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料理・食

おでんの煮方|だしの取り方、具材の下ごしらえと入れる順番、煮崩れさせない火加減

家でおでんを煮るときの基本を、だしの取り方と味付けの割合、大根・卵・こんにゃく・練り物の下ごしらえ、具材を入れる順番と時間の目安、沸騰させない火加減、味をしみさせる置き時間、翌日までの保存と温め直しまで順にまとめました。

湯気の立つ土鍋で煮えるおでん

冬になると食べたくなるおでんは、だしで具材を煮るだけの料理に見えますが、作ってみると「大根に味がしみない」「ちくわが縮んで固い」「つゆが濁った」といった小さなつまずきが起こりやすい料理でもあります。原因の多くは、具材ごとの下ごしらえと、入れる順番、そして火加減にあります。

ここでは、家庭の鍋でおでんを煮るときの流れを、だしの取り方から順に追っていきます。具材ごとに「なぜその下ごしらえをするのか」「いつ鍋に入れるのか」を知っておくと、具材を変えても応用がききます。最後に、翌日のおでんを安全においしく食べるための保存と温め直しの考え方もまとめました。

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おでんがおいしくなる三つの要素

おでんの味を決めるのは、大きく分けて「だし」「具材から出るうま味」「温度と時間」の三つです。

一つ目のだしは、昆布とかつお節でとるのが基本です。おでんのつゆは、煮物のように煮詰めずにたっぷりの量で具を煮るので、だしそのものの味がそのまま全体の印象になります。濃すぎる味付けにすると、長く煮ているうちにさらに濃くなるため、吸い物より少し濃いくらいの、飲んでもおいしい加減にしておくのが目安です。

二つ目は、具材から出るうま味です。練り物からは魚のうま味と塩分が、牛すじやたこからはそれぞれの風味が、昆布からはさらにうま味が溶け出します。煮ているうちにつゆの味が変わっていくのはこのためで、最初のつゆが少し物足りないくらいでも、具が入ると落ち着いてきます。

三つ目の温度と時間は、いちばん差が出やすいところです。おでんは「ぐつぐつ煮る」料理ではなく、沸騰させない温度で時間をかけて煮て、さらに火を止めて置いておく時間で味を含ませる料理です。この考え方を押さえておくと、具材の扱いにも筋が通ります。

おでんの味を決めるもの(だし、具のうま味、温度と時間)
だし・具のうま味・温度と時間の三つ。

おでんは地域によっても姿が違います。関東では濃口しょうゆを使った色の濃いつゆに、ちくわぶやはんぺんが入ることが多く、関西では薄口しょうゆと昆布を生かした色の淡いつゆで、牛すじやたこが入ることがよくあります。静岡では黒はんぺんに削り節や青のりの粉をかける食べ方が、名古屋周辺では味噌だれで食べる味噌おでんが知られています。ここでは、どの地域の家庭でも基本になる、昆布とかつお節のだしで煮るおでんを例にします。

だしを取る:昆布とかつお節、味付けの割合

おでんのだしは、昆布でうま味の土台をつくり、かつお節で香りを足す合わせだしが基本です。だしの取り方そのものは、だしの取り方の基本でくわしく紹介していますが、おでん向けに量を多めに取る場合の流れは次のとおりです。

おでん用のだしを取る流れ(1. 昆布を水に浸す、2. 弱めの中火で温める、3. かつお節を入れる、4. こして味をつける)
昆布は沸騰前に引き上げ、かつお節は短く煮出す。

量の目安は、水1リットルに対して昆布10グラムほど、かつお節20〜30グラムほどです。家庭の鍋なら、具の量に合わせて1.5〜2リットルほど用意すると、具がつゆにしっかり浸かります。引き上げた昆布は捨てずに、細長く切って結べば、そのままおでんの具の「結び昆布」になります。

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味付けは、だし1リットルに対して薄口しょうゆ大さじ2、みりん大さじ2、塩小さじ半分くらいから始め、味を見て調整します。関東風に色を濃くしたい場合は、薄口しょうゆの一部を濃口しょうゆに置き換えます。

調味料 だし1リットルあたりの目安 役割
薄口しょうゆ 大さじ2前後 塩味と香り。色を淡く保つ
濃口しょうゆ 好みで少量 色とこくを足す(関東風)
みりん 大さじ2前後 まろやかな甘みと照り
塩 小さじ半分前後 塩味の調整
砂糖 入れなくてもよい 甘めが好みのときに少量

ここでのポイントは、最初は薄めにしておくことです。練り物から塩分が出るうえ、長く煮ているあいだに水分が少しずつ減って、つゆは濃くなっていきます。煮始めの段階で「ちょうどよい」と感じる味は、食べるころには濃すぎることが少なくありません。

市販のだしパックや顆粒だしを使っても、おでんは十分においしく作れます。その場合は商品の表示どおりに溶き、塩分がすでに入っているかどうかを確かめてから、しょうゆと塩を控えめに足していきます。昆布を一枚だけ加えて煮ると、手軽にうま味の厚みが出ます。

具材の下ごしらえ:大根・卵・こんにゃく・牛すじ

おでんの下ごしらえで手間がかかるのは、長く煮る具材です。ここをていねいにしておくと、煮込みの時間が短くても味がしみやすく、つゆも濁りにくくなります。

大根

大根は2〜3センチほどの厚さの輪切りにして、皮を厚めにむきます。大根の皮のすぐ内側には筋が多く、薄くむくと煮たときに口に残りやすいためです。切り口の角を薄くそぎ落とす「面取り」をすると、煮ているあいだに角が欠けて崩れるのを防げます。さらに、片面に十字の切り込みを浅く入れておくと、火の通りと味のしみ込みが早くなります。

下ゆでは、米のとぎ汁か、水に米をひとつまみ入れたもので行います。米のでんぷんが大根のえぐみや苦みをやわらげるとされる方法です。水から入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして、竹串がすっと通るまで20〜30分ほどゆでます。ゆで上がったら水に取ってぬめりを洗い流してから、おでんの鍋に入れます。

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卵

卵は固ゆでにして殻をむきます。半熟の卵は長く煮るうちに固まってしまうので、おでんには最初から固ゆでにしたものを使うのが一般的です。殻をむいたら、表面に浅く数か所の切れ目を入れておくと味が入りやすくなります。

こんにゃく

こんにゃくは三角形や短冊に切り、表面に細かく格子の切り目を入れてから、熱湯で数分ゆでます。下ゆでには、こんにゃく特有のにおいを抜き、余分な水分を出して味を含みやすくする意味があります。手でちぎったり、塩をもみ込んでから洗ったりする方法もあります。結びしらたきも同じように下ゆでしておきます。

牛すじ

牛すじは、たっぷりの水から一度ゆでこぼして、アクと余分な脂を落とします。そのあと新しい水でやわらかくなるまで下ゆでし、食べやすく切って竹串に刺しておきます。下ゆでの時間は部位や切り方で大きく変わるため、竹串で刺して確かめるのが確実です。ゆで汁はうま味が出ていますが脂も多いので、使う場合は冷まして脂を取り除いてから、少量をつゆに加えます。

長く煮る具材の下ごしらえ(大根は皮を厚くむき、面取りした、大根を米のとぎ汁で下ゆでした、卵を固ゆでにして殻をむいた、こんにゃくに切り目を入れてゆでた、牛すじをゆでこぼしてアクを抜いた)
下ごしらえで、味のしみやすさとつゆの澄み方が変わる。
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