おでんの煮方|だしの取り方、具材の下ごしらえと入れる順番、煮崩れさせない火加減
練り物・揚げ物の扱い:油抜きと形を保つ工夫
ちくわ、さつま揚げ、ごぼう巻き、つみれ、はんぺんといった練り物や、厚揚げ、がんもどきといった揚げ物は、おでんのうま味の中心です。ただし扱い方を間違えると、つゆが油っぽくなったり、膨らんだあとにしぼんで固くなったりします。
油抜き
揚げてある練り物や厚揚げは、ざるに並べて熱湯を回しかけ、表面の油を落とします。これを油抜きと呼びます。油抜きをすると、つゆに油が浮きにくくなり、表面に味がしみやすくなります。量が多いときは、沸騰した湯にさっとくぐらせてもかまいません。ちくわやはんぺんのように揚げていない練り物は、油抜きをしなくても大丈夫です。
膨らんで縮むのはなぜか
練り物は、魚のすり身に空気や水分を含ませて形を作っています。高い温度で煮ると、中の空気や水分がふくらんで一度大きく膨らみますが、火から下ろして温度が下がると、そのぶん縮んでしまいます。このとき、たんぱく質も熱で締まって固くなるため、表面にしわが寄った固い食感になります。
これを防ぐには、練り物を入れたら沸騰させないこと、そして長く煮すぎないことの二つが大切です。練り物はもともと火が通った状態で売られているので、温まって味がなじめば十分です。
形を保つ工夫
餅巾着は、油揚げを半分に切って袋状に開き、切り餅を入れて口を爪楊枝で留めるか、水で戻したかんぴょうで結びます。じゃがいもは煮崩れしにくい品種を選ぶか、皮をむいて丸ごと下ゆでしてから、後から入れるようにします。ロールキャベツやウインナーを入れる場合も、形が崩れやすいものは後から入れるのが基本です。
練り物の選び方
練り物は、種類を少しずつ混ぜると、つゆのうま味に厚みが出ます。魚のすり身を揚げたさつま揚げやごぼう巻きは、だしにこくを足します。焼いて作るちくわは香ばしさを、蒸して作るはんぺんはふんわりした食感を加えます。つみれは、いわしなど青魚のすり身を使ったものが多く、独特の風味がつゆに移ります。種類が多すぎると、それぞれの入れる時間を管理するのが難しくなるので、最初は四〜五種類くらいに絞ると扱いやすいでしょう。

具材を入れる順番と煮る時間の目安
おでんの具材は、すべてを最初から一緒に煮るのではなく、「長く煮て味をしみさせたいもの」から順に入れていきます。判断の基準は、火が通るまでにかかる時間と、煮すぎたときに崩れたり固くなったりしやすいかどうかです。

| 入れる順番 | 主な具材 | 煮る時間の目安 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 最初 | 下ゆでした大根、牛すじ、結び昆布 | 1時間前後〜 | 味がしみるのに時間がかかる |
| 最初 | ゆで卵、こんにゃく、しらたき | 1時間前後〜 | 長く煮ても形が崩れにくい |
| 途中 | 厚揚げ、がんもどき、さつま揚げ、ごぼう巻き | 20〜30分ほど | 味を含ませたいが、煮すぎると固くなる |
| 途中 | ちくわ、つみれ、たこ、下ゆでしたじゃがいも | 15〜20分ほど | 温まれば十分。長く煮ると崩れる・固くなる |
| 最後 | ちくわぶ、餅巾着 | 10〜15分ほど | 煮すぎると溶けたり餅が流れ出たりする |
| 食べる直前 | はんぺん | 数分 | すぐ膨らみ、煮すぎるとしぼむ |
時間はあくまで目安で、鍋の大きさやつゆの温度によって変わります。慣れないうちは、最初に入れる具材を煮始めたら、残りの具材を「途中」「最後」「食べる直前」の三つの皿に分けて並べておくと、入れ忘れや入れすぎを防げます。
ちくわぶは、小麦粉を練ってゆでたもので、関東のおでんではおなじみの具です。長く煮ると表面が溶けてつゆにとろみが出るので、つゆを澄ませたいときは別の鍋で下ゆでしてから加えるか、食べる分だけ後から入れます。
鍋に具材を入れるときは、大根や卵など重いものを底に、練り物を上のほうに置くと、混ぜなくても全体が均一に温まります。具材がつゆから大きく出ている場合は、落としぶたをするか、ときどきつゆを上からかけて乾かないようにします。具材を詰め込みすぎると温度が上がりにくく、煮える時間にむらが出るので、鍋の大きさに合わせて量を調整しましょう。











