昆布の種類と選び方|真昆布・利尻・羅臼・日高のだしの違いと使い分け
料理別の選び方と、迷ったときの判断
何を作るかで決める
昆布選びで迷ったときは、「だしだけを取る料理か、昆布ごと食べる料理か」をまず考えると決めやすくなります。だしだけを使う料理なら、だしの色や香りの好みで真昆布・利尻昆布・羅臼昆布から選びます。昆布ごと食べる料理なら、やわらかく煮えやすい日高昆布や、煮物用として売られている昆布が向いています。
次に、「だしの色を澄ませたいか」を考えます。お吸い物や茶わん蒸しのように、だしの色が見た目に出る料理では、澄んだだしの取れる真昆布や利尻昆布が使いやすくなります。味噌汁や煮物のように色の濃い料理では、羅臼昆布や日高昆布でも気になりません。

一種類から始めて、違いを知る
最初からすべての種類をそろえる必要はありません。ふだんの味噌汁や煮物が中心なら日高昆布を一つ、澄んだだしも試したいなら真昆布か利尻昆布を一つ加える、という二本立てで十分です。同じ水の量で二種類のだしを取り、色と香りを並べて比べると、違いがよく分かります。
昆布には、等級や「天然」「養殖」などの表示がついているものもあります。一般に、天然ものは産地の海で自然に育ったもの、養殖ものはロープなどで育てたものを指します。等級の付け方は産地や組合によって異なるため、表示だけで良し悪しを決めず、用途と予算に合わせて選ぶとよいでしょう。
「だし昆布」と「煮昆布」の表示
売り場では、「だし昆布」「煮昆布」「早煮昆布」といった用途の表示を見かけます。だし昆布は、だしを取ることを目的に、厚みのある部分を選んだものです。煮昆布や早煮昆布は、煮えやすいように加工されたものや、やわらかい種類を使ったもので、昆布巻きや煮物に向いています。
用途の表示がある場合は、それに従って使うのが確実です。だし昆布を煮物の具にすると硬く感じることがあり、早煮昆布でだしを取ると、ぬめりが出やすいことがあります。
買うときに見るところ
袋の中の昆布を見るときは、まず色と厚みを確かめます。だし用の昆布は、黒っぽいものから緑がかったもの、やや赤みを帯びたものまで種類によって色が違いますが、全体の色にむらが少なく、乾いて張りのあるものが扱いやすいといわれます。表面の白い粉は、次の章で触れるように品質の問題ではありません。
形にも違いがあります。長いまま折りたたんだもの、決まった長さに切りそろえたもの、10センチ角ほどに切った使い切りの形などがあり、値段だけでなく使いやすさも変わります。ふだんの味噌汁に少しずつ使うなら、あらかじめ切ってあるものが手軽です。一度にたくさんだしを取ったり、昆布巻きを作ったりするなら、長いものを買って自分で切るとむだがありません。
量の目安としては、水1リットルに昆布10グラムでだしを取るなら、100グラムの袋でおよそ10回分です。最初は小さな袋で好みを確かめ、気に入った種類が決まってから大きな袋に替えると、保存の手間も少なくすみます。
表面の白い粉と、だしのうま味のしくみ
白い粉はうま味の一部
乾いた昆布の表面には、白い粉がうっすらと付いていることがあります。これは「マンニット」と呼ばれる甘みのある成分などが、乾燥する過程で表面に出てきたものと考えられています。カビと間違えて洗い流してしまう人もいますが、昆布のうま味や甘みのもとになる成分の一つなので、落とさずに使います。
表面に砂やごみが付いている場合は、固く絞った布やキッチンペーパーで軽くふく程度にとどめます。水で洗ったり、こすったりすると、うま味のもとまで落ちてしまいます。
白い粉とカビの見分けに迷ったときは、色と付き方を確かめます。全体にうっすらと白く粉をふいたようなら昆布の成分と考えられますが、緑や黒の斑点、綿のような盛り上がり、いつもと違うにおいがある場合は、カビの可能性があるため食べずに処分してください。
うま味成分「グルタミン酸」
昆布のだしのうま味の中心は、「グルタミン酸」という成分です。昆布を水に浸けると、このうま味成分が少しずつ水に溶け出します。うま味成分の研究は、昆布だしの味のもとを調べたことがきっかけの一つになったことで知られています。
かつお節に多く含まれる「イノシン酸」と組み合わせると、うま味を強く感じやすくなります。これが、昆布とかつお節を合わせた「合わせだし」が昔から好まれてきた理由の一つです。干ししいたけに多い「グアニル酸」も同じように昆布と相性がよく、精進料理では昆布と干ししいたけのだしがよく使われます。干ししいたけの扱い方は干ししいたけの戻し方でまとめています。











