雪の結晶の観察入門|ルーペとスマホで見る形の種類と、気温で形が変わるしくみ
スマホで結晶を撮るコツ
雪の結晶をスマホで撮ると、肉眼では気づかなかった模様が写ることがあり、後から形を比べるのにも役立ちます。小さな被写体を寒い屋外で撮るので、いくつかのコツがあります。
ピントは画面ではなく距離で合わせる
マクロ撮影では、ピントの合う距離がとても狭くなります。画面をタップしてもピントが合いにくいときは、スマホを少しずつ前後に動かし、ピントの合う位置を探します。連写を使い、たくさん撮った中からピントの合ったものを選ぶと効率的です。
光の当て方で模様の見え方が変わる
結晶は透明なので、真上から強い光を当てると、白く飛んで模様が見えにくくなります。斜めから光を当てると、板の中の線や枝の立体感が浮かび上がります。昼間は空の明るさを、夜は小さなライトを横から当てる形にすると撮りやすくなります。
撮影の基本については、スマホで写真をきれいに撮るコツも参考にしてください。構図やピントの考え方は、雪の結晶の場合も同じです。
スマホの熱と寒さに注意する
スマホ本体は使っているうちに温かくなるので、結晶に近づけすぎると、レンズの熱で溶けてしまうことがあります。撮影は手早く済ませ、一枚撮ったら少し離すようにします。
寒い屋外ではバッテリーの減りが早くなり、電源が急に切れることもあります。撮影の合間はポケットに入れて温めておきます。冷えたスマホを急に暖かい室内に持ち込むと、内部に結露ができることがあるので、袋に入れてしばらく置いてから取り出すと安心です。

観察を記録して、空の様子を読み取る
雪の結晶の観察は、記録を残すと楽しみが広がります。結晶の形と、その日の天気や時刻を合わせて残しておくと、空の上の様子を自分なりに想像できるようになります。
記録しておきたいこと
記録には、観察した日付と時刻、地上の気温(わかる範囲で)、風の強さ、雪の降り方(さらさら・ぼたん雪など)、見つけた結晶の形を書きます。写真に番号を付けて、ノートと対応させておくと後で見返しやすくなります。
形の変化から上空を想像する
同じ日のうちでも、時間がたつと降ってくる結晶の形が変わることがあります。降り始めは角板が多かったのに、夜になって樹枝状が増えてきた、というような変化です。前の章の気温と形の表を手がかりにすると、結晶が育った高さの気温や湿り具合が変わってきたのではないか、と考えることができます。
天気図や雲の様子と合わせて見ると、さらに理解が深まります。冬型の気圧配置のときの雪と、低気圧が近づいたときの雪では、結晶の様子が違うことがあります。天気図の見方は天気図の読み方、雲の種類は雲の種類と天気の見方にまとめています。
冬の氷の観察と組み合わせる
雪の日の前後には、霜や霜柱、窓ガラスの氷の模様など、ほかの氷の形も見られます。霜も水蒸気が直接氷になってできるもので、雪の結晶と似た枝分かれが見られることがあります。霜柱ができるしくみと合わせて観察すると、冬の氷の世界を広く楽しめます。
一歩進んだ楽しみ方
観察に慣れてきたら、次のような楽しみ方もあります。
形の種類を集める
角板、扇形、樹枝状、角柱、針、鼓型と、見つけた形を一つずつ記録していくと、図鑑のように自分だけのコレクションになります。一冬の間にどれだけの種類を見つけられるか、目標を決めるのも励みになります。
博物館や科学館で学ぶ
雪の結晶の研究については、中谷宇吉郎にゆかりのある科学館などで、展示を通して学べる場所もあります。人工的に雪の結晶を作る実験装置や、結晶の写真の展示を見ると、自分の観察で見つけた形の理解が深まります。開館日や展示内容は施設の公式サイトで確認してください。
人工雪づくりは科学館の実験で体験する
ペットボトルやドライアイスを使って、家庭で雪の結晶を育てる実験が紹介されることがあります。ドライアイスは非常に低温で、素手で触ると凍傷になったり、密閉した容器に入れると破裂したりする危険があります。試してみたい場合は、科学館の実験教室など、指導者のいる場で体験するのが安心です。
まとめ
雪の結晶は、空の上で水蒸気が直接氷になって育ったもので、六角形の形は氷の分子の並び方から生まれます。結晶が育った場所の気温によって板か柱かが変わり、水蒸気が多いほど枝分かれした複雑な形になります。一つの結晶には、雲の中で通ってきた道のりが記録されています。
観察に向いているのは、地上でも氷点下で風の弱い、さらさらした雪の日です。まずは黒い布かフェルトを一枚用意し、次に雪の予報が出た日に、布とルーペを外の空気で冷やしてから、数秒だけ雪を受けて見てみてください。小さな六角形が一つ見つかれば、そこから冬の空の読み方が少しずつ広がっていきます。
よくある質問
雪の結晶は、雪が降ればどこでも見られますか?
結晶の形が残った雪は、気温が低く、風が弱い日に見つけやすくなります。気温が0度に近い日の雪は、落ちてくる途中で溶けかけたり、たくさんの結晶がくっついて大きな雪片になったりするため、一つずつの形は見えにくくなります。
観察には顕微鏡が必要ですか?
なくても始められます。大きめの樹枝状の結晶なら肉眼でも形がわかり、倍率10倍前後のルーペがあれば細かい枝まで見えます。スマホのカメラに取り付けるクリップ式のマクロレンズも、記録を残すのに便利です。
同じ形の雪の結晶は二つとないというのは本当ですか?
大まかな形が似た結晶はたくさんありますが、枝の分かれ方や細かな模様まで完全に一致するものは、まず見つからないと考えられています。一つの結晶が雲の中で通ってきた温度や湿度の道のりが、それぞれ少しずつ違うためです。
雪の結晶はなぜ六角形なのですか?
氷の中で水の分子が並ぶ形が、六角形を基本にした規則正しい並びになっているためです。結晶が大きく育つとき、その並び方が外側の形にも表れ、六角形の板や柱、六本の枝として見えます。
観察するときに気をつけることはありますか?
結晶は体温や息ですぐに溶けるので、布やルーペを外の空気で十分に冷やし、息がかからないよう少し顔を離します。寒い屋外に長く立つことになるため、防寒と足元の安全を先に整え、凍った路面や車の通る場所では観察しないようにしましょう。










コメント
まだコメントはありません。最初の感想をどうぞ。