小正月とどんど焼き|左義長の起こり、地域で違う呼び名、持ち込めるものと小豆粥の作り方
どんど焼きの一日:火を囲むまでの流れ
初めて参加する人のために、一般的な流れを説明します。会場ごとに細部は違いますが、大きな順番は多くの地域で共通しています。
やぐらを組む
数日前から当日の朝にかけて、地域の人が竹や木、藁で山を組みます。中心に太い竹や木を立て、周りに竹を立てかけて円錐の形にし、藁や集めた松飾りを積み上げるのが基本です。高さは数メートルになることもあります。
飾りの受け付けは、やぐらを組むときに行う地域と、当日の開始前に行う地域があります。前日に持ち寄る形の所もあるので、「当日に持って行けばよい」と決めつけず、案内を読んでおきます。
点火と団子焼き
神社の関わる行事では、神職がお祓いをしてから点火します。年男や年女、地域の長老が火をつける所、恵方の方角から火を入れる所もあります。
勢いよく燃える炎は、数十分で落ち着きます。団子や餅を焼くのは、この炎が収まったあとの燠(おき)の段階です。大きな炎の中では、団子は外だけ焦げ、手元も危険です。多くの地域では、長い竹の先に割り目を入れたものや、ミズキの枝に団子を刺して、遠くから燠にかざします。

書き初めを燃やす
1月2日の書き初めをどんど焼きに持って行く地域もあります。燃えた紙が炎に乗って高く舞い上がるほど、字が上達すると言われてきました。「吉書揚げ」とも呼ばれる習わしです。
小学生の書き初めの宿題が学校に提出される今は、機会が減っています。もし家で書いた紙があれば、持ち込みができるか確かめて、納めてみるのもよいものです。
灰を持ち帰る、火を持ち帰る
燃え残りの灰を持ち帰り、家の周りにまいて魔除けとする地域があります。火を分けてもらい、家の神棚の灯明やかまどに移す地域も、以前はありました。今は持ち帰りを認めていない会場もあります。主催者の指示があるときはそれに従います。
持ち込めるもの、持ち込めないもの
どんど焼きで近年いちばん問題になっているのが、持ち込まれる物の中身です。昔の正月飾りは、藁、竹、松、紙、橙でできていました。今のものはプラスチックの飾りや針金が付いていることが多く、そのまま火にくべると有害な煙や燃え残りの原因になります。
迷いやすい物の扱い
下の整理は、よくある案内をまとめたものです。受け付ける物は主催者によって異なるので、優先するのは必ず各会場の案内です。
- 受け付けられることが多い物:藁のしめ飾り、門松の松や竹、紙の飾り、書き初め
- 受け付ける所と受け付けない所がある物:お札、お守り、破魔矢、だるま
- 受け付けられないことが多い物:プラスチックや金属の飾り、ビニール袋、ガラス、陶器、人形、ぬいぐるみ、仏壇の仏具、一般のごみ
外しておきたい部品
市販のしめ飾りには、次のような部品が付いていることがあります。
- 金色の水引に見える樹脂のひも
- プラスチックの橙や海老、扇の飾り
- 裏側で固定している針金やホチキスの芯
- 外装のビニール袋、値札
細い針金は切って外せますが、藁の中に編み込まれている物は外しにくいことがあります。無理に分解すると手を切ることがあるので、飾りを買うときに「後で外せるか」を見ておくのが、いちばん楽な方法です。飾る前の選び方は、お正月の行事と意味も参考になります。

他の地域の飾りを持ち込まない
地域の行事は、その地域の人たちが準備と費用を負担して続けているものです。多くの会場は町内の住民の持ち寄りを前提にしているので、遠くからまとめて持ち込むのは避けます。大量の飾りを会社や店舗から出す場合は、事前に相談が必要です。
なお、鏡餅については、食べて納めるのが基本です。鏡開きの方法は鏡餅の飾り方と鏡開きで説明しています。カビが広がってしまった鏡餅や、プラスチックの容器入りの鏡餅の容器は、どんど焼きではなく家の分別に従って処分します。
火のそばでの注意
どんど焼きは、とても大きなたき火です。参加する側が気をつけることは、それほど多くありませんが、知らないと危ない点がいくつかあります。
服と持ち物
化学繊維の服は、火の粉で穴があきやすく、溶けて肌に付くことがあります。フリースやダウンの薄手の上着は特に弱いので、綿やウールの上着に替えるか、燃えても惜しくない服を選びます。長い髪はまとめ、マフラーの端が垂れないようにします。
足元は土や灰で汚れ、火の粉も落ちるので、底の厚い靴が安心です。煙のにおいはかなり強く服に残ります。帰りに電車や店に寄る予定がある日は、上着を袋に入れられるよう準備しておくと助かります。
立つ位置
- 風下に立たない。煙だけでなく、火の粉が流れてきます。
- 主催者が張ったロープの内側に入らない。やぐらが倒れる方向は読めません。
- 竹の破裂に備え、顔を近づけない。節を割って組んである会場もありますが、すべてが割れているとは限りません。
- 小さな子どもからは手を離さない。炎に見とれて前へ出ることがあります。
ぜんそくなど呼吸器の持病がある人は、煙が症状を悪化させることがあります。風上の離れた位置から見る、早めに帰るなど、無理をしないようにしてください。参加の可否に迷うときは、かかりつけの医師に相談するのが安心です。
団子を焼くときと食べるとき
焼いた団子は中まで熱く、外は黒い灰が付いています。竹の先の割り目や枝の先は想像以上に熱くなるので、触るときは手袋を使います。合成繊維の手袋は熱で溶けることがあるので、綿の軍手などが向いています。
団子や餅は、のどに詰まりやすい食べ物です。小さな子どもや高齢の人に渡すときは、小さく切り、よくかんで、飲み物とともに食べてもらいます。乳幼児には餅や団子を与えないようにしましょう。
会場で配られる甘酒や豚汁は、寒い時期の楽しみの一つです。こちらも熱いので、子どもは冷ましてから渡します。










