ロジックツリーの作り方|What・Why・Howの使い分けとMECEに分けるコツ
Howツリーで会議を短くする方法を出す
短くすることと会議の目的を両立させる
「会議を短くする」だけを目標にすると、必要な相談まで削る案が出ます。「必要な判断と担当の確認を残し、会議と追加確認にかかる時間を減らす」と書けば、守る条件と対象が分かります。現在の会議について、共有、相談、判断、事務連絡などに何を使っているかも先に確認します。
ここでは、会議前、会議中、会議後という段階で方法を分けます。これは考え始めるための切り口です。枝を作ることに時間をかけすぎず、実際に長引いた場面へ結びつく案を出します。判断に必要な資料が足りない会議と、議題が多すぎる会議では、効きそうな方法が違います。
必要な判断を残し、会議と追加確認の時間を減らすには
├─ 会議前に整える
│ ├─ 報告だけの項目を事前共有へ移す
│ └─ 決めたいことと必要資料をそろえる
├─ 会議中の進行を整える
│ ├─ 議題ごとに終了条件を確認する
│ └─ 範囲外の話を別の相談へ分ける
└─ 会議後のやり直しを減らす
├─ 決定事項と担当をその場で読み合わせる
└─ 未決事項の確認先と期限を残す
この例では、会議後の追加確認も減らす対象に含めています。一回の会議時間だけを目標にするなら、会議後の枝は別のツリーへ分けます。会議時間と追加確認の時間は別々に記録し、どちらが変わったかを確かめます。親の目標を変えるときは、その言葉も書き直して、枝とのつながりを保ちます。
案は実行する人と場面が分かる形にする
「準備を改善する」では、次に何をするか決まりません。「進行役が前日に議題を確認し、各議題に決めたいことを一文添える」まで具体化します。関係者の同意が必要な変更は、自分だけで実行できる案と分けて印を付けます。
会議の外へ報告を移す場合も、読んでもらう時間と質問の受け口が必要です。会議時間が減っても、参加者が長い資料を個別に読む負担が増えるなら、全体では改善していない場合があります。試す前に、会議の長さに加え、事前準備や追加確認の負担も見ると決めておきます。
アジェンダに落とし込む際は、会議の議題(アジェンダ)の書き方|目的・所要時間・決めたいことの書き分けのように、目的と終了時に残したい結果を分けると、単なる時間短縮になりにくくなります。
MECEの意味と使いやすい分け方
モレとダブりは対象範囲の中で確かめる
MECEは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字で、一般に「モレなくダブりなく」と説明されます。分けた項目が互いに重ならず、合わせると対象全体を覆っている状態です。ただし、世界のあらゆる可能性を列挙するという意味ではありません。最初に定めた対象と範囲に対して確かめます。
例えば、購入した食品を「自炊用の食材」「持ち帰りの調理済み食品」「店内での飲食」に分けるなら、飲み物や宅配をどう扱うかも決めます。分類名を見ただけで判断が割れる場合は、具体例を添える必要があります。実際の一件を迷わず一か所へ置けるかで、分類の使いやすさを確かめます。
「固定費と変動費」のような分け方でも、どこまでを固定と呼ぶかで迷います。月額がほぼ決まる支出と、利用量などで変わる支出という基準を置き、両方を含む請求は内訳を分けるか、今回の扱いを決めます。二つの言葉を並べれば自動的にMECEになるわけではありません。
五つの切り口を題材に合わせる
| 切り口 | 分け方の例 | 向いている問い | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 足し算 | 支出合計=各費目の合計 | 内訳のどこが大きいか | 同じ期間と計上基準か |
| かけ算 | 購入額=購入回数×一回あたり平均額 | どの要因で金額が変わるか | 単位と対象期間が合うか |
| 時系列 | 開始前・実施中・終了後 | いつ困りごとが起きるか | 段階の区切りが明確か |
| 対立概念 | 条件を満たす・満たさない | どちらの扱いにするか | 判定できない対象がないか |
| プロセス | 受付・処理・確認・引き渡し | どの工程で滞るか | 待ち時間や戻りも含むか |
足し算の分解は、合計と内訳を照合できる強みがあります。家計なら同じ買い物を複数費目へ重ねて入れないこと、時間なら並行作業を二度足さないことが必要です。内訳の合計が親へ戻るかを確認すると、抜けや集計の食い違いを探せます。
かけ算は、量と単価、回数と平均のような関係に使います。例えば「同じ期間の外食支出=外食回数×一回あたり平均支出」とすれば、回数が増えたのか、一回の支出が増えたのかを見られます。回数がゼロなら平均を計算せず、支出なしとして扱います。また、平均だけでは一度の大きな支出が隠れるため、必要なら明細も確認します。
かけ算の要因は、足し算の費目のような「互いに重ならない部分」ではありません。支出を回数と平均額へ足し分けるわけではなく、数式で関係を表しています。二つの要因が同時に変わることもあるので、片方だけを原因と決めつけず、それぞれの変化を調べます。
時系列は、会議前、会議中、会議後のように出来事の前後を見ます。プロセスは、受付から引き渡しまでの仕事の流れを見ます。似ていますが、並行する仕事や差し戻しがある場合は単純な一本道にしない方が実態に合います。ツリーで工程を列挙し、行き来の確認には矢印を使うなど、役割を分けられます。
対立概念は、明確な条件で二つに分けるときに便利です。「提出済み・未提出」など、対象と確認時点を決めて使います。「高い・安い」「良い・悪い」では基準が曖昧なので、判断が割れます。状態を確認できない項目があれば、判定待ちとして残し、都合のよい側へ押し込みません。
完全さを求める度合いは使い道で決める
金額や件数を集計するWhatツリーでは、抜けと重複が結果に直接影響します。分類ルールを確かめ、不明な項目を残して合計を照合します。「その他」を作る場合も、中身を見ないまま大きな金額を入れると、知りたい内訳が隠れます。仮置きした内容を後から見直せる形にします。
原因候補や解決策を出す場合は、現実の関係が重なりやすくなります。例えば、資料の事前共有は説明時間にも質問時間にも影響します。同じ案を二つの枝に複製して効果を二重に数えるより、主な置き場所を一つ決め、ほかの枝との関係をメモします。
止めどころは、今回の判断を変えるほどの抜けや重複が残っているかです。大きな支出が未分類、重要な関係者が未確認といった状態なら整理を続けます。残りが小さく、次に調べることが決まっているなら、不明点を残したまま調査へ進めます。分類の完成を待ち続ける必要はありません。
紙一枚で作る手順と階層のそろえ方
問いを決めてから横に広げる
- 紙の左端に、今回知りたいことを一文で書きます。「仕事の改善」より「定例会議が予定を超える理由は何か」のように、対象と知りたい点を絞ります。
- 問いの下に、対象期間、含める範囲、守りたい条件を添えます。今回は扱わないものも一行で残すと、途中で話が広がりすぎません。
- What・Why・Howのどれを作るか決め、最初の枝を並べます。この段階では一つの枝だけ深めず、ほかに同じ立場の項目がないか見ます。
- 各枝を一段具体化し、親とのつながりを読みます。「なぜなら」「その内訳は」「そのためには」のどれで結ぶかを、ツリーの種類に合わせます。
- 重複、空白、根拠のない枝を見直し、次に調べる項目か試す項目を選びます。書いた日付も添え、見直す際に古い前提を確かめます。

同じ階層では答えの大きさをそろえる
粒度とは、項目をどの程度細かく書いているかということです。「通信費」「食費」「昼食の飲み物代」が並ぶと、最後の項目だけ細かくなっています。飲み物代を食費の下へ移すか、ほかも同程度の具体項目に分けると、比較しやすくなります。
同じ階層の枝の数をそろえる必要はありません。最初は問い、大分類、具体項目くらいの深さで全体を見て、それでも判断できない枝だけ一段増やします。調査先や実行内容が分かれば止め、言葉を言い換えただけの枝は増やしません。
親から子へ読んだときだけでなく、子をまとめると親の説明に戻るかも確認します。「移動時間が長い」の下に「早く寝る」があれば原因と対策が混ざっています。枝を無理につなぎ直さず、対策用のメモへ移すと問いを保てます。










