虹と暈(かさ)のしくみ|虹が出る方角と高さ、幻日・環天頂アークの見つけ方
虹が出る方角と時間帯を読む
虹が見られるかどうかは、太陽の位置と雨の位置の組み合わせで決まります。条件を整理すると、虹を探すべき方向と時間がかなりはっきりします。
まず、虹は必ず太陽と反対側の空に出ます。朝なら西の空、夕方なら東の空です。次に、虹の頂点の高さは、太陽が低いほど高くなります。主虹は対日点から42度の円なので、太陽の高さが42度を超えると、円の頂点まで地平線の下に沈み、地上の平らな場所からは見えなくなります。夏の昼間に虹をあまり見かけないのは、このためです。
そして、太陽の反対側に雨が降っている、または雨粒が浮かんでいる必要があります。にわか雨が通り過ぎた直後に、雨雲が東へ去り、西から日が差してきた夕方は、虹が出やすい典型的な場面です。
| 条件 | 虹が出やすい | 虹が出にくい |
|---|---|---|
| 時間帯 | 朝・夕方(太陽が低い) | 正午前後(太陽が高い) |
| 太陽と雨 | 太陽側が晴れ、反対側に雨 | 空全体が雲に覆われている |
| 季節 | 夕立やにわか雨の多い時期 | 雨が少なく乾燥した日が続く時期 |
| 探す方向 | 自分の影の頭の先 | 太陽のある側 |
虹を探す手順
空を見ていて「出そうだ」と思ったら、次の順番で確かめると見つけやすくなります。
- 太陽が出ていて、かつ太陽の高さがあまり高くないことを確かめます。腕を伸ばして握りこぶしを重ねると、こぶし一つがおよそ10度の目安になります。
- 太陽に背を向け、地面に落ちた自分の影の頭の方向を見ます。そこが虹の円の中心です。
- 影の頭からこぶし四つ分ほど離れたあたりを、ぐるりと円を描くように見回します。
- その方向に雨が降っている、または雨雲が残っているかを確かめます。
- 虹が見つかったら、その外側にもう一本淡い虹がないかを探します。
こぶしの幅は手の大きさや腕の長さで変わるため、あくまで目安です。慣れてくると、太陽の高さを見ただけで、虹がどのくらいの高さに出るか想像できるようになります。
庭の水まきやホースの霧でも、同じ条件を満たせば小さな虹をつくれます。太陽を背にして霧を吹くと、ちょうど影の頭から42度ほどの位置に色の弧が現れます。しくみを確かめる実験としても手軽です。
副虹・過剰虹・白虹など、虹の仲間
虹をよく観察していると、主虹以外にもさまざまな虹の仲間に気づきます。名前と特徴を知っておくと、空を見る楽しみが広がります。
副虹と「暗い帯」
主虹の外側に、もう一本淡い虹が見えることがあります。これが副虹(ふくにじ)です。副虹は、雨粒の中で光が2回反射してから出てきた光でできます。対日点からおよそ51度の位置に現れ、色の順番は主虹と逆で、内側が赤、外側が紫になります。反射が1回多いぶん光が弱まるため、主虹よりも淡く、幅も広く見えます。
主虹と副虹のあいだの空は、まわりより少し暗く見えます。これは、二つの虹の角度のあいだには、雨粒から光がほとんど戻ってこないためです。この暗い部分は、古い時代にこの現象を記録した人物の名にちなんで「アレキサンダーの暗帯」と呼ばれます。
また、主虹の内側の空は、外側に比べてやや明るく見えます。雨粒から戻る光は42度より内側の広い範囲にも散らばるためで、虹の内側がぼんやり白っぽく見えるのはこのためです。
過剰虹
主虹の内側に、紫や緑の細い帯が何本か重なって見えることがあります。これを過剰虹(かじょうにじ)と呼びます。雨粒が小さくそろっているときに、光の波どうしが重なり合って強め合ったり弱め合ったりすることで生まれます。光が波の性質を持つことを、空で目にできる珍しい例です。
白虹と月虹
霧のようにとても細かい水滴に光が当たると、色の分かれ方がにじんで、白っぽい幅の広い弧になります。これを白虹(はっこう、しろにじ)や霧虹と呼びます。朝霧の立つ山や海辺で、太陽を背にしたときに見られることがあります。
満月に近い明るい月の光でも、雨粒があれば虹ができます。これを月虹(げっこう)と呼びます。月の光は弱いため、肉眼では白っぽく見えることが多く、長めの露出で撮影すると色が写ることがあります。











