春節の由来と過ごし方|2027年は2月6日、年夜飯・紅包・爆竹と各地の呼び名
春節は旧暦の新年を祝う行事で、2027年の中国では2月6日にあたります。日付が毎年変わる理由、「春節」という名前が付いた経緯、年獣の伝説、年夜飯の料理の意味、紅包と爆竹、元宵節までの流れ、ベトナムのテトや韓国のソルラルとの違い、日本での楽しみ方を説明します。

新暦の正月が終わって少したったころ、ニュースで中国の帰省ラッシュや赤い提灯の映像を見かけるようになります。春節です。中国語圏で一年でいちばん大きな行事で、ベトナムや韓国などにも旧暦の新年を祝う習慣があります。
日本では「中国のお正月」と簡単に説明されることが多い行事ですが、日付の決め方、「春節」という名前が付いた経緯、料理や飾りに込められた言葉遊びまで見ていくと、話はなかなか奥深いものです。
この記事では、2027年の日付から始めて、暦のしくみ、名前の歴史、年の瀬から元宵節までの過ごし方、各地の違い、日本で楽しむときの心得を順に説明します。世界の年越し全体を見渡したい人は、世界の年越しと新年の習慣もあわせて読むと、位置づけが分かりやすくなります。
春節はいつか、なぜ日付が変わるのか
春節は、旧暦の1月1日です。旧暦と呼ばれている暦は、月の満ち欠けで1か月を数え、季節とのずれを太陽の動きで補う太陰太陽暦です。中国語では農暦ともいいます。
| 新暦の年 | 中国の春節 | 干支 |
|---|---|---|
| 2026年 | 2月17日 | 午 |
| 2027年 | 2月6日 | 未 |
| 2028年 | 1月26日 | 申 |
| 2029年 | 2月13日 | 酉 |
| 2030年 | 2月3日 | 戌 |
月の満ち欠けの周期はおよそ29.5日なので、12か月を重ねても約354日にしかなりません。太陽の1年より11日ほど短くなります。そこで数年に一度、閏月を入れて1年を13か月にし、季節に合わせます。
このしくみのために、春節は新暦の上で毎年約11日ずつ早まり、閏月が入った翌年に大きく遅くなります。範囲はおおむね1月21日から2月20日ごろです。
日付の決め方
旧暦の月は新月の日から始まります。冬至を含む月を11月と決めるので、多くの年は冬至のあと2回目の新月が1月1日になります。閏月の入り方によっては3回目になる年もあります。
月の名前を決める手がかりには、二十四節気の「中気」が使われます。冬至もその一つで、中気を含まない月が閏月になります。この決まりがあるので、春節はおおむね立春の前後、雨水より前に来ます。「春」の名が付いているのに真冬に祝うように感じるのは、新暦の感覚で見ているからで、旧暦の上では春の始まりの行事なのです。
2027年は韓国と日付が分かれる
新月の日付は、その瞬間がどの時刻帯で何日かによって決まります。2027年の新月は、世界時で2月6日の16時ごろです。中国の標準時ではまだ2月6日の夜遅くですが、韓国の標準時ではすでに2月7日に入っています。
そのため、2027年は中国の春節が2月6日、韓国のソルラルが2月7日と、1日ずれます。同じ旧暦の新年でも、暦を計算する基準の地点で結果が変わるのです。ベトナムのテトでも、過去に中国と日付が分かれた年があります。

干支が変わる日
中国語圏では、干支の切り替わりを春節とみる考え方が広く使われています(立春で区切る占いの流派もあります)。日本では1月1日で干支を切り替えるのが一般的なので、2027年の1月生まれは、日本では未年、春節を基準にすると午年という違いが生まれます。十干十二支の基本は干支と和暦の読み方を参考にしてください。
「春節」という名前は意外に新しい
旧暦の新年を祝う習慣はとても古いものですが、「春節」が新年の正式な呼び名になったのは20世紀に入ってからです。
長いあいだ、中国では旧暦の新年を「元旦」「元日」「新年」などと呼んできました。「春節」という言葉は、古くは立春など、春の節気を指すこともありました。
転機は辛亥革命です。1912年に中華民国が成立すると、政府はグレゴリオ暦(新暦)を採用し、1月1日を新年としました。一方で、人々の暮らしは旧暦の新年で回り続けます。新年が二つある状態になったのです。
こうした経緯の中で、袁世凱の政権が、旧暦の新年を「春節」と定めました。時期は1913年から1914年にかけてと説明されます。「元旦」は新暦の1月1日を指す言葉になり、旧暦の新年は別の名前で呼ばれるようになりました。
廃止しようとしても残った行事
その後の道のりも平坦ではありません。1920年代末から1930年代にかけて、国民政府は旧暦の廃止を進め、旧暦の新年を祝わせない方針を打ち出しました。近代化のためには古い暦を改めるべきだという考えからです。しかし暮らしに根づいた行事はなくならず、取り締まりはやがて緩みました。
1949年に成立した中華人民共和国は、新暦の1月1日を「元旦」、旧暦の新年を「春節」と定めて休日にしました。文化大革命の時期には春節の休みが取り消された年もありますが、その後は国の最大の休暇として定着しています。
2024年には、春節とそれを祝う社会的な慣習が、ユネスコの無形文化遺産の代表一覧表に記載されました。

起源の話と年獣の伝説
春節の起源は一つに定まっていません。農耕の一年の区切りに、神々や祖先に感謝して祈る祭りが重なって形づくられたと考えられています。
「年」という漢字は、甲骨文字では人が実った穀物を背負う形とされ、後漢の字書『説文解字』も「穀物が熟す」という意味で説明しています。もともとは「ひと巡りの実り」を指す字だったことになります。
新年の時期が今の形になる節目は、前漢の武帝の時代です。紀元前104年に制定された太初暦で、今の旧暦1月にあたる月を一年の始まりとする方式が採られました。それ以前は王朝によって年の始めの月が違っていたといわれます。
年という名の怪物
もっとも有名な由来話は「年獣」の伝説です。大晦日になると「年」という怪物が村を襲いにくるが、赤い色と大きな音、火を恐れる。そこで人々は赤い紙を貼り、竹を燃やしてはぜる音を立てて追い払った、という筋書きです。
分かりやすい話なので、子ども向けの本やテレビで繰り返し語られています。ただし古い文献では確かめにくく、比較的新しく広まった話とする見方もあります。竹をはぜさせる習慣そのものは古く、6世紀の『荊楚歳時記』に、元日に庭で爆竹を鳴らして悪い鬼を避ける話が記されています。行事が先にあり、説明の物語が後からついてきた、と考えるのが自然でしょう。








