冬至の由来と過ごし方|一陽来復の意味、ゆず湯とかぼちゃ、「ん」のつく食べ物まで
一年で昼がいちばん短くなる冬至について、日付が年によって変わる理由、昼が短いのに寒さの底ではない理由、一陽来復という言葉の意味、ゆず湯やかぼちゃ、「ん」のつく七種の食べ物、小豆がゆの由来、世界の冬至の祝い方、家での過ごし方までをまとめました。

12月の下旬になると、ゆず湯に入ったり、かぼちゃの煮物を食べたりする家庭が多くあります。冬至は、一年のうちで昼がいちばん短い日として知られていますが、なぜその日にゆずやかぼちゃなのか、なぜ「一陽来復」というおめでたい言葉と結びつくのかまでは、意外と知られていません。
ここでは、冬至がどうやって決まるのかという天文の話から、暦の上での意味、ゆず湯やかぼちゃ、「ん」のつく食べ物、小豆がゆといった習わしの由来、そして世界の冬至の祝い方までを順にたどります。最後に、家で無理なく冬至を楽しむための過ごし方も紹介します。
冬至とはどんな日か
冬至は、二十四節気の一つです。二十四節気は、太陽の通り道を24等分して季節の区切りに名前をつけたもので、くわしくは二十四節気と七十二候の読み方で紹介しています。冬至は、そのうち太陽がいちばん南に寄る位置に来たときで、北半球では一年のうちで昼の長さがもっとも短く、夜がもっとも長くなります。
日付が年によって変わる理由
冬至の日付は、12月21日か22日ごろで、年によって変わります。冬至は「太陽が天球上の決まった位置を通る瞬間」で決まるため、その瞬間が日本時間で何日にあたるかによって日付が決まるからです。
地球が太陽のまわりを一周する時間は、ちょうど365日ではなく、それより6時間ほど長くなっています。そのため冬至の瞬間は毎年少しずつ遅れ、うるう年で1日を足すことで元に戻る、という動きを繰り返します。この結果、冬至の日付は21日と22日のあいだを行き来します。その年の正確な日付と時刻は、国立天文台が毎年公表している暦で確かめられます。
太陽の高さと影の長さ
冬至の日は、太陽が南の空でいちばん高くなる正午ごろでも、一年でいちばん低い位置にあります。そのため、昼に地面に落ちる影は一年でいちばん長くなります。晴れた日に、自分や電柱の影を夏と比べてみると、冬至のころの影がずっと長く伸びていることがわかります。昔の人は、棒を立てて影の長さを測り、影がいちばん長くなる日を冬至として暦の基準にしていました。
住む場所で変わる昼の短さ
冬至の昼の短さは、住んでいる場所によって違います。北にある地域ほど、冬至の太陽は低く、昼の時間も短くなります。日本の中でも、北海道と沖縄とでは冬至の日の昼の長さにはっきりした差があり、北の地域のほうが夕暮れの早さを強く感じます。反対に、赤道に近い地域では、一年を通して昼と夜の長さの差が小さく、冬至の変化はあまり目立ちません。
さらに北へ進み、北極圏に入ると、冬至のころには太陽が一日中地平線の上に昇らない「極夜」になる地域があります。北ヨーロッパで冬至が特に大切にされてきたのは、太陽のない暗い季節の厳しさを、人々が身をもって知っていたからだと考えられます。
夏至と比べてみる
冬至と対になるのが、6月下旬ごろの夏至です。夏至は太陽がいちばん北に寄り、昼の長さがもっとも長くなる日です。冬至と夏至のちょうど中間にあたるのが、春分と秋分で、この日は昼と夜の長さがほぼ同じになります。一年を通して見ると、冬至は「昼の長さの谷」、夏至は「昼の長さの山」にあたり、暦はこの山と谷を基準に季節を区切ってきました。

昼がいちばん短いのに、寒さの底ではない理由
冬至は昼がいちばん短い日ですが、寒さがいちばん厳しくなるのは、それから1か月以上たった1月下旬から2月上旬ごろです。二十四節気でいえば、大寒のころにあたります。
このずれは、地面や海が熱をため込んでいるために起こります。夏のあいだに温められた地面や海は、秋から冬にかけて少しずつ熱を手放していきます。冬至を過ぎて昼が長くなりはじめても、しばらくは受け取る熱より逃げていく熱のほうが多いため、気温は下がり続けます。受け取る熱と逃げる熱がつり合ったところが寒さの底になり、そこからゆっくりと春に向かいます。夏至と真夏の暑さのあいだにも、同じようなずれがあります。
日の出と日の入りの時刻のずれ
もう一つ、冬至にまつわる誤解があります。「冬至は日の出がいちばん遅く、日の入りがいちばん早い日」と思われがちですが、日本の多くの地域ではそうなりません。
| 時期の目安 | 起こること |
|---|---|
| 12月上旬ごろ | 日の入りの時刻がいちばん早くなる |
| 冬至(12月21日か22日ごろ) | 昼の長さがいちばん短くなる |
| 1月上旬ごろ | 日の出の時刻がいちばん遅くなる |
| 1月下旬〜2月上旬ごろ | 寒さがいちばん厳しくなりやすい |
これは、太陽がいちばん高くなる「南中」の時刻が、季節によって前後にずれるためです。地球の通り道が完全な円ではなく少しつぶれた楕円であることと、地球の自転の軸が傾いていることが重なって、正午ちょうどに太陽が南中するとは限りません。冬至のころは南中の時刻が日ごとに少しずつ遅くなっていくため、昼の長さがいちばん短い日と、日の入りや日の出がもっとも早い・遅い日がずれるのです。
冬至のあとは、まず夕方の明るい時間が伸びはじめ、朝の明るさが戻ってくるのは年が明けてから、という順番になります。日の出と日の入りの時刻は、住んでいる場所の時刻表を見ると、このずれがよくわかります。










