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歴史・文化

お歳暮の由来と贈り方|贈る時期の地域差、のし紙の書き方、喪中や遅れたときの寒中見舞いまで

お歳暮は、年の暮れに祖先の霊へ供え物を届けた習わしが、お世話になった人への年末のあいさつに変わったものです。由来と移り変わり、贈る相手と時期の地域差、品物と金額の考え方、のし紙と表書き、持参と配送の違い、喪中や遅れたときの対応、お礼状とやめ方までをまとめました。

紅白の紐を掛けた贈り物の箱とみかん、松の小枝

12月が近づくと、百貨店やスーパーの売り場に「お歳暮」の文字が並びます。毎年なんとなく実家や仕事先に品物を送っている人も、今年初めて贈る側になった人も、「いつまでに届けばいいのか」「のし紙には何と書くのか」「喪中の年はどうするのか」と、細かいところで迷うことが多い行事です。

お歳暮は、もともと年の暮れに先祖の霊を迎えるための供え物を、親や本家のもとへ持っていく習わしでした。それがいつのまにか、一年間お世話になった人へのお礼のあいさつに形を変えて、いまに続いています。この記事では、お歳暮の由来と移り変わりから、贈る相手と時期、品物と金額の考え方、のし紙の書き方、持参と配送の違い、喪中や遅れたときの対応、受け取ったときのお礼とやめ方までを順に見ていきます。

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お歳暮とは何か|由来と移り変わり

「歳暮」は、文字どおり「年の暮れ」を意味する言葉です。本来は年末という時期そのものを指していましたが、その時期に行う贈答の習わしを指すようになり、いまでは「お歳暮」というと贈り物のことを思い浮かべる人がほとんどでしょう。

年の暮れの「御霊祭り」と供え物

お歳暮の始まりとしてよく挙げられるのが、年の暮れから正月にかけて先祖の霊を迎えてまつる「御霊祭り(みたままつり)」です。かつては、お盆と同じように年末にも先祖をまつる考え方があり、分家の人や嫁いだ子どもが、塩鮭や塩ぶり、餅などの供え物を本家や親のもとへ持っていきました。

年末にあいさつ回りをしながら品物を届けることは「歳暮回り」と呼ばれ、届けた供え物は、年神様や先祖に供えたあと、家族や親族で分けていただいたといわれています。いまでもお歳暮に新巻鮭や数の子、餅などの正月用の食べ物が選ばれることがあるのは、こうした供え物の名残と考えられています。

江戸の盆暮れと、商家の付け届け

江戸時代には、ふだんの買い物を「掛け売り(つけ)」にして、お盆と年末にまとめて支払う商習慣が広がっていました。年末の支払いに合わせて、商人が得意先へ品物を持ってあいさつに行ったり、武士や町人が日ごろ世話になっている相手へ品物を届けたりすることが、年末の行事として根づいていったといわれます。

「盆暮れの付け届け」という言い方が残っているように、お盆と年末は、一年のうちで人間関係を確かめ直す節目でした。夏のお中元と冬のお歳暮が一対で語られるのは、この二つの時期がもともと決済とあいさつの時期だったことにも関係しています。

明治以降、百貨店とともに広がる

明治時代以降、都市部に百貨店ができると、年末の贈答品を売り出す「歳暮商戦」が行われるようになり、お歳暮は親族の行事から、会社の取引先や恩師、仲人などへ贈る社会的な習慣へ広がっていきました。配送の仕組みが整うと、自分で持っていく代わりに店から直接送る形が一般的になり、いまに至ります。

お歳暮の移り変わり(1. 年の暮れの供え物、2. 盆暮れの付け届け、3. 百貨店の歳暮商戦、4. 配送で贈るあいさつ)
供え物から、年末のお礼のあいさつへ。

こうした成り立ちを知っておくと、お歳暮が「お祝い」ではなく「一年のお礼と、来年もよろしくというあいさつ」だということが分かります。この性格は、喪中のときの扱いや、のし紙の選び方を考えるときにも手がかりになります。

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誰に贈るか|贈り先の考え方

お歳暮は、贈らなければならない相手が決まっているものではありません。誰に贈るかは、家どうしの付き合い方や地域の習慣、勤め先の決まりによってかなり違います。ここでは、よく贈られる相手と、贈る前に考えておきたいことを整理します。

よく贈られる相手

家族や親族では、自分の両親や配偶者の両親、本家や親しい親戚に贈る人が多く見られます。結婚したときに仲人を立てた場合は、結婚後しばらくのあいだ仲人へ贈る習慣もあります。そのほか、恩師、習い事の先生、日ごろ世話になっている知人、仕事の取引先なども贈り先になります。

いずれの場合も共通するのは、「この一年、お世話になった」と感じる相手であることです。形式的に数を増やすより、本当にお礼を伝えたい相手に絞って、品物を丁寧に選ぶほうが気持ちが伝わります。

一度贈ると続けるのが前提になる

お歳暮は、毎年続けて贈るあいさつだと考えられています。ある年だけ贈って翌年からやめると、相手によっては「何かあったのか」と気にすることがあります。特にお世話になったのが一度きりの場合は、お歳暮ではなく、表書きを「御礼」にした贈り物にするほうが自然です。

迷う場合は、まず手紙やカードでの年末のあいさつにとどめ、関係が続きそうなら翌年から品物を添える、という順番にしても失礼にはなりません。

勤め先の決まりで受け取れない相手もいる

仕事の取引先へ贈るときは、自分の会社と相手の会社の決まりを先に確かめます。社内の規程で、取引先との贈答を断っている会社は少なくありません。公務員や、立場上贈り物を受け取れない職種の人もいます。

受け取れない相手に贈ってしまうと、相手に返送や報告の手間をかけてしまいます。仕事関係のお歳暮は、個人の判断で始めず、上司や総務の担当者に慣例を聞いてから手配すると安心です。

贈り先を決める前の確認(この一年、実際にお世話になった、来年以降も贈り続けられる、相手の勤め先で受け取れる、家族で贈り先を重ねていない、お中元との釣り合いを考えた)
数より、続けられる相手かどうか。

夫婦や家族で贈る場合は、同じ相手に別々に贈っていないかも確かめておきます。連名で一つにまとめるのか、それぞれの実家にはそれぞれが手配するのか、家の中で決めておくと毎年の手配が楽になります。

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贈る時期と地域の違い

お歳暮でいちばん迷いやすいのが、いつ届けるかです。もともとの考え方と、現在の目安、地域による違いを分けて見ておくと、判断しやすくなります。

もとは「正月事始め」の12月13日から

お歳暮は、正月の準備を始める「正月事始め」の12月13日から、12月20日ごろまでに届けるものとされてきました。正月事始めは、すす払いや松迎えなど、年神様を迎える支度を始める日です。年の暮れの供え物という成り立ちから考えると、正月の準備が始まってから届けるのが筋だった、ということになります。

すす払いと正月事始めについては、すす払いと大掃除の由来|12月13日の正月事始めから、年神様を迎える段取りと場所ごとの順番までで詳しく紹介しています。

現在は全体に早まっている

現在は、年末の忙しい時期を避けるため、12月上旬から贈る人が増えています。売り場によっては11月中から受け付けが始まり、早めに届けることが「早割」のような形で広がったこともあって、全体として時期は早まる傾向にあります。

一方で、あまり早すぎると「お歳暮」というより、ただの贈り物のように受け取られることもあります。一般的には、12月上旬から20日ごろまでに届くように手配すると、どの相手にも失礼になりにくいでしょう。年末ぎりぎりは、相手が帰省や旅行で家を空けたり、正月の準備で忙しかったりするので、避けるのが無難です。

関東と関西で始まりの時期が違うといわれる

お歳暮の時期は、地域によって違いがあるといわれます。よく挙げられるのは、関東では12月初めごろから、関西では昔ながらの12月13日ごろから贈るという違いです。九州や北海道などでも、それぞれの地域の慣習があります。

ただし、これらはあくまで傾向で、同じ地域でも家や世代によって考え方はさまざまです。相手の住む地域の慣習が分からないときは、12月10日から20日ごろのあいだに届くようにすると、早すぎも遅すぎもしない範囲に収まります。

届く時期 表書き 考え方
12月上旬〜20日ごろ 御歳暮 現在の一般的な目安
12月20日すぎ〜大みそか 御歳暮 届いても失礼ではないが、相手の予定に配慮
年明け〜松の内 御年賀 年内に間に合わなかったとき
松の内明け〜立春の前日ごろ 寒中御見舞(目上には寒中御伺) 松の内にも間に合わないとき

松の内は、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとする地域が多いといわれますが、これも地域や家によって違います。相手の地域の習慣に合わせて考えます。

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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙