう。
マンションや小さな子がいる家の豆まき
今の住まいでは、昔どおりに窓から豆をまくのが難しい場合もあります。大事なのは、事故なく続けられる形にすることです。
窒息の事故に注意する
硬い豆は、小さな子どもの窒息や誤嚥の原因になります。消費者庁は、5歳以下の子どもに硬い豆やナッツ類を食べさせないよう呼びかけています。高齢の方も、むせやすい場合は無理に食べないようにしてください。
子どもは、まかれた豆を拾って口に入れることがあります。「あとで食べる豆」ではなく「まいて遊ぶ豆」であっても注意が必要です。呼びかけの最新の内容は、消費者庁のサイトで確認してください。
小さな子がいる家では、次のような工夫があります。
- 個包装の豆や、殻のついた落花生をまく
- 新聞紙やお花紙を丸めて「豆」を作り、それをまく
- 家族で「鬼は外」と声を出す形だけにする
- 終わったら、家具の下まで確認する
集合住宅で近所に配慮する
ベランダから外へまくと、下の階や通路に豆が落ちます。掃除の手間だけでなく、鳥が集まる原因にもなるので、外へはまかないのが無難です。窓を開けて声だけ出し、豆はベランダの内側や部屋の中に静かにまく、あるいは玄関の内側に数粒置いて片付ける、といった形で十分です。
夜遅い時間の大きな声も響きやすいので、時間と音量に気を配ります。

犬や猫などの動物がいる家では、豆を飲み込まないよう、別の部屋にいてもらうと安心です。
「鬼は外」だけではない:掛け声と豆の地域差
豆まきは全国共通のように見えて、土地や家によってかなり違います。自分の家のやり方が他の家と違っていても、間違いとは言えません。
掛け声の違い
広く知られる掛け声は「鬼は外、福は内」ですが、例外も少なくありません。
千葉の成田山新勝寺では、不動明王の前では鬼も改心するとして「鬼は外」と言わず、「福は内」とだけ唱えます。東京の浅草寺も、観音さまの前に鬼はいないとして、「鬼は外」を唱えないことで知られます。
反対に、鬼を神として祀る社や、鬼の名がつく地域、姓に「鬼」の字がある家などでは、「鬼は内」と唱える例があります。渡辺姓の家では、祖先とされる渡辺綱が鬼を退治したので鬼が寄りつかず、豆まきをしなくてよいという話も伝わっています。
鬼を一方的に悪者とするだけでなく、人を守る力として受け止める考え方も、日本にはあります。
大豆か落花生か
北海道、東北、信越地方や南九州などでは、大豆ではなく殻つきの落花生をまく家が多いと言われます。雪の上でも拾いやすい、殻があるので汚れない、といった実際的な理由が挙げられます。

片付けの手間だけを考えれば、落花生や個包装の豆のほうが楽です。ただし、落花生もナッツ類なので、子どもが食べる場合の注意は同じです。アレルギーのある人がいる家では、使う豆そのものを見直します。










