冬の車の立ち往生に備える|車内に積むもの、燃料の目安、一酸化炭素を防ぐ待ち方
車に積んでおくものの優先順位
命を守るものを先に
積むものは、多ければよいわけではありません。冬の間ずっと車に載せておくものと、雪の区間へ出かける日に追加するものに分けると、管理が続きます。優先度の高いものから見ていきます。
| 優先度 | 物 | 役割 |
|---|---|---|
| 最優先 | 雪かき用のスコップ | マフラーの除雪、脱出 |
| 最優先 | 防寒着、毛布、手袋、帽子 | エンジンを止めても過ごす |
| 最優先 | 飲み物、すぐ食べられる物 | 長時間の滞留に耐える |
| 最優先 | モバイルバッテリーと充電ケーブル | 連絡と情報の確保 |
| 高い | チェーンと作業用の手袋 | 規制の通過、脱出 |
| 高い | 携帯トイレ | 車を離れられないとき |
| 高い | 懐中電灯、停止表示器材 | 夜間の作業と安全の確保 |
| 高い | 常用の薬 | 数日分を手元に |
| あると安心 | 牽引ロープ、ブースターケーブル | 救援を受けるとき |
| あると安心 | 長靴、防水の上着 | 除雪で体を濡らさない |
スコップは最も大切な道具です。雪は想像より重いので、できれば柄がしっかりした金属製や硬い樹脂製を選びます。小さな折りたたみ式でも、ないよりはずっと役に立ちます。マフラーの周りを掘り出す作業は、手では間に合いません。
見落としやすいもの
- 靴: ふだんの運転用の靴のままだと、除雪ですぐに足が濡れます。濡れた靴下は体温を奪うので、替えの靴下も入れておきます。
- トイレ: 列の中では道路の脇へ出るのも危険です。携帯トイレと、隠すための大きな布やポンチョを組み合わせると、同乗者がいても使いやすくなります。
- 食べ物: カロリーが高く、手を汚さず、凍っても食べられるものを選びます。ようかん、チョコレート、ナッツ、ビスケットなどが向いています。
- 水: 車内に置いた水は凍ることがあります。ペットボトルは満杯にせず、布で包んでおくと、凍っても割れにくく、とけるのも早くなります。
一般的な防災用品の選び方は、防災グッズの揃え方にまとめています。車の備えは、その一部を車に分けて置くものと考えると、重複して買わずに済みます。

燃料の目安
燃料の量について法律で決められた基準はありませんが、冬の間は「半分を切る前に入れる」という習慣をつけておくと、急な滞留でも余裕が生まれます。雪の区間に入る長距離の移動では、手前の給油所で満タンにしておきます。高速道路は給油できる場所の間隔が長く、大雪のときは近づけないこともあります。
アイドリング中の燃料消費は、車種や暖房の使い方で大きく変わるため、「何時間もつ」と言い切ることはできません。自分の車の燃費計に瞬間燃費や消費量の表示があれば、ふだんから一度見ておくと感覚がつかめます。
ガソリンなどの燃料を携行缶に入れて車内に積むことは、火災や爆発の危険があるのでおすすめしません。燃料は車のタンクに入れておくのが基本です。
電気自動車とハイブリッド車の場合
ハイブリッド車は、エンジンが止まっているように見えても、システムを起動したままだと電池の残量に応じて自動でエンジンがかかります。つまり、知らないうちに排気ガスが出始めることがあります。マフラーの確認は、エンジン車と同じように必要です。
電気自動車は排気ガスを出さないので一酸化炭素の心配はありません。ただ、暖房はバッテリーの電力を使うため、寒い時期の航続距離は短くなります。シートヒーターやステアリングヒーターは、車内全体を温めるより消費が少ないことが多いので、優先して使います。雪の区間に入る前には、余裕を持って充電しておきましょう。
動けなくなったら最初にすること
車が止まって動かなくなったら、次の順で落ち着いて対応します。すぐに車を離れたり、焦って発進を繰り返したりしないことが大切です。
- ハザードランプをつけて、周りに存在を知らせる
- ラジオ、道路情報、スマートフォンで状況を確かめる
- 車の周りとマフラーの様子を見る。雪が積もる場合は除雪する
- スマートフォンの電池を節約する設定に切り替え、家族に状況を伝える
- 燃料の残量と、車内にある食料や水を確認する
- 動けないことが確実なら、必要に応じて救助を呼ぶ
タイヤが空転するとき
空転を続けると、タイヤの下の雪が磨かれて氷になり、ますます抜け出せなくなります。何度か試して動かないなら、いったんアクセルを戻します。
- タイヤの前後の雪をスコップで取り除き、進路を作る
- 雪が少なければ、少し前後に車を揺らして勢いをつける
- 車載の砂、滑り止めマット、古い毛布などをタイヤの下に入れる
- それでも抜けないなら、列の妨げにならないよう車線の端へ寄せられないか判断する
押してくれる人がいる場合は、タイヤの真後ろや真横に立たないようにします。滑って車が動いたときに巻き込まれる恐れがあります。
連絡先を覚えておく
命に危険があるときや、体調が悪いときは、迷わず110番か119番に電話します。道路の異常や危険を知らせるときは、道路緊急ダイヤルの「#9910」が使えます。ロードサービスは加入先の番号を確かめておきましょう。JAFは「#8139」で受け付けています。
電話をかけるときは、次の情報を伝えられるように準備します。
- 高速道路なら路線名、上り下り、キロポスト。一般道なら路線番号と目印
- 車の色と車種、乗っている人数
- 同乗者の体調と、燃料の残量
- 周りの車も動けない状態かどうか
スマートフォンの地図で現在地を確認できれば、それを伝えます。高速道路の路側には距離を示す標識があるので、見えたときに控えておくと役立ちます。
連絡がつきにくいときの家族との決めごとは、災害時の家族の連絡方法の決め方を参考に、ふだんから話し合っておくと安心です。










