クリスマスの由来|12月25日になった理由、聖ニコラウスとサンタクロース、ツリーとリースの始まり
国ごとに違う祝い方と日付
1月7日に祝う教会
ロシアやセルビア、ジョージア、エチオピアなどの教会では、クリスマスを1月7日(現在の暦で)に祝います。これは祝う日が違うのではなく、日付を数える暦が違うためです。
16世紀に、それまでのユリウス暦のずれを直したグレゴリオ暦が作られました。多くの国が新しい暦に切り替えましたが、東方正教会の一部は、教会の行事を今もユリウス暦で数えています。ユリウス暦の12月25日は、現在のグレゴリオ暦では1月7日にあたります。一方、ギリシャなどの正教会では、改めた暦を使って12月25日に祝っています。
12日間のクリスマスと公現祭
教会の暦では、クリスマスは一日で終わりません。12月25日から1月5日までを「クリスマスの12日間」と数え、1月6日は「公現祭(エピファニー)」として、東方の三博士が幼子キリストを訪ねたことを記念します。
スペインや中南米の一部では、1月6日に三博士が子どもたちに贈り物を届けるとされ、この日が贈り物の本番です。フランスでは、公現祭のころに中に小さな陶器の人形を入れた焼き菓子を切り分け、人形が当たった人がその日の王様になるという楽しみ方があります。
家族の祝日とボクシングデー
欧米では、クリスマスは家族が集まって静かに過ごす祝日という性格が強く、24日の夜から25日にかけて店や交通機関が休みになる地域も多くあります。イギリスなどでは12月26日を「ボクシングデー」と呼び、かつて使用人や配達人に贈り物の箱を渡した習慣に由来すると説明されます。
南半球のオーストラリアなどでは、クリスマスは真夏です。浜辺でバーベキューをして過ごす家庭も多く、「雪とトナカイ」のイメージとは違うクリスマスがあることも覚えておくと面白いでしょう。
日本のクリスマスの歩み
16世紀の最初の記録と、長い空白
日本でクリスマスが祝われた最初の記録は、16世紀半ばにさかのぼります。キリスト教が伝わってまもないころ、宣教師が山口で日本人の信徒とともに降誕祭のミサを行ったと伝えられています。
しかし、江戸時代にキリスト教が禁じられると、表立って祝われることはなくなりました。長崎などの潜伏キリシタンの共同体では、暦をもとにひそかに祝日を守り続けたとされます。
明治以降、商店と家庭から広まる
明治時代に入り、開港地の外国人居留地でクリスマスが祝われると、それを見た日本人にも少しずつ知られるようになりました。明治の後半には、東京や横浜の商店がクリスマス用品を売り出し、店先を飾るようになります。
大正から昭和の初めにかけて、都市の家庭や百貨店、喫茶店を中心にクリスマスの飾りや贈り物が広がりました。戦争中にはいったん下火になりますが、戦後になると、街のにぎわいとともに一気に広まります。
日本らしいクリスマス
日本のクリスマスには、ほかの国ではあまり見られない特徴があります。
- いちごと生クリームのケーキを食べる習慣。洋菓子店が広めたもので、白と赤の色合いが好まれた
- 宗教行事というより、家族や友人、恋人と過ごす年末のイベントとして定着している
- 12月25日を過ぎると、飾りが一斉に正月飾りへと入れ替わる
宗教の行事を、信仰とは別の季節の楽しみとして受け入れるのは、日本ではめずらしいことではありません。ハロウィンや、バレンタインデーなども同じ流れの中にあります。一方で、教会では今も降誕を祝う大切な祝日です。教会のミサや礼拝に参加したい場合は、信者でなくても参加できるかどうかを、各教会の案内で確かめてから訪ねてください。

由来を知って家で楽しむ工夫
飾りに意味を一つ添える
由来を知ると、飾り付けの時間も少し違って見えてきます。たとえば、ツリーに赤い玉の飾りを付けるときに「もとはりんごだった」と話す、先端の星を最後に家族の誰かが載せる、といった小さな工夫で、毎年の飾り付けに物語が生まれます。
本物のりんごを数個つるしてみるのも一つの方法です。小さめのりんごにリボンを結び、重さで枝がたわまないよう、枝の根元に近い太い部分に掛けます。
日付ごとの楽しみを分ける
クリスマスの前後には、いくつかの節目があります。全部を行う必要はありませんが、一つ選んで取り入れると、季節の流れが感じられます。
- 12月6日の聖ニコラウスの日に、子どもの靴に小さなお菓子を入れておく
- 冬至(12月21日か22日ごろ)に、ろうそくやランプの明かりで静かな夜を過ごす
- 24日の日没後を「クリスマスの始まり」として食卓を囲む
- 25日に、年賀状とは別に海外の友人へカードを送る
- 1月6日の公現祭に、残っていたお菓子を分けて季節を締めくくる
正月との切り替えをどうするか
日本では、クリスマスの翌日から正月飾りに切り替える家庭が多くあります。年末の準備に追われるなら、25日の夜か26日に片付けるのが現実的です。教会の暦に合わせて1月6日まで小さな飾りを残しておく楽しみ方もあります。どちらが正しいということはないので、家族の予定と相談して決めてください。正月飾りの意味や飾る期間はお正月の行事と意味|正月飾り・おせち・初詣から片付けまでにまとめています。

宗教的な意味をもつ行事について家族や子どもに話すときは、「〜といわれている」「〜という説がある」と、伝説と記録を分けて伝えると誤解が生まれにくくなります。
まとめ
クリスマスは、イエス・キリストの誕生を記念する祝日です。聖書に日付はなく、12月25日に祝う記録は4世紀のローマから確かめられます。冬至のころの祭りとの関係や、受胎の日から数える計算など、日付が選ばれた理由にはいくつかの説があります。
サンタクロースは、4世紀の聖ニコラウスの伝承が移民とともにアメリカへ渡り、19世紀の詩と挿絵で今の姿になりました。ツリーは中世の「楽園の木」とドイツの家庭の習慣から、リースや柊、ポインセチアはそれぞれ別の地域の習慣から加わったものです。
最初の一歩として、今年はツリーを飾るときに「赤い玉はもとはりんご」「先端の星はベツレヘムの星」と、飾りの由来を一つだけ家族に話してみてください。毎年くり返す飾り付けが、少しだけ違う時間になるはずです。
よくある質問
クリスマスはイエス・キリストの誕生日ですか?
クリスマスはイエス・キリストの誕生を記念して祝う日で、実際に生まれた日付を示すものではありません。新約聖書には誕生の日付が書かれておらず、12月25日に祝う習慣は4世紀ごろのローマで確かめられるようになります。
クリスマスイブはなぜ前の日の夜に祝うのですか?
古い教会の数え方では、一日は日没から始まると考えられていました。そのため12月24日の日没後は、すでにクリスマス当日に含まれます。イブは「前夜」というより「クリスマスの晩」と考えると分かりやすくなります。
サンタクロースのモデルは実在の人物ですか?
4世紀ごろ、今のトルコ南部にあたるミュラの司教だったとされる聖ニコラウスがもとになっています。ただし、そりやトナカイ、北極に住む姿などは、19世紀のアメリカで詩や挿絵を通して加わった要素です。
ロシアなどでクリスマスが1月7日なのはなぜですか?
東方正教会の一部が、今も典礼の日付を古いユリウス暦で数えているためです。ユリウス暦の12月25日は、現在広く使われるグレゴリオ暦では1月7日にあたります。同じ正教会でも、12月25日に祝う教会があります。
クリスマスの飾りはいつ片付ければよいですか?
教会の暦では、クリスマスの季節は12月25日で終わらず、1月6日の公現祭ごろまで続くと考える地域が多くあります。日本では正月飾りと入れ替えるために26日ごろ片付ける家庭も多く、どちらが正しいということはありません。









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