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歴史・文化

冬至の由来と過ごし方|一陽来復の意味、ゆず湯とかぼちゃ、「ん」のつく食べ物まで

冬至のころの暦の言葉と季語

冬至のまわりには、季節の移り変わりを表す暦の言葉や、俳句の季語がたくさんあります。言葉の意味を知っておくと、カレンダーや手紙の季節のあいさつが、ぐっと身近になります。

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冬至の七十二候

二十四節気をさらに三つずつに分けたものが七十二候です。冬至の期間には、次の三つの候があります。

  1. 乃東生(なつかれくさしょうず)。夏に枯れる「夏枯草(かごそう)」と呼ばれる草、うつぼぐさが芽を出すころ。ほかの草が枯れていく時期に、逆に芽吹く草に目を向けた言葉です。
  2. 麋角解(さわしかのつのおつる)。大きな鹿の角が落ちるころ。鹿の角は毎年生え変わることから、古いものが落ちて新しいものに替わる時期を表しています。
  3. 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)。雪の下で麦が芽を伸ばすころ。冬の寒さの下でも、春に向けた動きがすでに始まっていることを表します。

どの候も、冬の最中に「次の命」が動き出す様子をとらえています。一陽来復の考え方と、よく響き合う言葉です。

冬至にまつわる言い回し

「冬至冬なか冬始め」という言い回しがあります。暦の上では冬至は冬の真ん中にあたるけれども、本格的な寒さはここから始まる、という意味です。前の章で見た、昼の短さと寒さの底がずれることを、昔の人は暮らしの実感として知っていたことがわかります。

中国には、冬至を年越しと同じくらい大切にするという意味の言い回しも伝わっています。冬至を一年の区切りとしてきた歴史が、言葉にも残っているのです。

冬の季語としての冬至

俳句では、「冬至」「柚子湯」「冬至粥」「冬至南瓜」などが冬の季語として使われます。季節を三つに分けると、冬至は冬の真ん中にあたる「仲冬」の季語です。年末の慌ただしさのなかで、家の中のあたたかさや、湯気の立つ食卓をよむ句が多く見られます。冬至の日に、湯船のゆずや台所の様子を短い言葉で書きとめてみるのも、季節を味わう方法の一つです。

家で冬至を楽しむ過ごし方

冬至の習わしは、どれも特別な準備がいらないものばかりです。暮らしのなかで無理なく取り入れる方法を、場面ごとに考えてみます。

前の週に準備すること

冬至のころになると、ゆずが店頭に多く並びます。ゆず湯用に数個、料理用に一つ、と分けて考えておくと、むだになりません。皮は刻んで冷凍しておけば、吸い物やうどんの薬味に使えます。かぼちゃは丸ごとより、使い切れる量のカットされたものを選ぶと扱いやすいでしょう。

ゆずは、皮に張りがあって色むらが少なく、手に持ったときに重みを感じるものが香りもよく残っています。ゆず湯に使う分は、表面に多少の傷があってもかまいません。料理に皮を使う分は、きれいなものを選んで、よく洗ってから使います。

この時期は、すす払いと大掃除や年賀状の準備など、年末の用事が重なります。冬至を「一年の区切り」と考えて、大掃除の段取りを確かめる日にするのも一つの方法です。

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当日の過ごし方

  1. 夕方、日の入りの時刻を確かめ、いつもより早く暮れる空を眺める。
  2. 夕食に、かぼちゃの煮物やいとこ煮、「ん」のつく食べ物を一品取り入れる。
  3. お風呂にゆずを浮かべて、ゆっくり温まる。
  4. 一年を振り返り、来年に向けて始めたいことを一つ書き出す。

一陽来復の考え方にならえば、冬至は「ここから上向いていく」日です。一年の終わりを待たずに、来年の計画を立てはじめる日としてもぴったりです。

かぼちゃの煮物を作るときのこつ

冬至のかぼちゃは、煮物にする家庭が多いでしょう。かぼちゃは煮崩れしやすい野菜なので、いくつかのこつを押さえておくと、形よく仕上がります。

まず、種とわたをスプーンでしっかり取り除き、同じくらいの大きさに切りそろえます。大きさがばらばらだと、小さいものが先に崩れてしまいます。皮はところどころむいておくと、味がしみやすく、見た目も軽くなります。切り口の角を薄くそぎ落とす面取りをすると、煮ているあいだの欠けを防げます。

鍋には皮を下にして重ならないように並べ、だしや水を、かぼちゃがひたひたに浸かるくらいまで入れます。落としぶたをして中火にかけ、煮立ったら火を弱めます。途中でかき混ぜると崩れるので、鍋をゆするか、煮汁を上からかける程度にします。竹串がすっと通ったら火を止め、そのまましばらく置いて味を含ませます。

いとこ煮にする場合は、ゆでた小豆か、市販のゆで小豆を、かぼちゃがやわらかくなったところで加えて、さっと煮からめます。甘さは小豆の味を見てから調整すると、甘くなりすぎません。

冬至のあとの楽しみ方

冬至を過ぎると、昼の時間は少しずつ長くなっていきます。毎日の変化はわずかですが、夕方の明るさを一週間ごとに見比べると、年明けごろには日の入りが遅くなっていることに気づくはずです。昼の影の長さを、同じ場所、同じ時刻に測って記録してみるのも、冬至から春への動きを実感できる楽しみ方です。

冬至の日の楽しみ方(日の入りの時刻を調べて空を見る、ゆずを浮かべてお風呂に入る、かぼちゃや「ん」のつく物を食べる、一年を振り返って書き出す、昼の影の長さを測ってみる)
全部でなくても、一つ取り入れるだけでよい。

まとめ

冬至は、太陽がいちばん南に寄り、北半球で昼がもっとも短くなる日です。日付は12月21日か22日ごろで年によって変わり、寒さの底や日の出・日の入りの極みとは少しずれています。陰がきわまって陽が戻る一陽来復の日として大切にされ、ゆず湯やかぼちゃ、「ん」のつく食べ物、小豆がゆといった習わしには、冬を健やかに越え、運を呼び込みたいという願いが込められています。

最初の一歩として、今年の冬至の日付を暦で確かめ、その日の分のゆずを一つ用意してみてください。湯船にゆずを浮かべるだけでも、季節の区切りをはっきりと感じられるはずです。

よくある質問

冬至の日付は毎年同じですか?

いいえ、12月21日か22日ごろで、年によって変わります。冬至は太陽が天球上の決まった位置に来る瞬間で決まり、暦の一年と地球の公転の周期がぴったり一致しないため、日付が前後します。その年の日付は国立天文台が公表する暦で確かめられます。

冬至は日の出がいちばん遅く、日の入りがいちばん早い日ですか?

日本の多くの地域では、そうではありません。日の入りがいちばん早いのは12月上旬ごろ、日の出がいちばん遅いのは1月上旬ごろで、冬至はその間にある「昼の長さがいちばん短い日」です。地球の軌道が楕円で、自転の軸も傾いていることから、このずれが生まれます。

なぜ冬至にゆず湯に入るのですか?

冬至を「湯治」に、柚子を「融通がきく」にかけた語呂合わせから広まったとされ、江戸時代の銭湯で行われるようになったという説がよく知られています。香りの強い物で邪気をはらうという考え方とも結びついています。

冬至にかぼちゃを食べるのはなぜですか?

かぼちゃは夏にとれますが、保存がきくため、野菜が少なくなる冬に食べられる貴重な作物でした。また、かぼちゃの別名「なんきん」に「ん」が二つ入ることから、運を呼ぶ食べ物とされたとも言われます。

南半球でも冬至は12月ですか?

いいえ。南半球では季節が逆になるので、12月のこの時期は昼がいちばん長い夏至にあたり、冬至は6月になります。オーストラリアなどでは、12月のクリスマスは真夏の行事です。

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