豚汁の作り方|具を炒める順番、味噌の分け入れ方、大鍋で作るときの分量と保存
具ごとの下ごしらえ
豚汁は、下ごしらえの手間で味の差が出ます。大きさをそろえ、必要な具だけに一手間かけます。
切り方
具の大きさは、次の表を目安にします。
| 具 | 切り方 | ひと手間 |
|---|---|---|
| 大根 | 5mm厚のいちょう切り | 皮はやや厚めにむく |
| にんじん | 3〜4mm厚の半月かいちょう切り | 大根より薄めにする |
| ごぼう | ささがき、または斜め薄切り | 水に短くさらす |
| 里芋 | 1cm厚の輪切りか半月切り | 下ゆでか塩もみでぬめりを取る |
| じゃがいも | 一口大 | 水にさらしてから使う |
| こんにゃく | 手でちぎる、またはスプーンで切る | 下ゆでしてにおいを抜く |
| 長ねぎ | 斜め切りか小口切り | 仕上げの直前に入れる |
火が通りにくい順に、小さめ・薄めに切ると、最後にそろってやわらかくなります。にんじんを大根より薄くするのは、にんじんのほうが火が通るのが遅いためです。
ごぼう
ごぼうの香りは皮のすぐ下に多いので、皮はたわしで洗うか、包丁の背でこそげ取る程度にします。厚くむかないのがこつです。
切ったごぼうは、水に短くさらします。さらす時間が長いと香りや味も抜けるので、1〜2分くらいが目安です。茶色い色が気になっても、長く水に浸す必要はありません。色が変わるのは主にごぼうに含まれるポリフェノールの働きで、傷んでいるわけではありません。
ささがきは、香りが立って味もしみやすい切り方です。斜め薄切りは歯ごたえが残るので、食べごたえがほしいときに向いています。
こんにゃく
こんにゃくには独特のにおいがあるので、下ゆでをします。手でちぎるか、スプーンで切り分けると表面に凹凸ができ、味がからみやすくなります。沸いた湯で2〜3分ゆでて、ざるに上げます。アク抜き済みのものでも、下ゆでをするとにおいが少なくなります。
里芋
里芋は皮をむいたあと、塩をふって軽くもみ、水で洗うか、さっと下ゆでをします。ぬめりをある程度落としておくと、汁のふきこぼれやにおいが抑えられます。ぬめりは完全に取らなくてもかまいません。少し残ると、汁にほどよいとろみが出ます。手がかゆくなりやすい人は、手を酢水でぬらしてからむくと和らぐことがあります。
前の日にできること
忙しい日には、切る作業を前の晩に済ませておくと楽です。大根とにんじんは切って保存容器に入れ、冷蔵庫に置いておけます。ごぼうは切ると香りが抜けて色も変わるので、できれば当日に切ります。肉は切らずに冷蔵しておき、当日に切ると、ドリップが出にくくなります。

炒める順番と、その理由
豚汁の味を大きく左右するのが、煮る前の炒めです。ここでは、なぜ炒めるのかと、どの順番で入れるのかを説明します。

炒めると何が変わるのか
炒める目的は三つあります。
一つ目は、肉の脂を出して、ほかの具に移すことです。脂には香りの成分が溶けやすいため、脂と一緒に煮ることで、肉の香りが汁全体に広がります。
二つ目は、加熱による香ばしさです。肉や野菜の表面が少し色づくと、香ばしい成分が生まれ、これが汁に深みを足します。
三つ目は、具の表面に油の膜ができることです。煮崩れが少なくなり、口あたりがなめらかになります。
炒める順番
- 厚手の鍋に油を入れ、中火で熱する。
- 豚肉を入れて広げ、色が変わるまで炒める。
- ごぼうを入れて、香りが立つまで1〜2分炒める。
- 大根とにんじんを入れて、全体に油が回るまで炒める。
- こんにゃくと里芋を加えて、さっと炒める。
ごぼうを早めに入れるのは、火が通るまでに時間がかかることと、炒めると香りが出やすいことの両方が理由です。大根やにんじんは、表面が少し透き通るくらいが目安です。じゃがいもを使う場合は、煮崩れを防ぐために炒めずに、煮る途中で加えてもかまいません。
よくある失敗
肉を一度に鍋へ入れてすぐかき混ぜると、肉が固まったまま、水分が出て蒸し煮のようになります。肉を広げたら少しの間さわらず、片面の色が変わってからほぐします。
バラ肉を使うと脂がたくさん出ます。油は入れずに始めてもかまいません。脂が多すぎるときは、炒めたあとに余分な脂をキッチンペーパーで軽く取ります。
煮る時間とアクの取り方
炒め終わったら、だしを注ぎます。
- だしを注ぎ、強めの中火で沸かす。
- 沸いてきたら、アクを取る。
- 弱火にして、ふたをややずらしてのせる。
- 15分ほど、根菜がやわらかくなるまで煮る。
- 竹串を大根に刺して、すっと通れば煮上がり。
沸騰が続くと汁が濁り、肉も固くなるので、ふつふつと静かに煮ます。ふたをずらすのは、ふきこぼれを防ぐためです。
火加減の見分け
弱火の目安は、鍋のふちから小さな泡が静かに上がり、具がゆらゆらと動く程度です。具が鍋の中で踊るようなら強すぎます。ふたの隙間から勢いよく蒸気が出ているときも、火を少し落とします。弱すぎて泡がまったく出ないときは、根菜がなかなかやわらかくなりません。
アクはどこまで取るか
アクは、最初に沸いたときに集中して出ます。ここで数回すくえば、そのあとに細かく取り続ける必要はありません。脂と一緒に取りすぎると、せっかくのコクも減ってしまいます。茶色く濁った泡だけを取り、透明な脂は残す、くらいが目安です。
アク取りは、おたまを汁の表面に沿わせて動かし、泡をすくい取るときれいに取れます。一回ごとに水を張ったボウルでおたまをすすぎ、新しいアクを移さないようにします。
煮崩れと、水の足し方
煮ている間に水分が減ったら、だしか水を少し足します。味噌はまだ入れない段階なので、水の量は気にせず調整できます。じゃがいもはこの段階の後半で入れると、形を保ちやすくなります。
ふたをして煮ると温度が上がりやすく、噴きこぼれやすくなります。ふたの端を少し開けておくか、やわらかく煮たいときには落とし蓋を使う方法もあります。使い分けは落とし蓋の基本を参考にしてください。










