野菜の基本の切り方|安全な包丁使いと、厚み・繊維・料理別の使い分け
薄切りからせん切り・拍子木切りへ
一度に重ねる量を減らす
せん切りは、薄く切った野菜を重ね、端から細く切る方法です。最初の薄切りが厚いと、次に細く刻んでも断面の一辺が太くなります。きれいな細さに近づけるには、最後に刻む幅だけでなく、その前の薄切りの厚みをそろえる必要があります。細くできないときは、最後の工程より前の段階を確認してください。
初めは薄切りを数枚だけ重ね、ずれない高さにします。大量に重ねると上の一枚が滑ったり、押さえる指が伸びたりします。斜めに少しずらして置く方法もありますが、整列させることに手間取るなら、二、三枚を安定させて切る方が練習になります。長い野菜は、料理で使いやすい長さへ先に分けてから薄切りにします。
- 野菜に平らな面を作り、安定させて板状に薄く切ります。
- 板状の物を無理なく押さえられる枚数だけ重ねます。
- 向きを変え、最初の厚みと近い幅で端から切ります。
- 切った物を軽くほぐし、太い物やつながった物を見つけます。
- 安定して置ける太い片だけを切り直し、別の容器へ移します。

拍子木切りとさいの目切り
拍子木切りは棒状、さいの目切りはさいころ状に切る方法です。拍子木切りでは、まず板状に切り、それを同じくらいの幅で棒状にします。さいの目切りは、その棒を端から切って立方体に近い形へ整えます。レシピごとに寸法は違うため、名前だけから細さを決めず、指定や料理の仕上がりを見て調整してください。
丸い野菜から切ると、端に半端な形の片が出ます。家庭ではすべてを四角くするために周囲を厚く切り捨てる必要はありません。中央の部分と厚みを近づけ、火が通りにくい大きな塊を残さなければ使えます。形をそろえたい料理で端を別にした場合も、清潔なうちに取り分け、汁物など使い道を決めておくと無駄を減らせます。
キャベツのせん切りは葉を少量ずつ
キャベツは大きな塊を押さえて細く切るより、葉を数枚はがし、太い芯の部分を分けてから重ねると扱いやすくなります。葉が大きければまな板に収まる大きさに分け、ふくらみが少なくなるよう置きます。強く巻いて硬い筒にすると切りにくい場合もあるため、無理なく押さえられる形を選んでください。
芯と薄い葉を一緒に切ると、同じ幅でも硬さが変わります。芯は薄く切って加熱料理へ、葉はせん切りで生食へというように分ける方法もあります。切った後に水へさらすかは料理や状態に合わせ、水を使う場合は長く浸し続けず、仕上げに水けを十分切ります。水に入れたことだけで衛生的に保存できるわけではありません。
繊維の向きと乱切りの考え方
繊維に沿う、繊維を断つという意味
野菜には、根から葉の方向などに筋が見える物があります。その筋の向きに沿って細長く切ると歯ごたえを残しやすく、横切る方向に切ると筋が短くなり、柔らかく感じやすくなります。ただし、野菜の種類、厚み、加熱方法でも食感は変わります。繊維の方向だけで、必ず柔らかくなる、辛みがなくなると考えないでください。
例えば玉ねぎは、縦半分にした後、根元と先端を結ぶ方向に切るか、その方向を横切って切るかで、薄切りの向きが変わります。形を残したい炒め物と、柔らかく仕上げたい煮込みでは、切る方向を変えて比較できます。
にんじんのせん切りでも、長さの方向を変えると噛んだときの印象が変わります。初めから細さ、方向、加熱時間をすべて変えると違いが分かりにくいので、同じにんじんの少量で、厚みと加熱方法をそろえて向きだけを比べると確認しやすくなります。家庭での食べ比べは、好みを見つけるためのものとして気軽に行えば十分です。

乱切りも大きさはそろえる
乱切りは、野菜の向きを回しながら斜めに切り、不規則な面を作る切り方です。「乱」という字があっても、大きな塊と小さな欠片を混ぜる切り方ではありません。にんじんなど先が細くなる野菜では、細い所をやや長めに、太い所を短めに切ると、一片の大きさを近づけやすくなります。
切るたびに野菜を回すときは、刃を止め、安全な位置にしてから動かします。回転の角度を厳密に決めるより、まな板に置いたときに安定しているかを確かめます。途中で大きくなった片があれば、その一片を平らな面で置き直して分けます。手の中で持ったまま形を整えようとしないでください。
乱切りは煮物などで具の形に変化を出せますが、均一な小ささが必要なスープや短時間の炒め物では、薄切りやいちょう切りの方が管理しやすい場合もあります。切り口が多いことだけで選ばず、煮る時間、食べる一口の大きさ、使う器を考えます。レシピの形を変える場合は、加熱時間も元のままでよいか確かめてください。
無理なくそろえるみじん切り
まず細い棒にしてから刻む
みじん切りは、野菜を細かい粒にする切り方です。大きな塊を一度に何度もたたいても、細かい物と大きな物が混ざり、まな板の外へ飛び散りやすくなります。基本は、薄切り、せん切り、端から細かく切るという順番です。粒の細かさは、料理に混ぜたときの存在感や加熱時間に合わせます。
にんじんは板状に薄く切り、少量を重ねて細い棒にし、その棒を端から切ります。最初の板が厚いままだと、大きな粒が残ります。途中で束が広がったら、一度包丁を置いてまとめ直してください。切りながら押さえる手で無理に寄せ集めず、少量ずつ進めると、刃がどこを通るかを確認しやすくなります。
玉ねぎは横向きの切り込みを省いてよい
玉ねぎのみじん切りでは、根元を残して縦横に切り込みを入れる方法が知られています。ただし、手元に向かって刃を水平に入れる動きは、初めての人には難しく感じられます。玉ねぎは層があるので、その方法を使わなくても細かくできます。ここでは、途中でばらけても構わない、少量を切り直す方法を使います。
- 皮をむいた玉ねぎを縦半分にし、平らな切り口を下へ置きます。
- 扱いやすい向きで薄切りにし、切れた物を少量だけ残して脇へ分けます。
- 残した薄切りを安定するよう置き、向きを変えて端から細かく切ります。
- 大きな粒を数個ずつ選び、平らに置いて切り直します。
- 残りも同じように切り、使わない根元の部分を分けます。
一度に細かく仕上げようとして、刻んだ山へ両手を寄せないようにします。包丁の先や刃の近くへもう片方の手を置く方法は、慣れないうちは使わなくて構いません。片手で安定して切れる量に減らし、残った大粒を分けて切る方が、動作を把握しやすくなります。刃に付いた物は指でこそげず、包丁を安定させてからへらなどで外します。
細かさと水けを料理に合わせる
ハンバーグに混ぜる玉ねぎ、ソースの香味野菜、炒飯の具では、同じみじん切りでも求める粒が違います。形を残したい具なら粗めでもよく、口当たりをなめらかにしたい物は小さめにします。玉ねぎを生で混ぜるか、先に炒めて冷ますかも、切り方とは別にレシピで確かめてください。
玉ねぎで目が痛くなったら、刃を動かしたまま目をこすらず、包丁を置いてから離れます。作業前に冷やす、換気するなどの工夫で楽になる場合もありますが、無理に刻み続ける必要はありません。水へ長くさらすことをみじん切りの必須工程とはせず、料理で必要かを判断します。涙で手元が見えにくいまま続けないことが先です。










