冬の車の立ち往生に備える|車内に積むもの、燃料の目安、一酸化炭素を防ぐ待ち方
一酸化炭素中毒を防ぐ
なぜ車内に入り込むのか
雪の中で車に閉じ込められたときに、最も注意すべきなのが一酸化炭素です。一酸化炭素は無色、無臭で、吸い込んでも刺激がありません。濃度が上がると、頭痛、めまい、吐き気などが現れ、眠気に似た症状のまま意識を失うこともあります。

マフラーが雪に埋まると、排気ガスは後ろへ抜けられず、車の下にたまって、周囲の雪のすき間を通ってエアコンの外気導入口やドアのすき間から入り込みます。「密閉された車内なら入ってこない」と考えるのは誤りです。
JAFのテストでは、車体の周りを雪で囲んだ状態でエンジンをかけ続けると、20分ほどで車内の一酸化炭素濃度が測定器の上限である1000ppmに達したと紹介されています。窓を5cmほど開けた場合でも、時間とともに濃度が上がったとされています。一方、マフラーの周りを除雪した場合はほとんど上がりませんでした。つまり、窓の換気だけでは防げず、効くのはマフラーの除雪です。

エンジンをかけるときの手順
基本は、エンジンを切って、防寒着と毛布で過ごすことです。寒さに耐えられず暖房を使う場合は、次の手順を守ります。
- スコップでマフラーの出口の周りを広く除雪する
- 風上側を含めて車の周りの雪を取り除き、車の下の雪も崩す
- 車に戻ってエンジンをかけ、短い時間だけ暖房を使う
- 使っている間は、誰かが必ず起きている
- 雪が降り続く間は、短い間隔で外に出てマフラーを確認する
- 体が温まったらエンジンを切り、燃料の残量を確かめておく
マフラーの位置は車によって違います。車の後ろへ回ってどこにあるか、ふだんから確かめておきましょう。後ろの車と接近して止まっている場合、前の車の排気が自分の車の外気導入口に近づくこともあります。空調は、車内循環にしておくほうが排気の吸い込みを減らせる場合がありますが、それだけで安全になるわけではありません。
寝るときはエンジンを切ることが原則です。特に、雪が降り続いている夜に、エンジンをかけたまま全員が眠ることは避けてください。
体調に異変を感じたら
頭痛、吐き気、めまい、だるさ、強い眠気を感じたら、すぐにエンジンを止め、ドアを開けて外の空気を入れます。周りの人にも知らせ、119番に連絡してください。一酸化炭素中毒は症状だけで軽いかどうかを判断できません。楽になったように見えても、救急隊や医師の判断に任せます。
一酸化炭素の警報器を車内に置く人もいます。補助としては有効ですが、警報器があるからマフラーの除雪をしなくてよいわけではありません。車内で練炭やカセットコンロなどの火気を使って暖を取ることは、絶対にしないでください。
車の中で寒さをしのぐ
エンジンを切る前に体を温める
エンジンを切っている間は、車内はみるみる冷えます。走っている間に上着を脱いでいた人は、エンジンを切る前に着込みます。冷えてから温めるより、温かいうちに熱を逃がさないようにするほうが、はるかに楽です。
- 下着に近い層は乾いたものにする。汗で濡れていたら着替える
- 首、手首、足首、頭を覆う
- 足元は靴下を重ね、足の下に段ボールや毛布を敷く
- 複数人なら後部座席で体を寄せ合い、毛布を共有する
- ときどき手足を動かし、同じ姿勢のままにしない
熱の逃げ方と重ね着の考え方は、冬の停電の寒さ対策でも詳しく説明しています。
使い捨てカイロと低温やけど
使い捨てカイロは、エンジンを切っている間の強い味方です。ただ、長時間肌に近い場所で使うと低温やけどの恐れがあります。服の上から使い、同じ場所に当て続けないようにします。眠るときは、体に貼ったままにしないほうが安全です。
水分、トイレ、エコノミークラス症候群
長時間座り続けて水分を控えると、足の血管に血の塊ができるエコノミークラス症候群の恐れが高まります。トイレを我慢したくて水分を減らしたくなりますが、無理に控えず、携帯トイレを使って水分をとるようにします。
1時間に一度は足首を回す、かかとを上げ下げする、といった運動をして、血の流れを保ちます。安全が確かめられるなら、外に出て車の周りを少し歩くのもよいでしょう。胸の痛みや息苦しさ、片足の強い腫れがあるときは、早めに救助を呼びます。
雪の重みと屋根の雪
車の屋根に雪が積もったまま走り出すと、ブレーキのときに雪がフロントガラスへ滑り落ち、視界をふさぐことがあります。滞留中も、屋根の雪は下ろしやすいときに下ろしておきましょう。ワイパーは立てておくと、凍りつきにくくなります。











