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料理・食

おでんの煮方|だしの取り方、具材の下ごしらえと入れる順番、煮崩れさせない火加減

火加減:沸騰させない理由と保ち方

おでんの火加減は、ひとことで言えば「沸騰させない」です。つゆの表面がゆらゆらと揺れ、ときどき小さな泡が上がるくらいの状態を保ちます。温度でいうと、沸騰よりも少し低いあたりです。

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沸騰させると何が起こるか

つゆを沸騰させると、次のようなことが起こりやすくなります。

  1. 練り物が膨らみ、冷めるときに縮んで固くなる。
  2. 大根やじゃがいもが泡と対流でぶつかり合い、角が崩れる。
  3. 崩れた具や溶け出したでんぷん、たんぱく質でつゆが濁る。
  4. 水分が早く減って、つゆが濃くなる。
  5. かつお節の香りが飛んで、だしの風味が弱くなる。

どれも、温度を下げれば起こりにくくなることばかりです。おでんの鍋が「静かに湯気を上げている」状態になっていれば、火加減は合っています。

火加減を保つコツ

ガスコンロの場合は、最初に中火で温め、煮立つ手前で弱火に落とします。弱火でも温度が上がっていくようなら、ふたを少しずらして熱を逃がします。IHクッキングヒーターの場合は、保温や煮込みの設定を使うと温度を一定に保ちやすくなります。土鍋は熱をため込みやすく、火を弱めたあとも温度がしばらく上がり続けるので、早めに火を落とすのがこつです。土鍋の使い始めや扱い方は土鍋の扱い方にまとめています。

途中でつゆが減ってきたら、だしか水を足します。冷たい水を一度にたくさん足すと温度が大きく下がるので、少しずつ足すか、別に温めたものを加えます。具材を足したときも同じで、一度に入れずに分けて入れると、温度が落ちすぎません。

鍋の選び方

おでんに向いているのは、口が広くて深さのある鍋です。具材を重ねすぎずに並べられ、つゆに具がしっかり浸かる深さがあると、温度のむらが出にくくなります。家庭の量なら、直径24センチ前後の両手鍋や土鍋が使いやすい大きさです。厚手の鍋は熱をゆっくり伝えるので、弱火を保ちやすく、具材の表面だけが先に煮えてしまうのを防げます。

浅いフライパンや小さな片手鍋で作ると、具材がつゆから出やすく、少しの火加減の違いでつゆが煮立ってしまいます。どうしても小さな鍋しかない場合は、具材の量を減らして、つゆを多めに張るようにします。仕切りのある専用のおでん鍋は、具材ごとに場所を分けられるので、入れる時間をずらしやすいという利点があります。

アクが浮いてきたら、お玉やアク取りですくいます。牛すじや練り物を入れた直後に出やすいので、入れてからしばらくのあいだはこまめに様子を見ます。つゆを澄ませたい場合は、具材を入れる前に下ごしらえで十分にアクを抜いておくことのほうが効果的です。

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味をしみさせる「置く時間」

おでんは、煮ている時間だけでなく、火を止めて置いておく時間にも味がしみていきます。具材の中に調味料が入っていくのは時間のかかる動きで、煮込みを続けなくても、つゆに浸かっているあいだは少しずつ味が入っていきます。火を止めてしまえば、煮崩れや練り物の固まりは進みません。

そのため、大根や卵、こんにゃくといった長く煮る具材は、ひととおり煮たら一度火を止めて数時間置き、食べる前にもう一度温め直すと、短い煮込み時間でも味がよくしみます。朝や昼に煮ておいて夕食に温め直す、という段取りにすると、仕上がりも段取りも楽になります。

ただし、置いておく時間が長くなる場合は、温度に注意が必要です。煮物やカレーのように大きな鍋でたくさん作った料理は、常温でゆっくり冷めていくあいだに、熱に強い菌が増えやすい温度帯を長く通ることが知られています。夏場はもちろん、冬でも暖房の効いた部屋に鍋ごと一晩置いておくのは避けます。

鍋のまま常温で一晩置くのは避け、食べきれない分は粗熱を早めに取ってから冷蔵庫に入れましょう。温め直すときは、中心まで十分に熱くなるように温めます。においや糸を引くような変化があるときは、もったいなくても食べないでください。

味しみを優先するなら、次の流れがおすすめです。具材を煮たら火を止め、ふたをして室温で粗熱が取れるまで置きます。そのあと冷蔵庫に移し、食べる前に鍋で温め直します。この方法なら、置く時間をとりながら、安全面でも安心できます。

味しみと安全を両立させる流れ(1. 長く煮る具を煮る、2. 火を止めて置く、3. 冷蔵庫で休ませる、4. 温め直して足す)
置く時間は、冷めたら冷蔵庫で取る。

よくある失敗と直し方

おでんでよくあるつまずきを、原因と次からの防ぎ方とあわせて整理します。

大根に味がしみない

いちばん多い悩みです。原因は、下ゆでが足りずに中が固いまま、もしくは煮込みと置く時間が短いことがほとんどです。竹串がすっと通るまで下ゆでしてから鍋に入れ、一度冷ましてから温め直すと、中まで色がつきやすくなります。厚く切りすぎている場合は、次からは2センチ前後にすると扱いやすくなります。

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つゆが濁る

沸騰させた、大根やじゃがいもが崩れた、ちくわぶを長く煮た、アク抜きが足りない、といった原因が考えられます。濁ってしまったつゆを完全に澄ませるのは難しいので、次からは火加減を弱め、崩れやすい具材やちくわぶを後から入れるようにします。味には大きな問題がないことが多いので、そのまま食べてもかまいません。

練り物が固い・しわしわになる

沸騰させたか、最初から長く煮すぎたことが原因です。練り物は途中から入れ、温まったら食べるくらいの気持ちで扱います。一度縮んで固くなったものは元には戻りにくいので、細かく刻んで炊き込みご飯の具にするなど、別の料理に回すのも一つの方法です。

つゆがしょっぱい・甘すぎる

練り物の塩分や煮詰まりで、だんだん濃くなっていきます。だしか水を少しずつ足して味を見ながら薄めます。甘すぎる場合も、だしで薄めてからしょうゆと塩で整えます。次から作るときは、最初の味付けを控えめにし、仕上げで調整するようにします。

卵の白身がかたくゴムのようになる

卵は長時間煮ると白身が締まって弾力が強くなります。気になる場合は、卵を途中から入れて、置く時間で味をしみさせるようにすると、白身のかたさがおさえられます。

失敗したときに見直すところ(つゆを沸騰させていなかったか、大根の下ゆでは十分だったか、練り物を最初から入れていないか、最初の味付けが濃すぎないか、置く時間をとったか)
多くは火加減と入れる時間で防げる。

翌日までの保存と温め直し

おでんは作った翌日のほうが味がなじんでおいしい、とよく言われます。ただ、そのぶん保存の仕方には気を配りたいところです。

保存のしかた

食べ終わって残ったおでんは、鍋のまま置いておかず、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れます。大きな鍋は冷めるまでに時間がかかるので、浅めの保存容器にいくつかに分けると早く冷めます。具材がつゆから出ていると乾いて固くなるので、つゆごと保存し、具材が浸かるようにしておきます。

保存できる日数は、季節や冷蔵庫の状態、作ったときの衛生状態で変わるため、はっきりとは言えません。翌日から翌々日くらいまでに食べきるつもりで量を決めるのが安心です。練り物やはんぺんは日がたつと風味が落ちやすいので、多めに作る場合は、練り物を一度に全部入れず、食べる日ごとに足していくのもよい方法です。

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温め直しのしかた

温め直すときは、鍋に必要な分だけ移して火にかけ、全体が十分に熱くなるまで温めます。このときも沸騰させず、弱火でゆっくり温度を上げると、練り物が縮みにくくなります。つゆが減っていたら、だしか水を足して味を整えます。電子レンジで温める場合は、つゆを一緒に入れてラップをかけ、途中で一度上下を返して温めむらを防ぎます。

残ったつゆは、うどんを煮たり、炊き込みご飯の水分に使ったり、溶き卵でとじて雑炊にしたりできます。具材のうま味が溶け出しているので、だしとしてとても使いやすいものです。

冬の鍋料理全般の段取りや、締めの考え方については、鍋料理をおいしく作るコツもあわせて読んでみてください。

まとめ

おでんは、昆布とかつお節のだしを薄めに整え、大根や卵、こんにゃくといった長く煮る具材を先に、練り物は途中から、はんぺんは食べる直前に入れるのが基本です。つゆは沸騰させず、表面がゆらゆらする程度の火加減を保ちます。火を止めて置く時間にも味はしみていくので、一度冷ましてから温め直すと、短い煮込みでも味がよく入ります。

最初の一歩としては、大根を2センチほどの輪切りにして米のとぎ汁で下ゆでし、だしで煮て一度冷ますところから試してみてください。大根に色がしみていく様子がわかると、ほかの具材の扱い方も自然とつかめてきます。

よくある質問

おでんの具はどの順番で入れればよいですか?

下ゆでした大根、ゆで卵、こんにゃく、牛すじなど長く煮てよいものを先に入れ、練り物や厚揚げは後から、はんぺんや餅巾着は食べる少し前に入れるのが基本です。火が通るまでの時間と、煮すぎたときに崩れたり膨らんだりしやすいかで分けて考えると迷いにくくなります。

大根の下ゆでは米のとぎ汁でないといけませんか?

とぎ汁がなくても、水に米をひとつまみ加えてゆでれば同じように使えます。米のでんぷんが大根のえぐみや苦みをやわらげるとされる方法で、真水でゆでても煮込めば食べられますが、すっきりした味にしたいときに役立ちます。

おでんを煮ている途中で沸騰させてしまいました。どうなりますか?

練り物が膨らんでから縮んで固くなったり、大根やじゃがいもの角が崩れてつゆが濁ったりしやすくなります。気づいた時点で火を弱め、表面がゆらゆらする程度に戻せば、それ以上の変化はおさえられます。

おでんは何日くらい持ちますか?

季節や保存方法で変わるため、日数ははっきり言えません。粗熱を早めに取って冷蔵庫に入れ、食べる分をしっかり温め直すのが基本で、翌日から翌々日くらいまでに食べきるつもりで作ると安心です。においや糸を引くような変化があれば食べないでください。

つゆがしょっぱくなったときはどうすればよいですか?

だしか水を少しずつ足して味を見ながら薄めます。練り物から塩分が出るので、煮始めのつゆは薄めに作り、最後に味を見て整えるほうが失敗しにくくなります。

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