ブリの下ごしらえとぶり大根|寒ブリと出世魚の呼び名、部位の使い分け、霜降りで臭みを抜くコツ
切り身とアラの選び方
切り身を選ぶポイント
切り身は、売り場で見た目から鮮度を判断できます。最もわかりやすいのは血合いの色です。血合いは時間がたつと赤から茶色、黒っぽい色へと変わっていくので、鮮やかな赤みを帯びているものを選びます。

パックの底にたまる赤い汁はドリップと呼ばれ、身から出たうま味と水分です。ドリップが多いものは、切ってから時間がたっているか、温度の変化を受けている可能性があります。
部位ごとの向き不向き
ブリは大きな魚なので、同じ一尾でも部位によって脂の量や食感がかなり違います。
| 部位 | 特徴 | 向く料理 |
|---|---|---|
| 背身 | 脂は控えめで、身が締まっている | 刺身、塩焼き、しゃぶしゃぶ |
| 腹身(ハラス) | 脂が多く、やわらかい | 照り焼き、塩焼き |
| 尾に近い身 | 筋がやや多く、身が締まっている | 煮付け、竜田揚げ |
| カマ | えらの後ろの部分。脂とゼラチン質が多い | 塩焼き、煮付け |
| アラ(頭・中骨) | 骨からうま味が出る | ぶり大根、あら汁 |
アラは、魚をさばいたときに出る頭や中骨、カマなどをまとめたものです。身は少なめですが、骨のまわりの身はゼラチン質が多く、煮るとうま味が煮汁に溶け出します。値段が手頃なことが多いので、ぶり大根を作るならアラから試してみるとよいでしょう。ただし、うろこや血が残りやすいので、下ごしらえの手間は切り身より少し増えます。
臭みを抜く下ごしらえ:塩と霜降り
ブリの生臭さの多くは、表面のぬめり、血、身から出る水分に含まれています。下ごしらえでは、この三つを取り除くことを目指します。方法は大きく分けて「塩を振って水分を出す」「熱湯で表面を固めて洗う(霜降り)」の二つです。

切り身には塩を振る
照り焼きや塩焼きにする切り身は、塩を振って余分な水分を引き出します。
- 切り身をバットに並べ、両面に軽く塩を振ります。量は、切り身全体がうっすら白くなる程度です。
- 冷蔵庫で15分から30分ほど置きます。表面に水分がにじみ出てきます。
- キッチンペーパーで、にじみ出た水分をしっかりふき取ります。この水分に臭みが含まれています。
塩を振ってから長く置きすぎると、身が締まりすぎたり、しょっぱくなったりします。照り焼きにする場合は、塩を少なめにして時間も短めにすると、たれの味とのバランスがよくなります。
アラは霜降りをする
アラは骨や皮にぬめりや血が多く残るので、熱湯をかける「霜降り」が欠かせません。表面が霜が降りたように白くなることから、この名前で呼ばれます。

具体的には、次のように進めます。
- アラを食べやすい大きさに切り分けてもらうか、売り場で切られたものを用意します。頭は硬いので、家で割るのは無理をしないほうが安全です。
- 軽く塩を振り、15分ほど置いて水分を出します。
- ざるに並べ、沸騰したお湯をまんべんなく回しかけます。量が多いときは、鍋に沸かしたお湯にくぐらせ、表面が白くなったらすぐに引き上げる方法でもかまいません。
- すぐに冷水を張ったボウルに移します。
- 水の中で、残ったうろこ、血の塊、ぬめりを指先で洗い落とします。骨の内側や頭のくぼみに血が残りやすいので、ていねいに見ていきます。
- 水けをふき取れば下ごしらえは完了です。
熱湯で表面のたんぱく質を固めることで、うま味が流れ出るのを防ぎながら、表面の汚れだけを落としやすくしています。お湯をかけすぎると中まで火が通ってしまうので、表面の色が変わったらすぐに冷水へ移すのがこつです。
骨の多いアラを扱うときは、骨の先で手を傷つけないよう気をつけてください。硬い頭を家庭の包丁で無理に割ると、刃が欠けたり滑ってけがをしたりするおそれがあります。必要なら、購入時に売り場で切り分けてもらいましょう。










