初詣の由来と参り方|年籠りと恵方参りから鉄道の時代へ、いつまでに行くか、喪中の考え方
お札とお守り、おみくじの扱い
初詣では、お札やお守りを新しくする人も多いはずです。
古いお札やお守りを納める
お札やお守りは、一年を区切りにして新しくする考え方が広く知られています。ただし、絶対にそうしなければならないわけではありません。お礼の気持ちを込めて納めるのが基本です。
納め方の手順は次のとおりです。
- 受けた寺社に出向き、古札納所や納札所を探します。初詣の時期には境内に特設の場所が用意されることもあります。
- 他の寺社のものを受け付けているかを、案内で確かめます。神社のものは神社へ、寺のものは寺へと分けている所もあります。
- 遠方の寺社のもので持っていけない場合は、その寺社に郵送で納められるかを問い合わせます。
- 納めるときは軽く一礼します。お礼の気持ちとして賽銭を入れる場合もあります。
正月飾りなどを焚き上げる行事(どんど焼き、左義長)で納められる地域もあります。プラスチックや金属の入ったものは受け付けない場合があるので、案内に従います。
古札納所は、あくまで寺社で受けたものを納める場所です。家庭の不要品や人形などを持ち込まないようにしてください。人形の供養は、受け付けている寺社に確かめてから持ち込みます。
破魔矢や縁起物を受けるとき
初詣では、お札やお守りのほかに、破魔矢や絵馬、干支の置物などの縁起物を受ける人もいます。破魔矢は、魔を破る矢として正月の授与品に定着したものです。
玄関や神棚など、目線より高く清潔な場所に飾ることが多いものの、矢じりの向きについては地域や寺社によって説明が分かれます。受けるときに尋ねるか、添えられた説明書きに従うと安心です。絵馬は、願いを書いて境内の絵馬掛けに奉納します。個人情報が気になるときは、住所を書かず、名前も控えめにする方法があります。
一年たった縁起物も、お札と同じように寺社へ納めます。受けた所へ持っていくのが難しいときは、受け入れている寺社を探します。
お札の祀り方
家に神棚がある場合は、神棚に納めます。神棚がなければ、目線より高い清潔な場所に、南や東を向くように置くとよいとされます。棚の上に白い紙を敷いて立てかけるだけでも構いません。寺で受けたお札は、仏壇があればそこに納める場合もありますが、寺に確かめるのが確実です。
おみくじの読み方
おみくじの吉凶の順番は、寺社によって異なります。「吉」と「中吉」のどちらが上かも、一律には決まっていません。大切なのは、吉凶より書かれている言葉のほうだという説明もよく聞かれます。
引いたおみくじは、境内の決められた場所に結んで帰っても、持ち帰って読み返してもかまいません。ただ、木の枝に結ぶと木を傷めることがあるので、結ぶ場所が用意されていれば、そこを使います。
喪中の場合の考え方
身内に不幸があった年の初詣は、判断に迷う点の一つです。
「忌」と「喪」を分けて考える
混同されやすい言葉に、忌と喪があります。
- 忌(き): 亡くなった直後の、特に身を慎む期間です。神道では五十日、仏教では四十九日を区切りとする考え方が広く知られています。
- 喪(も): 故人をしのんで過ごす、より長い期間です。一般に一年ほどとされます。
神道では死を「穢れ」として扱う考え方があり、忌の期間は神社へのお参りを控えるのが一般的とされています。一方、仏教では死を穢れとは考えないため、寺へのお参りは差し支えないとされています。
迷ったときの判断
忌が明けていれば神社へ参ってよいという説明が多く見られますが、喪中の一年は神社への参拝を控えるとする説明もあり、地域や家によって考え方が違います。次の順に考えると整理しやすくなります。
- 亡くなってから五十日を過ぎているかを確かめます。過ぎていなければ、神社は控えておきます。
- 家族や親族に、その土地や家の習わしがあるかを聞きます。
- それでも迷うなら、参る予定の神社に直接問い合わせます。
- 寺や、家での手合わせに切り替える方法もあります。
喪中のときの年賀状の扱いは、年賀状の書き方とマナーにまとめています。どの判断でも、遺族の気持ちを第一に考えて構いません。
混雑と寒さへの備え
有名な寺社の初詣は、長時間の行列になることがあります。無理のない出かけ方を考えておくと、当日が楽になります。
混雑を避ける時間
一般に、元日の未明と、三が日の昼前後は混み合います。比較的空きやすいのは、三が日の早朝や夕方、4日以降の平日です。寺社によっては、過去の混雑状況を公式サイトで案内していることがあります。列車の時刻や終夜運転の有無は年によって変わるので、鉄道会社の最新の案内を確認してください。

寒さと人混みの注意
待ち時間の多い初詣は、体が思った以上に冷えます。手袋や帽子を用意し、足元も滑りにくい靴を選びます。高齢の方や小さな子どもと一緒なら、長い列を避けて、比較的空いている日や近くの神社を選ぶのも一つの考え方です。
大勢が集まる場所では、将棋倒しのような事故にも注意が必要です。1956年の元日には、新潟県の彌彦神社で、二年参りの人出の中で多くの死傷者を出す事故が起きました。前に進めなくなったら無理に押さず、警備員や誘導の指示に従います。階段や狭い場所で急に立ち止まらないことも大切です。
列の途中で写真を撮るために立ち止まったり、列に割り込んだりしないようにします。拝殿の前で祈る時間も、混雑時は手短にしておきます。願いごとは、参拝の前に考えておくと慌てません。屋台の食べ歩きは、境内の決まりを確かめてからにします。
子どもや高齢の家族と出かけるとき
大きな寺社では、ベビーカーや車いすでの移動が難しい場所があります。段差や砂利、階段の有無を公式サイトや地図で確かめ、スロープなど別の経路があれば調べておきます。正月は交通規制で車が寺社の近くに入れないこともあるので、駐車場を当てにせず、公共交通機関の利用も考えます。
小さな子どもと一緒なら、はぐれたときの集合場所を先に決めておきます。人混みでは手をつなぎ、抱っこのほうが安全な場面もあります。長い列が難しければ、拝殿の遠くから手を合わせて、空いている日に改めて参っても失礼にはなりません。
体調が悪いときは無理に出かけず、回復してから参ります。「初詣は三が日に行かなければ」と考えて、寒い中で体調を崩しては本末転倒です。
御朱印をいただくとき
初詣の時期は、御朱印の授与所も混み合います。書き置きの対応になる場合や、受付時間が短くなる場合もあります。いただき方の基本は御朱印のいただき方を参考にしてください。
まとめ
初詣は、年神様を迎える年籠りと、江戸時代の恵方参りや縁日の参詣を土台に、明治以降の鉄道の発達によって今の形になりました。古い信仰と新しい時代の暮らしが重なってできた行事と言えます。
いつまでに、どこへ、という決まりはありません。三が日や松の内を目安にしながら、自分の体調や家族の予定に合わせて出かければ十分です。作法は神社と寺で違いますが、一礼と静かな祈りという基本は共通しています。
最初の一歩として、年末のうちに、地元の氏神の神社がどこにあるかを確かめ、去年のお札やお守りを一か所にまとめておきましょう。それだけで、年明けの初詣がずっと落ち着いたものになるはずです。
よくある質問
初詣はいつまでに行けばよいですか?
決まった期限はありません。三が日に行く人が多く、松の内までを一つの目安にする考え方が広く知られています。行けなかった場合でも、年が明けて初めてのお参りであれば、1月の後半になっても問題はないとされます。
初詣は神社とお寺のどちらに行けばよいですか?
どちらでもかまいません。地元の氏神様にお参りする形が基本とされますが、菩提寺や、ふだんから親しんでいる寺社へ出かける人もいます。作法は神社と寺で異なるので、行き先に合わせます。
複数の神社やお寺に初詣をしてもよいですか?
問題ありません。神様同士が嫉妬するのでよくないという話を聞くことがありますが、回る順番や数に決まりはありません。地元の神社に先にお参りしてから遠くへ出かける人もいます。
喪中でも初詣に行ってよいですか?
神社では、亡くなってから五十日ほどの忌中は参拝を控えるという考え方が広く知られています。忌が明ければよいとする説明が多いものの、地域や家によって判断は違います。仏教では死を穢れとしないため、寺へのお参りは差し支えないとされます。
去年のお守りやお札はどうすればよいですか?
受けた寺社の納札所や古札納所に納めるのが基本です。遠くて行けない場合は、近くの寺社で受け付けているか確かめるか、郵送で受け付けているかを問い合わせます。神社のものと寺のもので扱いが分かれることもあります。










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