お歳暮の由来と贈り方|贈る時期の地域差、のし紙の書き方、喪中や遅れたときの寒中見舞いまで
品物の選び方
お歳暮の品物は、何を選んでも決まりに反することはありません。ただ、年末という時期と、受け取る家の暮らしを考えると、喜ばれやすい品物と困らせやすい品物があります。
「消えもの」が選ばれやすい理由
お歳暮には、食べ物や飲み物、洗剤や調味料など、使えばなくなる「消えもの」がよく選ばれます。毎年続く贈り物なので、置き物や食器のように形に残る物を贈ると、年を重ねるごとに置き場所に困らせてしまうからです。
年末から正月にかけては家族が集まる機会が多く、来客もあります。人数で分けやすい菓子や、正月の食卓に出せる食品、日持ちのする調味料などは、使い道を考えやすい品物です。
相手の暮らしに合わせて考える
同じ品物でも、相手の家族構成や暮らし方によって、ありがたさが大きく変わります。一人暮らしや高齢の夫婦に大きな箱の生ものを贈ると、食べきれずに困らせることがあります。小さな子どもがいる家には、家族みんなで楽しめる物が向いています。
冷凍や冷蔵の品物は、受け取る側の冷凍庫や冷蔵庫に空きが必要です。年末は正月用の食材で冷蔵庫がいっぱいになりやすいので、生ものを贈るなら、事前にひとこと伝えておくか、届く日を相手の都合に合わせると親切です。
| 品物の種類 | 向いている相手 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 菓子・焼き菓子 | 家族の多い家、来客の多い家 | 日持ちと個包装かどうか |
| 調味料・乾物 | 料理をよくする家 | 好みの分かれる味を避ける |
| 飲み物 | 好みを知っている相手 | お酒は飲む人がいるかを確かめる |
| 生鮮品・冷凍品 | 人数が多く、保存場所がある家 | 届く日と保存場所を相手に確認 |
| 日用品(洗剤など) | 実用品を好む相手 | 香りや種類の好み |
気にする人がいる品物
贈り物の言い伝えとして、目上の人に履物や靴下などの足に関わる物を贈ると「踏みつける」意味になる、刃物は「縁を切る」につながる、といった考え方があります。時計や筆記用具は「もっと勤勉に」という意味に受け取られる、という説もあります。
いまでは気にしない人も多いのですが、お歳暮は目上の人に贈ることが多い贈り物です。迷うときは、こうした言い伝えのある物は避けておくと、余計な心配をせずに済みます。

金額の考え方
お歳暮の金額には、決まった額はありません。相手との関係、これまでの付き合い、地域の慣習で考えるものです。売り場では価格帯ごとに品物が並んでいるので、そのなかから選ぶ人がほとんどでしょう。
毎年同じくらいの金額を続ける
金額で大切なのは、毎年同じくらいの水準を続けることです。お歳暮は毎年贈るものなので、最初の年に無理をして高い品物を選ぶと、翌年から下げにくくなります。逆に、ある年から急に金額が下がると、相手に気を使わせることがあります。
最初に贈るときは、「この金額なら毎年続けられる」と思える範囲で決めるのが基本です。家計の事情で少しずつ下げたいときも、急に大きく変えず、品物の種類を変えるなどして目立たないようにします。
高すぎる品物は相手の負担になる
お世話になった気持ちを込めたいあまり、高価な品物を選ぶと、かえって相手の負担になることがあります。受け取った側がお返しを考えなければならないと感じたり、次に会うときに気を使ったりするからです。
お歳暮は、一年のお礼を「形にしたあいさつ」です。相手が気楽に受け取れる程度の品物のほうが、関係を長く続けやすくなります。
お中元との釣り合い
お中元とお歳暮の両方を贈っている相手には、お歳暮をお中元と同じか、少し高めにするのが一般的だといわれます。お歳暮は一年の締めくくりのあいさつなので、夏よりも少し丁寧にするという考え方です。
どちらか一つだけにしたい場合は、一年のお礼を兼ねるお歳暮を残す人が多いようです。お中元だけを贈って、お歳暮を贈らないと、一年の締めくくりのあいさつがない形になるからです。
のし紙と表書き
お歳暮の品物には、のし紙(掛け紙)をかけるのが一般的です。売り場や通信販売でお歳暮として注文すると、ほとんどの場合はのし紙を付けてくれますが、どんなのし紙が付くのかを知っておくと、注文のときに迷わずに済みます。
水引は紅白の蝶結び
お歳暮には、紅白の水引で「蝶結び(花結び)」にしたのし紙を使います。蝶結びは何度でも結び直せることから、「何度あってもよいこと」に使う結び方です。毎年続けるお歳暮は、これに当たります。
結び切りやあわじ結びは、結婚祝いやお見舞いなど、「一度きりにしたいこと」に使う結び方です。お歳暮には使いません。水引の結び方や色の意味は、のし袋と水引の基本|結び方の意味、色と本数、表書きと中袋の書き方でまとめています。
表書きと名前の書き方
水引の結び目の上、中央に「御歳暮」または「お歳暮」と書きます。結び目の下には、表書きよりやや小さく、贈り主の名前を書きます。個人なら名字だけでも構いませんが、フルネームにすると、同じ名字の親族が多い場合でも誰からか分かりやすくなります。
夫婦で贈る場合は、夫の名前を中央に書き、その左に妻の名前だけを並べる書き方が一般的です。会社として贈る場合は、名前の右上に会社名を小さく書き、中央に役職と名前を書きます。
生ものには「のし」を付けない
のし紙の右上に付いている飾りが「のし」です。もとは薄くのばしたあわびを干した「のしあわび」で、生ものの代わりの縁起物として贈り物に添えられていました。そのため、魚や肉などの生ものを贈るときは、のしが重なってしまうので、のしの付かない掛け紙を使うのが本来の考え方です。
売り場で「生ものです」と伝えると、のしの付かない掛け紙を選んでくれることが多いので、注文のときに確かめておくとよいでしょう。
外のしと内のし
のし紙を包装紙の上からかける「外のし」と、品物に直接のし紙をかけてから包装する「内のし」があります。持参して手渡すときは、ひと目で目的が分かる外のし、配送するときは、運ぶあいだにのし紙が汚れたり破れたりしにくい内のしが選ばれることが多いようです。











