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歴史・文化

お雑煮の地域差|丸餅と角餅の境目、すまし・白味噌・小豆の違いと全国の雑煮

関東風のすまし雑煮の作り方

ここからは基本の二種類を紹介します。まず、鶏肉と小松菜の関東風です。分量は2人分の目安で、お椀2杯にたっぷりめの量です。

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材料は、だし500ml、鶏もも肉60g、小松菜2株ほど、かまぼこ2切れ、ゆず皮少々、角餅2個です。味付けは薄口しょうゆか濃口しょうゆ小さじ2、塩ひとつまみ、酒小さじ1を目安にします。

すまし雑煮の手順(1. 下ごしらえ、2. 汁を作る、3. 味をつける、4. 餅を焼く、5. 盛りつける)
餅はお椀に入れる直前に焼きます。
  1. 小松菜はゆでて冷水にとり、水気をしぼって3cmほどに切ります。汁に直接入れないのは、色が悪くなるのを防ぎ、青くささを汁に移さないためです。
  2. 鶏肉は小さめのそぎ切りにします。酒を少しふり、熱湯をさっとかけておくと、汁が濁りにくくなります。
  3. 鍋にだしと鶏肉を入れて中火にかけ、沸いたら弱火にしてあくをすくいます。火が通ったら酒、塩、しょうゆで味を調えます。すまし汁は熱いうちは塩気を感じにくいので、少し飲んで「やや薄い」と感じる程度で止めます。
  4. 餅を魚焼きグリルやオーブントースターで焼きます。焦げやすいので目を離さないようにします。
  5. お椀に餅を入れ、小松菜とかまぼこをのせて、熱い汁を静かに張ります。最後にゆず皮をのせます。

だしを前の日に取っておけば、当日は15分ほどで作れます。鶏肉の代わりにえびや白身魚を使っても同じ手順で作れます。

大晦日までに済ませておくこと

元日の朝を楽にするには、次のように分けて準備します。だしは12月30日か31日に取り、冷蔵庫で保存します。小松菜などの青菜は31日にゆで、水気をしぼって密閉容器に入れます。ゆでた青菜は日持ちしないので、元日か二日までに使い切ります。鶏肉は生のまま置かず、31日のうちに汁の中で火を通してしまうか、当日まで冷凍しておくと安全です。だしや汁は清潔な容器に入れて冷蔵し、使う前によく沸かします。

一人暮らしで手間をかけたくないなら、顆粒だしに鶏肉と青菜だけでも雑煮の雰囲気は十分に出ます。ゆず皮が一片あると、香りで正月らしくなります。

白味噌雑煮の作り方

次は京風の白味噌雑煮です。材料が少なく、むしろ手順は単純です。同じく2人分の目安で、昆布だし400ml、白味噌80〜100g、丸餅2個、大根とにんじん各少々、里芋2個です。

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白味噌は普通の味噌より塩分が少ないので、味噌汁の倍以上の量を使います。汁の量に対して多いと感じるかもしれませんが、これが正しい分量です。製品によって甘さと塩気がかなり違うので、半量ほどを溶いてから味を見て足します。

  1. 大根とにんじんは薄い輪切りにし、里芋は皮をむいて1cm幅の輪切りにします。それぞれ別に下ゆでしておきます。里芋は表面のぬめりを軽く洗い流すと、汁が重たくなりすぎません。
  2. 丸餅は別の鍋の湯でやわらかくなるまでゆでます。汁の鍋で直接煮ると、餅の成分で汁が重くなり、鍋の底にくっつくこともあります。
  3. 鍋に昆布だしを温め、白味噌を溶き入れます。煮立たせると香りが飛び、分離しやすいので、沸く直前で火を弱めます。
  4. 下ゆでした野菜を入れて温めます。
  5. お椀に餅と野菜を入れ、汁を張ります。好みで削りがつおを少量のせると、甘い汁の味が締まります。

白味噌は開封後の風味が落ちやすいので、正月に使い切る量を買うか、残りは味噌汁や和え物に使い切ります。甘みの強い味噌なので、ふだんの味噌と混ぜて使うと中間の味になります。味噌の溶き方の基本は味噌汁の作り方とコツでも説明しています。

家の味が二つあるときの考え方

雑煮は家の味なので、結婚や同居で「どちらの雑煮にするか」が話題になることがあります。これは意外に悩む人が多い問題です。

二つの味を合わせる方法(元日と二日で作り分ける、年ごとに交代する、汁だけ二種類用意する、具は片方、餅はもう片方にする、相手の実家の作り方を聞く)
毎年同じ方法でなくてかまいません。

いちばん取り入れやすいのは、元日と二日で作り分ける方法です。三が日のうちに汁を変えると、残った具材も無駄にならず、食卓の変化にもなります。もともと元日は白味噌、二日はすまし、というように日によって汁を変える習わしを持つ土地や家もあります。

作り方を聞くときは、親に「レシピを教えて」と頼むより、「年末に一緒に作らせて」と頼むほうが細かいところが伝わります。だしの濃さ、野菜の切り方、餅を入れるタイミングといった部分は、紙に書かれないまま家に残っていることが多いためです。作りながら分量を量って書き留めておくと、数年後に親の味を再現したいときに役立ちます。

雑煮のことを親と話すときは、「いつからこの味なのか」「おばあさんの代はどうだったのか」と聞いてみるのもおすすめです。引っ越しや結婚の歴史が、椀の中の味に残っていることがあります。地域差の話は家の歴史の話でもあります。

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餅を安全においしく食べるために

雑煮を楽しむうえで、忘れてはいけないのが餅の事故です。

餅はのどに詰まりやすい食品です。消費者庁も年末年始に注意を呼びかけています。小さく切り、お茶や汁でのどを湿らせてから、少しずつよくかんで食べます。子どもや高齢の方、飲み込む力が弱くなっている方が食べるときは、周りの人が見守ってください。もしのどに詰まったら、すぐに119番に連絡してください。

雑煮の餅は、汁の中で温まるととてもよく伸びます。ふだんより小さめに切るのが基本です。角餅は四つ切りにしておくと、焼くのも簡単です。丸餅は最初から小ぶりのものを選ぶと、一椀に入れる数で調整できます。

お年寄りのいる家では、餅を小さく切ったうえで、少なめによそう工夫もできます。無理に餅を食べる必要はなく、餅の代わりに白玉だんごや里芋を入れて、雑煮の味だけ楽しむ方法もあります。汁の味が家の雑煮の中心だと考えれば、餅がなくても十分に「うちの雑煮」になります。

余った餅は、正月が過ぎるとかたくなってかびが出やすくなります。長く置くなら冷凍庫に入れ、1枚ずつラップで包んでおきます。鏡開きの餅の扱いは鏡餅の飾り方と鏡開きにまとめています。

まとめ

雑煮の地域差は、餅の形、焼くか煮るか、汁の味、具の四つに分けて考えると整理できます。関ヶ原を境にした東の角餅と西の丸餅、東のすましと西の白味噌という説明は大まかな目安で、実際には北陸の丸餅や鹿児島の角餅、鳥取の小豆汁のように、その土地の歴史や産物に根ざした例外がたくさんあります。

最初の一歩として、今年の暮れに自分の家の雑煮を「餅の形」「焼く・煮る」「汁」「具」の四項目で書き出してみてください。そのうえで家族に「なぜこの形なのか」を聞いてみると、親の出身地や昔の暮らしの話につながるはずです。余裕があれば、三が日のうち一日だけ、ほかの土地の雑煮を作ってみると、自分の家の味もあらためて見えてきます。

よくある質問

丸餅と角餅の境目はどこですか?

大まかには岐阜県の関ヶ原付近が境目とされ、東が角餅、西が丸餅と説明されます。ただし北陸や東北の内陸部に丸餅が多い土地があり、西日本にも角餅の土地があります。東西にきれいに分かれるわけではないので、傾向として受け取るのが安全です。

お雑煮はいつごろから食べられていますか?

室町時代ごろには記録が見られるとされ、はじめは武家や公家の宴席の料理だったと説明されます。庶民の正月料理として広まったのは江戸時代以降と考えられています。

お雑煮の餅は焼くのと煮るのとどちらが正しいですか?

どちらも正しい作り方で、土地や家庭の習慣によって違います。焼くと香ばしく汁が濁りにくくなり、煮るとやわらかくなって汁になじみます。大まかに東は焼き、西は煮る土地が多いといわれますが、例外はたくさんあります。

夫婦で実家のお雑煮が違うときはどうすればよいですか?

元日と二日で作り分ける、一年ごとに交代する、汁を分けて作るといった方法があります。どちらかに決めなくてもかまいません。どの部分を残したいかを互いに聞いてみると、合わせやすくなります。

お雑煮の餅で気をつけることはありますか?

餅はのどに詰まりやすい食品です。小さく切り、水分をとってのどを湿らせてから、少しずつよくかんで食べます。子どもや高齢の方が食べるときは、そばで見守るようにしてください。

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