俳句の始め方|五七五の音の数え方、季語と歳時記の引き方、切れ字と推敲のコツ
切れ字の働き
切れ字は、句に切れを作る言葉です。古くから十八の切れ字が挙げられてきましたが、現代の俳句でよく使われるのは「や」「かな」「けり」の三つです。
「や」で一度立ち止まる
「や」は主に上五の終わりに置かれ、そこで意味をいったん切って、その言葉に強い焦点を当てます。「古池や」と置くと、読み手はまず古い池の情景に目を向け、続く七五で何が起きるのかを待つことになります。「や」で切ったあとは、情景が切り替わったり、別のものが現れたりする構成が生まれます。
「かな」で余韻を残す
「かな」は主に句の終わりに置かれ、感動や詠嘆の気持ちを込めて句を結びます。最後に置くことで、読み終わったあとに静かな余韻が残ります。
「けり」で言い切る
「けり」も句の終わりに置かれることが多く、気づきや詠嘆の気持ちを込めて、きっぱりと言い切る働きがあります。文語の助動詞なので、句全体の言葉づかいとの釣り合いを考えて使います。

切れ字を使わない切れ
切れは、切れ字がなくても生まれます。名詞で句を止める「体言止め」や、動詞の終止形で言い切る形でも、意味の切れ目は作れます。また、「や」と「かな」を一句の中で両方使うと、切れが二か所になって句がまとまりにくくなるため、避けるよう教わることが多いです。切れ字は一句に一つ、と覚えておくと安心です。
取り合わせと一物仕立て
俳句の作り方には、大きく分けて二つの型があります。
取り合わせ
季語と、季語とは直接関係のない別の事柄を組み合わせる作り方を「取り合わせ」といいます。二つのものを並べることで、その間に読み手が意味や感情を見つけます。多くの場合、季語で五音、残りの十二音で別の事柄を詠み、間に切れを置きます。
取り合わせのコツは、二つのものが近すぎず遠すぎないことです。「桜」と「花見」のように近すぎると、同じことを二度言っているだけになります。逆に、まったく関係が見えないほど遠いと、読み手が二つの間をつなげられません。「つかず離れず」の距離を探すのが、取り合わせの面白さです。
一物仕立て
一つの季語、あるいは一つの対象だけを十七音で描き切る作り方を「一物仕立て(いちぶつじたて)」といいます。対象をよく観察し、その季語ならではの姿や動きを具体的に描きます。取り合わせより難しいといわれることが多いですが、観察が深まると、誰も気づかなかった一面を描けることがあります。
どちらから始めるか
初めのうちは、取り合わせの型で作ると十七音が組み立てやすいと感じる人が多いようです。季語を一つ選び、その日に見たもの、聞いたものを十二音で書いて、二つを並べてみます。並べ方を入れ替えたり、別の季語に替えたりすると、同じ素材から何句も作れます。










