スポンサーリンク
趣味・ホビー

西洋カリグラフィーの始め方|つけペンの選び方とイタリック体の基本ストローク

西洋カリグラフィーを始めたい人に向けて、平ペンと尖ったペンの違い、つけペンのペン先・ペン軸・インク・紙の選び方を紹介します。イタリック体のペン角とペン幅、ガイドライン、基本ストロークから文字を組み立てる手順、字間と語間の整え方、かすれやインクだまりの対処、片付けまでをまとめました。

平ペンとインク、白い紙を並べた机

カードに添える短い言葉や、ノートの見出しを少し丁寧に書いてみたい。そんなとき、西洋カリグラフィーは、線の太さと文字の間隔を意識する練習になります。普段の英字の筆記体が得意でなくても、ペンの形が生む線を確かめるところから始められます。

最初は書体と道具を一組に絞ると、何を直せばよいかが分かりやすくなります。ここでは平らな先端のペンを使うイタリック体を中心に、道具選び、ガイドライン、基本ストローク、文字と余白の整え方を順に扱います。つけペンの準備が難しい日は、専用の平ペン型マーカーでも進められます。

スポンサーリンク

平ペンと尖ったペンは線の太さが変わる仕組みが違う

カリグラフィーは、美しく整えた文字を書く技法です。西洋の文字にも多くの書体があり、すべてを同じペンと動作で書くわけではありません。道具を買う前に、手本の文字がどんな先端から生まれるのかを確認すると、見た目だけで選ぶ失敗を減らせます。

ブロードエッジと呼ばれる平ペンは、先端が幅を持った直線になっています。その刃先のような縁を一定の向きで紙に当て、動かす方向を変えると、紙に残る線の幅が変わります。イタリック体、アンシャル体、さまざまなブラックレターなどで使われますが、書体ごとに角度や比率は異なります。

ポインテッドペンは、先の尖ったペンです。カッパープレートなどで使う柔軟な金属のペン先は、適切な方向へ筆圧を加えると先端の割れが開き、太い線を作ります。軽く動かす線と、圧をかける線の使い分けが基本です。尖ったペン先ならどれでも同じように開くわけではありません。

平ペンでも多少の圧の変化は起こりますが、太線を作るために強く押す必要はありません。逆に、尖ったペンの練習法を平ペンへそのまま当てはめると、先端が紙に引っかかったり、線の縁が崩れたりします。「下向きは強く、上向きは弱く」という説明を見たら、どの道具の話かも確かめます。

書体からペンを選ぶ(平ペンと尖ったペンの比較)
太細を生む仕組みを先に確かめます。

イタリック体は少し傾いた細身の形が特徴ですが、単に活字を右へ倒したものではありません。文字の骨格、太細、線の入り方を、一つの手本に沿って練習します。最初から複数の見本を混ぜると、同じ文字でも幅や傾きが違い、修正の基準が決まりにくくなります。

つながった英字を一筆で書くことも、最初の目標にはしません。カリグラフィーでは、一本の線を引いて止め、ペンを離して次の線を加える場面が多くあります。読みやすい小文字を一字ずつ組み立てる練習から始めると、ゆっくり書くことを不自然に感じずに済みます。

最初の道具は一つの幅と扱いやすい組み合わせに絞る

つけペンで始める場合は、平たい金属のペン先、対応するペン軸、つけペンに使えるインク、紙を用意します。ほかには鉛筆、定規、消しゴム、試し書き用の紙、汚れてもよい敷物、水を入れる安定した容器、柔らかい布があると、練習から片付けまで進めやすくなります。

平ペンやインク、紙などの入門用具
まずは扱いやすい道具を一組

ペン先の幅は、最初なら二〜三ミリ程度の、線の縁を目で追いやすいものが候補です。これは買う際の目安で、小さなカードへ清書するための指定ではありません。細すぎる先端では角度の違いが見えにくく、極端に太い先端では大量のインクや大きな紙が必要になります。

スポンサーリンク

ペン先の取り付け部分には種類があります。見た目が似ていても、手元のペン軸に合うとは限りません。対応が明記された組み合わせや入門用セットなら、最初の確認を減らせます。ストレートのペン軸を基本に考え、尖ったペン向けの斜めの金具が付いた軸を、形だけで選ばないようにします。

インクを保持する小さな金属片が付いたペン先もあります。これはリザーバーなどと呼ばれ、一度につけたインクを少し長く使うための仕組みです。位置や取り外し方は製品で異なるので、最初から分解や調整をせず、説明に沿って使います。うまく流れない原因を、すぐ部品の位置だけに決めないことも大切です。

道具 練習しやすいこと 最初に確かめること
金属の平ペンとペン軸 線の縁、インク量、角度 ペン先と軸の適合、洗浄方法
フェルトの専用平ペン 基本の太細、文字の比率 先端の幅、片面だけ減っていないか
カリグラフィー用万年筆 続けて書く動作 指定インク、ペン先の形と幅
柔軟な尖ったペン 筆圧による太細 対応する書体、先端の弾力

手軽さを重視するなら、フェルトの先端が平らな専用ペンが便利です。補充や洗浄の手間が少なく、紙へ置いた直後から線の向きを練習できます。ただし、一般の蛍光マーカーの斜めの先端は、教材の平ペンと接し方が違うことがあります。カリグラフィー用として幅が示されたものを選びます。

フェルトの先端は、強く押し付けると縁がつぶれて線が丸くなります。途中で太細の差が小さくなったら、握り方だけでなく先端の状態も見てください。つけペンとマーカーで同じ手本を使う場合は、それぞれの実際の幅に合わせて罫線を引き直します。

初回の買い物では、色数やペン先の種類を増やすより、一つの幅で十分な練習面積を確保します。同じ道具で書いた紙が数枚残ると、道具の違いに隠れずに変化を比べられます。慣れてから細い幅を足せば、カードや封筒など、作りたい物に合わせて選びやすくなります。

紙とインクは線の縁と乾き方で相性を見る

紙を選ぶときは、厚さだけで判断しません。厚い紙でも表面の繊維に沿ってインクが広がる場合があり、薄手でも筆記向けの表面処理によって線が締まるものがあります。なめらかで、にじみにくく、ペン先が毛羽を拾いにくい紙を候補にし、少量で試します。

スポンサーリンク

にじみは線の外側へ細い枝のようにインクが広がる現象です。裏抜けは紙の裏へインクが通り、裏写りは紙を透かして文字が見える状態です。それぞれ別の問題なので、表面だけでなく裏面と下敷き用紙も見ます。筆圧を変えてもにじみが続くなら、紙とインクの相性から調べる方が早い場合があります。

コピー用紙はすぐ用意できますが、製品差があります。練習に使うなら、同じ紙へ縦線、横線、曲線、少し長く止めた点を書き、乾いてから観察します。線の縁が保たれ、必要な時間内に乾き、毛羽が絡まなければ、その練習には使えるという判断ができます。高価な紙へすぐ替える必要はありません。

インクは、容器に書かれた用途を先に読みます。つけペン用には乾くと水に強くなる物もありますが、その性質が万年筆に適するとは限りません。手元に万年筆があっても、つけペン用インクを入れてよいとは考えないでください。用途と洗浄の違いは、万年筆インクの基本|染料・顔料・古典インクの違いと補充、洗浄のしかたでも整理しています。

粘度は液体の流れにくさの目安です。さらさらしたインクは先端から多く出ることがあり、粘りが強すぎると流れにくくなります。ただし、紙への広がりには表面張力や紙の吸い込みも関わるため、「濃い色だから粘度が高い」とは限りません。最初は市販の適合するインクをそのまま使い、むやみに水や添加剤を混ぜない方が原因を追いやすくなります。

試し書きは、同じペン先で、紙を一種類ずつ替えて行います。インク、紙、角度を一度に変えると、どれが改善に効いたか分かりません。紙の端に名称か自分用の番号を書き、乾燥後の線の輪郭と裏面を残しておくと、清書する日の選択にも役立ちます。

新品の金属ペン先は、表面の保護のための処理によってインクをはじくことがあります。準備の方法はメーカーの案内を優先し、必要に応じて指定された洗浄を行います。火であぶる、刃物でこする、強い溶剤へつけるといった自己流の処理は、先端や表面を傷めるおそれがあります。

手本用の薄い紙なら、下へ置いたガイドラインを透かせる場合があります。紙が厚く透けないときは、表へ薄く鉛筆線を引きます。消しゴムをかけるのはインクが十分に乾いてからです。乾きの確認は清書部分を指で触らず、同じ紙の試し書きで行うと跡を残しにくくなります。

次のページへペン角と文字の傾きを分けてガイドラインを引く
スポンサーリンク
  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙