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歴史・文化

世界の年越しと新年の習慣|大晦日の過ごし方、12粒のぶどう、春節やノウルーズまで

旧暦で祝うアジアの新年

中国、韓国、ベトナムなどでは、旧暦の新年がいちばん大きな祝日です。日付はグレゴリオ暦で毎年変わり、多くの人が故郷に帰って家族と過ごします。

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中国の春節

中国の春節は、旧暦の大晦日の夜から始まり、新年の行事は小正月にあたる元宵節まで続きます。大晦日の夜には家族がそろって食卓を囲み、年越しの食事をとります。この時期に故郷へ帰る人々の大移動は、毎年ニュースになるほどです。

家の入口には、赤い紙に縁起のよい言葉を書いた「春聯」を貼り、「福」の字を逆さまにして貼る家もあります。「逆さま」と「到着する」の発音が同じことから、「福が来る」という意味になるためです。子どもたちは、赤い袋に入ったお年玉「紅包」を受け取ります。

爆竹や花火を鳴らす習わしは、大きな音で悪いものを追い払うという考えに由来するといわれます。ただし、大きな都市では安全や環境の面から、爆竹や花火が禁止・制限されているところも増えています。

韓国のソルラル

韓国の旧暦の新年は「ソルラル」と呼ばれ、前後の日を含めた連休になります。朝には祖先を祀る儀式を行い、そのあと目上の家族に深くお辞儀をして新年のあいさつをする「セベ」を行います。セベを受けた年長者は、若い人にお年玉と励ましの言葉を贈ります。

韓国の伝統衣装を着て過ごしたり、すごろくに似た伝統の遊びを家族で楽しんだりする家庭もあります。

ベトナムのテト

ベトナムの旧暦の新年は「テト」と呼ばれます。もち米や緑豆、豚肉をバナナの葉などで包んで蒸した四角いちまき「バインチュン」を作り、祖先に供えて家族で食べます。四角い形は大地を表すといわれています。

北部では桃の花、南部では黄色い梅に似た花を飾るのが新年の風景です。テトの前には、家の大掃除をして祖先を迎える準備を整えます。年末に家をきれいにして新しい年の神や祖先を迎える流れは、日本のすす払いと大掃除と重なるところがあります。

旧暦の新年の主な習わし(帰省、祖先、赤い色、大掃除)
家族が集まり、祖先と新しい年を迎える。

春や秋に迎える新年

1月1日でも旧暦でもない時期に、新年を迎える文化もあります。季節の節目や宗教の暦と深く結びついているのが特徴です。

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ノウルーズ

ノウルーズは、ペルシャ語で「新しい日」という意味で、春分の日に新年を迎える祝いです。イランをはじめ、中央アジアやコーカサス、南アジアの一部など広い地域で祝われており、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。冬が終わり、自然が目を覚ます時期に一年を始めるという考え方です。

家庭では、ペルシャ語で「ス」の音から始まる七つの品を並べた飾りを整えます。芽を出した麦や、にんにく、りんご、酢などが並び、それぞれに再生や健康、豊かさなどの願いが込められています。新年の前には大掃除をし、最後の水曜日の前夜にたき火を跳び越える行事を行う地域もあります。

ユダヤ教のロシュ・ハシャナ

ユダヤ教の新年「ロシュ・ハシャナ」は、秋の9月から10月ごろに迎えます。一年を振り返り、行いを省みる大切な時期とされています。会堂では、雄羊の角で作った笛「ショファー」が吹き鳴らされます。

家庭では、りんごをはちみつにつけて食べ、「甘い一年になりますように」と願います。丸い形のパンを食べる習わしもあり、一年が丸く巡ることを表しているといわれます。

タイのソンクラーン

タイの伝統の新年「ソンクラーン」は、4月の中旬に迎えます。一年でもっとも暑い時期にあたり、仏像や年長者の手に水をそっとかけて敬意を表し、清める習わしがありました。いまでは街中で人々が水をかけ合う、にぎやかな祭りとして知られています。

エチオピアの新年とヒジュラ暦の新年

エチオピアでは、独自の暦に基づいて、9月の中旬に新年「エンクタタシュ」を迎えます。長い雨季が終わり、黄色い花が咲く季節の訪れを祝います。

イスラム教の人々が使うヒジュラ暦は、月の満ち欠けだけをもとにした太陰暦です。一年がおよそ354日なので、グレゴリオ暦で見ると新年は毎年約11日ずつ早まり、季節とは関係なく巡ります。ヒジュラ暦の新年は、にぎやかに祝うというより、静かに祈りを捧げて迎える地域が多いといわれます。

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国が違っても似ている考え方

ここまで見てきた年越しの習慣は、形はさまざまでも、根っこにある考え方はよく似ています。

大きな音で悪いものを払う

ヨーロッパの花火、中国の爆竹、日本の除夜の鐘のように、新年の訪れを大きな音で告げる習慣は世界中に見られます。古い年にたまった悪いものを追い払い、新しい年を清らかに迎えたいという願いが、共通して込められていると考えられています。

古いものを片付けてから迎える

スコットランドのホグマネイの掃除、ノウルーズの前の大掃除、テトの前の家の片付け、日本のすす払い。新年の前に家をきれいにして、借りを返し、気持ちを整える習慣も、地域を問わず広く見られます。

「最初」で一年を占う

年が明けて最初の訪問者で運を占うファーストフット、硬貨が当たった人が幸運を得るヴァシロピタ。日本にも、初夢、書き初め、初詣のように「初め」を大切にする習慣がたくさんあります。一年の始まりの出来事に、その年全体の行方を重ねて見る考え方です。

形や言葉に願いを重ねる

丸い豆を硬貨に、餃子を財宝に、魚を余裕に見立てる習慣は、日本のおせちの縁起担ぎとよく似ています。食べる行為を通して、言葉にしにくい願いを形にしているといえます。

世界の年越しに共通する四つの考え方(音で払う、片付ける、初めを占う、見立てる)
形は違っても、願いの向きはよく似ている。
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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙