ホールパート法の使い方|全体を先に示す話し方の例文、PREP法との使い分け
ホールパート法は、最初に全体の数と項目を示してから部分を説明する話し方です。組み立ての手順、項目の分け方と並べ方、報告・提案・面接の例文、PREP法やSDS法との使い分け、時間配分、メールや資料への応用、よくある失敗の直し方までを順に説明します。

「話が長くて、どこへ向かっているのか分からない」と言われた経験がある人は多いと思います。話の内容そのものに問題がなくても、聞き手に全体の見通しがないと、説明は長く感じられます。
ホールパート法は、最初に全体を示してから部分を説明し、最後にもう一度全体に戻るという、ごく単純な話の組み立て方です。「お伝えしたいことは三つあります」という言い方を聞いたことがあるなら、それがこの方法の代表的な形です。この記事では、なぜこの順番が伝わりやすいのかを押さえたうえで、作り方の手順、部分の分け方、場面別の例文、よくある失敗の直し方までを具体的に説明します。
ホールパート法とは
ホールパート法は、英語の whole(全体)と part(部分)を組み合わせた呼び名です。話を次の三つの段階で組み立てます。

たとえば、来週の社内イベントの準備について、チームで共有する場面を考えます。
来週のイベント準備について、共有したいことが三つあります。会場、当日の役割、予算です。 まず会場です。第二会議室を午後いっぱい確保できました。 次に当日の役割です。受付を佐藤さん、司会を田中さんにお願いします。 最後に予算です。備品代が予定より少し増えそうなので、内訳を見直しています。 以上、会場は確定、役割はこのとおり、予算は見直し中です。金曜までに予算案を共有します。
一段落目で主題と項目の数と項目名を示し、そのあとの部分は「まず」「次に」「最後に」でつなぎ、最後に三つの項目を短く言い直して、次の行動で締めています。特別な言い回しは何もありません。順番を決めるだけで、聞き手は話の道筋をたどりやすくなります。
ここでいう「全体」は、必ずしも結論ではありません。主題と項目の見取り図を示すことが目的です。報告や説明では、「どんな話が、どのくらいの長さであるのか」が伝われば、最初の役割は果たしています。
全体を先に示すと伝わりやすい理由
なぜ最初に全体を示すだけで話が分かりやすくなるのでしょうか。理由は聞き手の側にあります。
話は文章と違って読み返せません。聞き手は聞いた内容を頭に保ちながら、次の内容を受け取っています。この状態で「この話はどこへ向かうのか」「あとどのくらい続くのか」も推測し続けていると、内容を理解する余裕が減ります。先に全体が分かれば、その分の負担がなくなります。

二つ目の「置き場所」は、特に効果の大きな点です。「会場、役割、予算の三つ」と聞いていれば、聞き手の頭の中に三つの箱が用意されたような状態になります。あとから入ってくる情報をどの箱に入れればよいかが分かるので、話の細部を覚えやすくなります。
話す側にも利点があります。項目を先に口に出すので、途中で話が脱線しても戻る先があります。また、準備の段階で項目を整理することになるので、自分の考えの抜けに気づくことができます。
反対に、先に全体を示さない話し方は、推理小説のように最後まで読まないと分からない構造になりがちです。雑談や物語ならそれでよいのですが、仕事の説明では聞き手は別の仕事を抱えながら聞いています。話の途中で「結局何の話か」を考えさせないことが、相手の時間を大切にすることにつながります。
PREP法・SDS法との違いと使い分け
話の型としては、PREP法やSDS法もよく知られています。どれが優れているということではなく、伝えたい内容の形が違います。
| 型 | 順番 | 向いている内容 | 代表的な場面 |
|---|---|---|---|
| ホールパート法 | 全体→部分→全体 | 項目が複数ある情報 | 共有、業務説明、プレゼンの構成 |
| PREP法 | 結論→理由→例→結論 | 一つの結論と根拠 | 提案、意見、相談、遅延の報告 |
| SDS法 | 要約→詳細→要約 | 一つの話の概要と詳細 | 簡単な説明、ニュース的な報告 |
見分けるときは、話の中心にあるものを考えます。「私はこう思う」「こうしてほしい」という一つの主張があるならPREP法が合います。それに対して、「知っておいてほしいことが複数ある」ならホールパート法が合います。SDS法は全体と詳細という点でホールパート法に近いのですが、ホールパート法のほうが「項目に分けて数を示す」点を重視します。詳しい使い方は、PREP法とは?使い方と例文とSDS法とDESC法の使い方でそれぞれ説明しています。
実際の場面では、これらは組み合わせて使えます。プレゼン全体をホールパート法で組み立て、各項目の説明をPREP法で話すという形です。











