大根の部位別の使い分け|上・真ん中・先端の味の違い、葉と皮の使い方、下ごしらえと保存まで
冬の大根がおいしい理由と選び方
大根は一年中店に並んでいますが、本来の旬は秋から冬です。冬の大根は、夏に出回る大根に比べて甘みが強く、みずみずしいものが多いと言われます。
寒さで甘くなる理由
冬の大根が甘くなるのは、寒さから身を守るためと考えられています。植物は、気温が下がると、細胞の中に糖などを蓄えて、凍りにくくする性質を持っています。水に砂糖を溶かすと凍りにくくなるのと同じしくみです。
その結果、寒い時期に育った大根は糖分が多く、甘みを感じやすくなります。また、冬は大根の辛みも比較的穏やかになるとされ、煮物にすると甘くやわらかく仕上がります。夏の大根は辛みが強めのものが多いので、大根おろしや薬味に向いています。
よい大根の見分け方
店で大根を選ぶときは、次のような点を見ると、みずみずしいものを選びやすくなります。

持ったときに、見た目よりもずっしりと重く感じるものは、水分が多く詰まっています。反対に、軽く感じるものは、中に「す」が入っている場合があります。す、とは、大根の内部にできるすき間のことで、育ちすぎたり、収穫してから時間がたったりすると起こりやすくなります。
カットされた大根を買う場合は、切り口を見て、白っぽいすき間や筋がないかを確かめます。切り口がみずみずしく、なめらかなものを選びましょう。
いろいろな品種
店でよく見かける、上のほうが緑色をした大根は、青首大根と呼ばれる種類です。甘みがあって使いやすく、いま広く出回っている大根の多くはこの種類です。
ほかにも、丸い形をした大根や、ずんぐりと太い大根、辛みが特に強い辛味大根、断面が赤い大根など、地域の伝統野菜を含めてさまざまな種類があります。見かけたら、部位による違いと同じように、種類ごとの味の違いを比べてみるのも楽しいでしょう。
繊維の向きと切り方
大根は、縦方向に繊維が走っています。繊維に沿って切るか、繊維を断つように切るかで、食感がかなり変わります。料理に合わせて切る方向を選ぶと、仕上がりが一段よくなります。
縦に切るか、横に切るか
大根を縦に切って、繊維に沿った細切りにすると、シャキシャキとした歯ごたえが残ります。サラダやなますのように、生のまま食感を楽しみたい料理に向いています。
反対に、横に切って繊維を断つように切ると、やわらかい食感になり、味もしみやすくなります。煮物の輪切りや、みそ汁のいちょう切りは、繊維を断つ切り方です。

料理ごとの切り方の目安
煮物には、2〜3cmほどの厚めの輪切りや、それを半分にした半月切りがよく使われます。みそ汁には、薄めのいちょう切りや短冊切りが合います。サラダやなますには、縦に薄切りにしてから細く切る千切りがよく合います。
千切りは、輪切りにしてから細く切る方法と、縦に薄切りにしてから細く切る方法があります。縦に薄切りにしてから切ると繊維に沿った細切りになり、シャキッとした食感が長持ちします。包丁の基本の使い方や切り方の名前は、野菜の基本の切り方で詳しく紹介しています。
スライサーを使うときの注意
千切りや薄切りを大量に作るときは、スライサーを使うと便利です。ただし、スライサーの刃はとても鋭く、大根が短くなってくると指先が刃に近づきます。
スライサーを使うときは、付属の安全ホルダーや、手を守る手袋などを使い、最後の短い部分は無理にスライスせず、包丁で切るか別の料理に回しましょう。
大根おろしの辛さを調整する
大根おろしは、おろす部位だけでなく、おろし方や置いておく時間でも辛さが変わります。いくつかの方法を組み合わせると、料理に合わせて辛さを調整できます。
おろし方で変わる辛さ
辛みは細胞が壊れることで生まれるので、力を入れて素早くおろすほど、たくさんの細胞が壊れて辛くなりやすいと言われます。辛みを抑えたいときは、大根をおろし金に軽く当て、円を描くようにやさしくおろすと、まろやかな大根おろしになりやすくなります。
反対に、辛みを効かせたいときは、先端の部分を使い、直線的に力を入れておろします。そばやうどんの薬味など、ぴりっとした辛さがほしいときに向いています。
置いておく時間と水けの扱い
おろしたての大根おろしがいちばん辛く、時間がたつほど辛みが抜けていきます。辛みを抑えたいなら、食べる少し前におろして置いておく、という方法もあります。ただし、時間をおきすぎると、香りや食感も落ちていくので、置く時間は料理に合わせて加減します。
大根おろしの水けは、料理によって絞り方を変えます。焼き魚や天ぷらに添える場合は、軽く水けを切ると料理が水っぽくなりにくくなります。みぞれ煮やおろし鍋に入れる場合は、汁ごと使うと大根の甘みとうま味を生かせます。絞った汁は、みそ汁やスープに加えると無駄になりません。
| したいこと | 部位 | おろし方 | 使うまで |
|---|---|---|---|
| 甘くまろやかにしたい | 上のほう | 円を描くようにやさしく | 少し置いてから使う |
| 辛みを効かせたい | 先端 | 直線的に力を入れて | おろしたてを使う |
| 汁ごと使いたい | 真ん中 | どちらでもよい | 料理の直前に加える |










