豚汁の作り方|具を炒める順番、味噌の分け入れ方、大鍋で作るときの分量と保存
味噌を二回に分けて入れる
具がやわらかくなったら、いよいよ味噌です。一度に入れるのではなく、二回に分けます。
なぜ分けるのか
味噌を入れたあとに数分煮ると、具の中に味がしみ込みます。一方で、味噌の香りは加熱を続けると飛びやすくなります。そこで、早い段階の味噌は具に味を入れる役割、最後の味噌は香りを立てる役割と考えます。
- 具がやわらかくなったら、味噌の半量を溶き入れる。
- 弱火で3〜5分、静かに煮る。
- 長ねぎを入れる。
- 味を見て、残りの味噌を様子を見ながら溶く。
- 煮立つ直前に火を止める。
溶くときは、おたまに味噌と少しの汁を取り、菜箸で溶いてから鍋に入れます。味噌こしを使うと、粒が残らず、手早く溶けます。
味噌の種類
| 味噌 | 味の特徴 | 豚汁での扱い |
|---|---|---|
| 米味噌(淡色系) | 香りがよく、くせが少ない | 使いやすい基本の味 |
| 米味噌(赤系) | 塩味とコクがしっかりする | 量を少なめに始める |
| 麦味噌 | 甘みと麦の香りがある | 根菜と相性がよい |
| 豆味噌 | 濃いうま味と渋みがある | 米味噌と合わせると整う |
一種類でもおいしく作れますが、米味噌に麦味噌や豆味噌を少し合わせると、味に奥行きが出ます。甘口の味噌は、辛口に比べて塩分が低いものが多いので、量が多くなります。
仕上げの一手
味噌だけで物足りないときは、仕上げに少し足すと、味がまとまります。
- おろししょうがを少し入れて、後味をすっきりさせる
- 酒粕を小さくちぎって溶かし、粕汁に近い風味にする
- しょうゆを数滴落として、香りを足す
- ごま油を数滴たらして、香ばしさを足す
- 七味唐辛子やゆずの皮を、器に入れてから添える
酒粕の溶かし方は酒粕の使い方で説明しています。
味噌を入れたあとにぐらぐら煮立てると、香りが飛びやすくなります。温め直すときも、沸騰する手前で火を止めるのが基本です。ただし、翌日に残りを温めるときは、後で説明するように中までしっかり加熱します。
味が決まらないときの直し方
豚汁の味がうまくいかないときは、塩気が強いのか、うま味が足りないのか、香りの問題なのかを切り分けます。薄いと感じても、すぐ味噌を足すのが正解とは限りません。うま味が足りないのに味噌だけ足すと、塩辛いだけの汁になります。その場合は、きのこや油揚げを足して数分煮るか、しょうゆを数滴入れて香りを補うほうが、まとまることがあります。
| 状態 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 塩辛い | 味噌が多い、水分が減った | 湯かだしを足し、豆腐や野菜を足す |
| 味がぼやける | 味噌が足りない、炒めが足りない | 少しずつ味噌を足し、しょうゆを数滴 |
| 油っぽい | 脂の多い肉を使った | 表面の脂を取る、しょうがを足す |
| ごぼうくさい | 皮が厚く残る、炒めが少ない | 次回はよく炒める、しょうがを加える |
| 汁が濁る | 強火で煮続けた | 沸騰を抑える。味は変わらない |
| 具が固い | 切り方が大きい、時間が足りない | 味噌を入れる前に十分煮る |
味見は、具も一緒に口に入れて判断します。汁だけで決めると、具と食べたときに薄く感じることがあります。煮立ててすぐの汁は塩味を強く感じにくいので、少し冷まして味見をすると、落ち着いた判断ができます。
味噌を足すときの手順
味が薄いと思っても、味噌を一度に足さないでください。小さじ1ずつ足して、毎回よく混ぜて、具と一緒に確かめます。足したあとは、火を強くしすぎないようにします。
塩辛くなったとき
だしか湯を足すのが基本ですが、味が薄まるぶん、香りも弱くなります。別の鍋で大根やじゃがいもをゆでて足す、豆腐を切って入れる、という方法なら、具が増えて、味が全体に分かれます。
具のアレンジと、季節の楽しみ方
基本の豚汁が作れるようになったら、具を替えて楽しめます。
入れる具の選び方
冬の豚汁に合う具はたくさんあります。
- 白菜:甘みが出て、汁が増えるので水を少なめにする
- 長ねぎをたっぷり:炒めてから煮ると甘みが増す
- さつまいも:甘みが加わる。煮崩れに注意する
- かぼちゃ:汁が甘くなる。薄めの切り方で
- きのこ:しめじやしいたけを足すとうま味が増す
- 油揚げ:油抜きをして加えると、汁を吸っておいしい
- 豆腐:最後に入れ、煮立てないようにする
それぞれ水分の量が違うので、水を多く出す野菜を使うときは、最初のだしを控えめにしておきます。
主食にする
豚汁を一杯で食事にしたいときは、次のような形があります。
- 冷凍うどんを温めて豚汁に入れ、豚汁うどんにする
- 焼いた餅を入れる
- 残ったご飯を入れ、卵を落としておじや風にする
- 残った分にカレールウを少し溶かし、カレー風にする
餅を入れる場合は、のどに詰まらせないように小さめに切り、やけどにも気をつけます。
大鍋で作るときの分量と段取り
人が集まる場で豚汁を作るときは、量が増えた分だけ、家庭の鍋と違う注意が必要です。
分量の目安
10人分なら、4人分の材料を2.5倍にします。ただし、水分は同じ倍率にしなくても足ります。鍋が大きいほど蒸発する割合が少ないからです。だしはやや少なめから始めて、途中で調整します。味噌は4人分の量を単純に倍にせず、8割ほどを入れてから、味見をしながら足します。
人数の目安は、汁もの1人分をおよそ200〜250mlとして見積もります。おかわりがある行事なら、少し多めに考えます。
焦がさないために
大鍋は底が焦げやすく、焦げのにおいが全体に広がります。
- 炒めるときは、具を少しずつ加えて、底をへらでよくこそげる。
- だしを入れるときは、全部を一度に入れず、半分入れて鍋底をこそげてから残りを足す。
- 味噌を入れたあとは、弱火にして、底から時々混ぜる。
- 煮上がったら、火を止めて保温する。長時間の強火を続けない。
大鍋でいちばん気をつけること
大鍋で作った汁ものや煮物で注意したいのが、ウェルシュ菌です。この菌は熱に強い芽胞を作るので、加熱しても生き残ることがあります。大きな鍋はなかなか冷めず、温度が下がる途中で増えやすくなります。そのため、前日に大鍋で作って、そのまま室温で一晩置くのは避けます。
次のことを守ると、リスクを下げられます。
- できるだけ食べる当日に作る
- 前日に仕込むなら、具だけを切っておくところまでにする
- 残った分は浅い容器に小分けして早く冷ます
- 冷蔵庫に入れ、再加熱は中までしっかり行う

残った豚汁の保存と温め直し
豚汁は、翌日の味のなじみがよいとよくいわれます。それだけに、保存の仕方が大切です。
冷蔵の場合
- 鍋を火から下ろし、浅い容器に分ける。
- 粗熱が取れたら、ふたをして早めに冷蔵庫に入れる。
- 翌日までを目安に食べ切る。
鍋ごと冷蔵庫に入れると、周りの食品まで温めてしまい、中心も冷めにくくなります。量が多いときは、ボウルに氷水を張って鍋底を冷やすと、早く温度が下がります。作り置き全般の考え方は作り置きの基本も参考にしてください。
温め直すときのこと
取り出す分だけを小鍋に移して、中までしっかり加熱します。香りを保つなら煮立てないのが理想ですが、翌日以降の汁は、安全を優先して、全体が十分に熱くなるまで加熱します。電子レンジの場合は、途中でかき混ぜて温度のむらをなくします。
一度に全部を温めて余らせると、加熱と冷却を繰り返すことになります。これを避けるためにも、食べる分だけを温めるようにします。温め直して減った分は、味が濃くなるので、少しだしか水を足して整えます。
冷凍の場合
冷凍するなら、1回分ずつ容器や保存袋に入れて、平らにして凍らせます。解凍すると、じゃがいもはぼそぼそになり、豆腐はスポンジ状に、こんにゃくは固くなります。これらは除いて冷凍し、食べるときに足します。解凍は冷蔵庫でゆっくり行うか、鍋で凍ったまま弱火で温めます。
まとめ
豚汁は、味噌汁の具を増やした料理ではなく、肉の脂、根菜の甘み、味噌の香りを順に重ねていく料理です。具の大きさをそろえて、肉とごぼうから順に炒め、静かに煮て、味噌は二回に分けて入れます。この流れを押さえると、毎回の味が安定します。
大鍋で作るときや、翌日に残すときには、早く冷ましてしっかり温め直すことを忘れないようにします。
はじめの一歩としては、次に作るときに、肉とごぼうだけをいつもより長めに炒めて、ふだんの味噌の半分を先に入れてみてください。それだけで、同じ材料でも、具の味のしみ方と香りがはっきり変わります。
よくある質問
豚汁の具は炒めなくても作れますか?
炒めなくても作れますし、脂を抑えたいときや、あっさり仕上げたいときには向いています。ただ、肉の脂で根菜を炒めると、香ばしさとコクが出て、汁の味に厚みが出ます。迷ったら、肉とごぼうだけでも炒めると違いが分かります。
味噌はいつ入れますか?
具がやわらかくなってから入れます。半量ほどを先に入れて弱火で数分煮て具に味を含ませ、残りを火を止める直前に溶くと、味のしみ込みと香りを両立できます。味噌を入れたあとは、ぐらぐらと煮立てないようにします。
味噌はどのくらい使いますか?
だし800mlで4人分なら、大さじ3を入れて味をみて、足りなければ少しずつ足します。味噌の塩分は商品によって違うので、記事の量はあくまで始める目安です。具を煮る前に味を決めず、最後に味見をして整えます。
豚汁は翌日も食べられますか?
すぐ食べない分は、早く冷まして冷蔵庫に入れ、翌日までを目安に、中までしっかり再加熱して食べてください。鍋のまま室温に一晩置くと、ウェルシュ菌などが増えるおそれがあるので避けます。
豚汁は冷凍できますか?
できますが、じゃがいもや豆腐、こんにゃくは解凍すると食感が変わりやすい具です。冷凍するなら、これらを除いた具で保存し、食べるときに足すと仕上がりがよくなります。










コメント
まだコメントはありません。最初の感想をどうぞ。