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ものづくり・DIY

はんだごての選び方とこて先の手入れ|ワット数と温度調節の見方、こて先の形、黒くなったこて先の戻し方

こて先の形と使い分け

主な形

こて先にはいくつかの形があります。呼び名や記号はメーカーによって違うので、形そのものを見て選びます。

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形 見た目 向いている作業 注意点
円すい形 鉛筆のようにとがっている 狭い場所、細かい部品 点でしか触れず、熱を伝えにくい
斜め切り形 円柱を斜めに切った平らな面がある 一般的な部品、ピンヘッダ、表面実装部品 面の向きを合わせて当てる
マイナスドライバー形 先が平たい板状 太い線、端子、熱を多く必要とする所 狭い場所には入りにくい
ナイフ形 片側が刃のように薄い 隣り合う端子を続けて付ける作業 扱いに慣れが必要

「細ければよい」とは限らない

初めての人は、細かい作業に向きそうだと考えて、先のとがった円すい形を選びがちです。けれども、とがった先は接合部に点でしか触れないため、熱が伝わりにくく、かえって時間がかかります。長く当てると、部品や基板に熱を与えすぎる原因にもなります。

一般的な電子工作では、小さな平面のある斜め切り形や、細めのマイナスドライバー形のほうが、足とランドの両方に面で当てやすく、短い時間で仕上がります。最初は斜め切り形の中くらいのものを1本用意し、細かい部品や太い線を扱うようになったら、その都度買い足すとよいでしょう。

こて先を当てる向き

形が合っていても、当てる向きが合っていないと熱は伝わりません。斜め切り形なら、平らな面を部品の足とランドの両方に同時に触れるように当てます。マイナスドライバー形なら、平たい面を接合部に添わせます。先端の角だけで触れていないか、作業中にときどき確かめると、熱の伝わり方が安定します。

こて先選びで見るところ(面、大きさ、届くか、適合)
形と大きさは、接合部の大きさに合わせます。

こて先の構造と黒くなる理由

こて先は何でできているか

多くの電子工作用のこて先は、熱をよく伝える銅を芯にして、その表面を鉄のめっきで覆っています。銅はそのままだとはんだに少しずつ溶け出してすり減ってしまうため、鉄のめっきで守っているのです。さらに、はんだを乗せない根元の部分には、別のめっきをして、はんだが上へはい上がらないようにしているものが多くあります。

はんだがよくなじむのは、先端の鉄めっきの部分だけです。ここが薄いはんだの膜で覆われていると、熱は効率よく接合部へ伝わります。この状態を保つことが、こて先の手入れの目的です。

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黒くなるのは酸化と焦げ

こて先が黒くなり、はんだをはじくようになるのは、主に先端の表面が酸化するためです。鉄の表面が空気中の酸素と結びついて薄い膜ができると、はんだがなじまなくなります。焦げたフラックスがこびりつくことも、黒くなる原因です。

酸化が進みやすいのは、次のような使い方をしたときです。

  • 高い温度のまま、はんだを乗せずに長く放置する
  • クリーナーでぬぐったあと、はんだを乗せずにこて台へ置く
  • 必要以上に高い温度で使い続ける
  • 鉛フリーはんだを高温で長時間使う
  • 金属のブラシややすりで強くこすり、めっきを傷める

めっきが破れると戻らない

先端の鉄めっきが削れたり、長く使ってすり減ったりすると、中の銅がむき出しになります。銅ははんだに溶けやすいため、そこからこて先がえぐれ、穴があいたようになります。こうなると手入れでは戻らず、交換するしかありません。やすりで削ってはいけないといわれるのは、このめっきを守るためです。

毎回の手入れ

クリーナーの種類と使い方

作業中、こて先についた古いはんだや焦げたフラックスは、クリーナーでぬぐい取ります。主に二つの種類があります。

金属線のクリーナーにこて先を入れる手元とスポンジ
金属線式とスポンジ式のこて先クリーナー

スポンジ式は、水を含ませた耐熱のスポンジでこて先をぬぐうものです。水は含ませたあと軽く絞り、湿っている程度にします。水が多すぎると、こて先の温度が急に下がり、こて先に負担がかかります。スポンジが乾いたまま使うと、スポンジが焦げてこて先を汚します。

金属線式は、真ちゅうなどの細い金属線を丸めたものに、こて先を差し込んで軽く動かすものです。水を使わないので温度が下がりにくく、汚れもよく落ちます。台所用の鉄やステンレスのたわしは硬く、めっきを傷めることがあるので使いません。必ずこて先用として売られているものを使います。

作業の前・中・後の流れ

  1. 電源を入れ、温度が安定するまで待ちます。
  2. こて先をクリーナーで軽くぬぐい、すぐに新しいはんだを少し乗せてなじませます。
  3. 作業中は、接合のたびに、またはこて先が汚れたらクリーナーでぬぐい、すぐに作業に使います。
  4. 少し手を止めるときは、こて先に薄くはんだを乗せたままこて台に置きます。スリープ機能があれば説明書どおりに使います。
  5. 作業を終えるときは、ぬぐったあと、こて先の先端をはんだで少し多めに覆ってから電源を切ります。

最後に先端をはんだで覆っておくのは、冷えていく間にこて先が空気に触れて酸化するのを防ぐためです。次に使うときは、温まってからこのはんだをぬぐい落として作業を始めます。

「ぬぐったら、すぐ使う」

手入れでいちばん大切なのは、こて先をぬぐってきれいにしたら、その状態で長く放置しないことです。ぬぐった直後のこて先は、表面がむき出しで最も酸化しやすい状態です。きれいにしたらすぐ接合に使うか、すぐはんだを乗せて覆う、という習慣をつけるだけで、こて先の寿命は大きく変わります。

こて先を長持ちさせる習慣(ぬぐったらすぐ使うか覆う、置くときははんだを乗せる、必要以上に温度を上げない、スポンジは軽く湿らせる、終わりは先端をはんだで覆う、やすりで削らない)
毎回の小さな扱いが、寿命を左右します。
次のページへはんだをはじくこて先の戻し方
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