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歴史・文化

ディワリの由来と過ごし方|光の祭りの5日間、灯明とランゴーリー、地域ごとの物語

食べ物と贈り物:分かち合う祭り

ミターイー(甘いお菓子)

ディワリには、ミターイーと呼ばれる甘いお菓子が欠かせません。家庭で作るほか、菓子店には祭りの前から詰め合わせの箱が積み上げられ、親戚や近所、仕事の取引先に贈り合います。

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よく知られているのは、ひよこ豆の粉をギーで炒って砂糖と丸めたラドゥ、牛乳を煮詰めて作るバルフィ、揚げた生地をシロップに浸したジャレビーなどです。ナッツやカルダモン、サフランで香りを付けたものも多く、銀色の薄い箔をのせて華やかに仕上げたものもあります。甘い物を分け合うことには、甘い言葉と良い関係が続くように、という願いが込められているといわれます。

家で作る簡単なラドゥ

日本でも手に入りやすい材料で作れるのが、ひよこ豆の粉(ベサン)を使うラドゥです。分量は目安として、粉100gに対し、溶かしたバター(またはギー)50〜60g、粉砂糖60〜70g程度です。

  1. 厚手のフライパンにバターと粉を入れ、ごく弱火で絶えず混ぜながら炒る。
  2. 15〜20分ほどで色が少し濃くなり、香ばしい香りが立ったら火から下ろす。
  3. 手で触れられる温度まで冷ます(熱いうちに砂糖を入れると溶けてべたつく)。
  4. 粉砂糖と、あればカルダモンの粉を加えてよく混ぜる。
  5. 手のひらで握り、直径3cmほどの球に丸める。まとまらなければバターを少し足す。

粉を炒る工程で火が強いと、外側だけ焦げて中に生の粉の匂いが残ります。時間をかけて弱火で炒ることが、香ばしく仕上げるいちばんの要点です。

贈り物と新しい服

お菓子のほかに、ドライフルーツやナッツの詰め合わせ、灯明やろうそく、家の飾り、服などもよく贈られます。祭りの当日には新しい服を着る習慣があり、女性は鮮やかな色のサリーやクルタ、男性もクルタなどの伝統的な服を着て礼拝や訪問に出かけます。ダンテーラスに金属の器を買う習慣と合わせて、この時期は一年で最も買い物が多い時期の一つになっています。

ディワリの分かち合い(ミターイーの箱を贈り合う、ドライフルーツやナッツ、灯明やろうそくの贈り物、新しい服で訪問する、近所や親戚の家を回る)
甘い物と灯りで関係をつなぐ。

世界のディワリ:ネパールから移民の町まで

ネパールのティハール

ネパールでは、同じ時期の5日間の祭りが「ティハール」と呼ばれ、動物を敬う日が含まれているのが特徴です。1日目はカラスに、2日目は犬に食べ物を供え、犬には花輪をかけて額にしるしを付けます。3日目は牛をまつり、夜にはラクシュミーをまつって家々に灯りをともします。4日目には、ネワール族のあいだで自分自身の心身を清める儀式が行われ、5日目には姉妹が兄弟の額に色とりどりのしるしを付ける「バーイー・ティカ」で祭りを締めくくります。インドのディワリと同じ骨組みを持ちながら、人と暮らしを共にしてきた動物への感謝が加わっているのです。

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東南アジアとイギリス

シンガポールやマレーシアでは、タミル系の人々を中心にディーパーヴァリーとして祝われ、祝日になっています。インド系の人々が多く暮らす地区では、祭りの前から通りが大きな電飾で飾られ、市場には灯明や菓子、花輪が並びます。イギリスでは、南アジア系の人々が多く暮らす町で大規模な点灯式や行列が行われ、宗教や出身を越えて多くの人が見物に訪れる冬の始まりの行事になっています。

ほかにも、19世紀以降にインドから人々が移り住んだモーリシャス、フィジー、トリニダード・トバゴ、ガイアナなどで、ディワリは国の祝日として祝われてきました。故郷から遠く離れた土地で、灯りをともす祭りが今も受け継がれていることは、祭りが共同体のつながりを保つ役割を担ってきたことを物語っています。

冬の光の祭りとして比べる

ディワリの少し後には、ユダヤ教のハヌカーやキリスト教のクリスマスなど、冬の暗い時期に灯りをともす祭りが続きます。8日間かけて灯りを増やしていくハヌカーについてはハヌカーの由来と過ごし方で紹介しています。宗教も由来も違いますが、一年で夜が長くなる時期に光で暗さを払う、という人々の願いには通じるものがあります。年の区切りの迎え方を世界で比べるなら、世界の年越しと新年の習慣もあわせて読むと、各地の暦の違いがよく分かります。

日本で楽しむとき、招かれたときの心得

日本でディワリに触れる

日本でも、インドやネパール出身の人々が多く暮らす地域を中心に、ディワリの時期に合わせた催しが開かれることがあります。踊りや音楽の舞台、料理の屋台、灯りの飾り付けなどがあり、誰でも参加できるものも少なくありません。開催の有無や日程は年によって変わるので、地域の国際交流の団体や、在日のコミュニティの告知で確かめてください。インド料理店でも、この時期に特別なお菓子を用意することがあります。

招かれたときのマナー

インドやネパールの友人や同僚から、ディワリの集まりに招かれることもあるでしょう。家庭ごとに習慣は違いますが、次のような点を知っておくと安心です。

  • あいさつ:「ハッピー・ディワリ」で通じます。ヒンディー語の「シュブ・ディーパーワリー(よいディーパーヴァリーを)」という言い方もあります。
  • 手土産:箱入りのお菓子、ドライフルーツ、花などが一般的です。菜食の家庭も多いので、肉や魚、卵を使った食品、酒類は避けたほうが無難です。
  • 服装:明るい色の服が祭りの雰囲気に合います。礼拝に同席する場合は、肌の露出を控えめにすると落ち着きます。
  • 家に上がるとき:靴を脱ぐ家庭が多く、礼拝の場所の近くでは特に気を配ります。
  • 食事:右手で受け取り、右手で食べる習慣を持つ人もいます。出された物を少しずつでも味わう姿勢が喜ばれます。

分からないことは、遠慮なく招いてくれた人に聞いてかまいません。自分の祭りに関心を持ってもらえることを、多くの人は喜んでくれます。

招かれたときの確認(あいさつはハッピー・ディワリ、手土産は菓子や果物、肉・魚・酒は避ける、明るい色の服で行く、靴を脱ぐか確かめる)
迷ったら相手に聞くのがいちばん。
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家で灯りを飾るときの安全

素焼きの灯明は、雑貨店やインド食材店などで手に入ることがあります。本物の油と芯で火をともすときは、カーテンや紙、布などの燃えやすい物から離し、平らで燃えない台の上に置き、そばを離れるときは必ず消します。

灯明やろうそくの火は、倒れたり、飾りの紙や布に燃え移ったりすると火事の原因になります。小さな子どもやペットがいる家、集合住宅のベランダなどでは、電池式のろうそく型ライトを灯明の器に入れて飾ると、雰囲気を残したまま安全に楽しめます。

まとめ

ディワリは、秋の新月の夜を中心に、5日間にわたって家と町を灯りで照らす祭りです。家を清めて女神ラクシュミーを迎え、素焼きの灯明を並べ、床にランゴーリーを描き、甘いお菓子を分け合う。ラーマ王子の帰還、魔王を倒したクリシュナ、商いの新年など、地域ごとに語られる物語は違っても、「闇に光が勝つ」という願いと、家族や近所とのつながりを確かめる場であることは共通しています。

最初の一歩として、今年のディワリの日付を調べ、その夜に窓辺へ小さな灯りを一つ置いてみてください。電池式のライトでもかまいません。もし身近にインドやネパール出身の人がいれば、「ハッピー・ディワリ」と声をかけて、その人の家ではどんなふうに祝うのかを聞いてみると、本で読むだけでは分からない、それぞれの家のディワリが見えてくるはずです。

よくある質問

ディワリは毎年何月何日ですか?

ヒンドゥー教の太陰太陽暦で、カールッティカ月(地域によってはアーシュヴィナ月)の新月の日を中心に祝うため、毎年同じ日付にはなりません。西暦では10月半ばから11月半ばのあいだに来ることが多く、その年の日付はインド政府や各地の在外公館の祝日の案内で確かめるのが確実です。

ディワリとディーパーヴァリーは別の祭りですか?

同じ祭りの呼び方の違いです。もとはサンスクリット語で「灯りの列」を意味するディーパーヴァリーで、北インドでは縮まったディワリという呼び方が広く使われます。南インドやシンガポール、マレーシアなどではディーパーヴァリーと呼ぶことが多いです。

ヒンドゥー教徒以外もディワリを祝いますか?

ジャイナ教では開祖マハーヴィーラが解脱した日として、シク教では指導者が囚われの身から解放されたことを記念する日として、同じ時期に灯りをともして祝います。宗教によって込める意味は違いますが、灯りで家や町を照らすという点は共通しています。

ディワリに招かれたら何を持っていけばよいですか?

箱入りのお菓子やドライフルーツ、花などがよく贈られます。菜食の家庭も多いので、肉や魚を使った食品や、酒類は相手の習慣が分からなければ避けたほうが無難です。迷ったら、招いてくれた人に家族の習慣を聞いてかまいません。

日本の家で灯りを飾るときに気をつけることは?

素焼きの灯明に油や芯を使うと本物の火になるため、燃えやすい物から離し、そばを離れるときは必ず消します。小さな子どもやペットがいる家では、電池式のろうそく型ライトを灯明に入れると、雰囲気を残したまま安全に飾れます。

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