俳句の始め方|五七五の音の数え方、季語と歳時記の引き方、切れ字と推敲のコツ
季語と季節のずれ
季語を使い始めると、「この言葉がなぜこの季節なのか」と不思議に感じることがあります。その多くは、季語の季節が暦の上の区切りで分けられていることから来ています。
季節の区切りは立春・立夏・立秋・立冬
俳句の季節は、一般に二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬を境に分けられます。立秋は毎年8月の上旬ごろなので、真夏の暑さが続いている時期でも、暦の上では秋になります。このため、旧暦の7月7日の行事だった「七夕」は秋の季語とされ、「朝顔」や「西瓜」も秋の季語として扱われることが多いのです。
二十四節気そのものの仕組みは、二十四節気と七十二候の読み方|太陽で決まる季節の区切りと、暦の言葉の楽しみ方で詳しく紹介しています。
言葉だけで季節を指す季語
俳句の世界では、短い言葉が特定の季節のものを指す約束もあります。たとえば「月」とだけいえば秋の月、「花」とだけいえば春の桜を指すのが一般的です。「小春」は春ではなく、初冬の穏やかに晴れた暖かい日を表す冬の季語です。こうした季語は、意味を知らないと誤解しやすいので、使う前に歳時記で確かめる習慣をつけます。
季語の「本意」
季語には、その言葉が長く詠まれてきた中で形作られた、中心となるイメージがあります。これを「本意(ほんい)」と呼びます。たとえば「秋の暮」には、もの寂しさや静けさの感じが重なっています。季語を使うときは、言葉の意味だけでなく、その季語が持つ雰囲気を句全体と合わせると、読み手に伝わりやすくなります。
| 季語の例 | 季節 | 間違えやすい理由 |
|---|---|---|
| 七夕 | 秋 | 新暦の7月の行事と感じやすい |
| 朝顔 | 秋 | 夏休みの花という印象が強い |
| 小春 | 冬 | 「春」の字が入っている |
| 月(単独で) | 秋 | 月は一年中見える |
| 花(単独で) | 春 | 花は季節を問わず咲く |
歳時記の引き方
歳時記は、季語を季節ごとに分類し、意味や例句を載せた本です。俳句を作るときの辞書のような存在で、引き方を知っておくと季語選びがずっと楽になります。

季節と分類
歳時記は、春・夏・秋・冬に新年を加えた五つの季節で分けられているのが一般的です。各季節の中は、時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物といった分類で並んでいます。たとえば「秋の夜の長さ」を表したいなら、秋の時候の項目を見ると「夜長」が見つかります。
傍題も一緒に見る
季語の見出しの下に、同じ季語の言い換えとして「傍題(ぼうだい)」が載っていることがあります。音数が合わないとき、傍題の中から言い換えを探すと、五や七に収まる言葉が見つかることがあります。
例句を読む
歳時記の見出しには、その季語を使った例句が載っています。例句を何句か読むと、その季語がどんな場面で、どんな雰囲気で使われてきたかがつかめます。自分が作ろうとしている句と比べて、季語の使い方がずれていないかを確かめる手がかりにもなります。

季重なりに気をつける
一句に二つ以上の季語が入ることを「季重なり」といいます。主役になる季語が二つあると、読み手の視線が分かれてしまうため、避けるよう教わることが多いです。季語だと気づかずに使っている言葉もあるので、句ができたら、名詞を一つずつ歳時記で確かめてみると安心です。










